(仮訳)北米西部産Phaeocollybia属菌 (4):脛骨状の縁シスチジアを有する2新種およびVersicolores節の再検討
Norvell, LL. 2004. Phaeocollybia in western North America 4: Two new species with tibiiform cheilocystidia and Section Versicolores reconsidered. Mycotaxon. Available at: https://www.mycotaxon.com/vol/abstracts/90/90-241.html [Accessed October 29, 2021] 【R3-08915】2021/10/29投稿

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3行まとめ

米国太平洋岸のカリフォルニア州、オレゴン州、およびワシントン州からPhaeocollybia rufotubulinaP. tibiikauffmaniiの2新種を記載した。
両種はいずれも担子胞子が大型で装飾を有し、縁シスチジアが脛骨状厚壁で、クランプを欠くことなどで特徴づけられた。
両種を含む北米西部産本属菌について、RFLPプロファイルのクラスター分析により系統関係を検討するとともに、Versicolores節の分類形質を再検討した。
Jackson State Forest, Mendocino County, California, USA

(新種)

Phaeocollybia rufotubulina Norvell
語源…帯赤色の小管の(子実体の色と柄の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phaeocollybia californica
米国西部に分布する
形態的に類似している(従来この種に誤同定されていた)
偽根が総状の根状菌糸束状
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
本種より子実体のサイズが僅かに大きい
本種ほど子実体の色が濃くない
本種と異なり柄表面が縦方向の白色繊維状
本種ほど担子胞子の装飾が顕著でない
本種ほど縁シスチジアが豊富でない
本種と異なり縁シスチジアが脛骨状でない
本種と異なり上表皮菌糸を暗橙色の同心円状の結晶が覆うという特徴を欠く
本種より柄表皮が厚い
本種より柄表皮が明色
本種とRFLPプロファイルが異なる
Phaeocollybia scatesiae
米国西部に分布する
偽根が総状の根状菌糸束状
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
本種とRFLPプロファイルが異なる
Pedee BLM Reserve Forest Chronosequence transect, Polk County, Oregon, USA

(新種)

Phaeocollybia tibiikauffmanii Norvell
語源…脛骨状のPhaeocollybia kauffmaniiの(縁シスチジアの形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phaeocollybia kauffmanii
子実体のサイズが類似している
子実体ががっしりとしている
傘が橙褐色
傘表面に粘性を有する
柄が先細りになる
柄が中実
偽根が垂直で単軸
シリンガルダジンに対する呈色反応が類似している
担子胞子のサイズが類似している
本種ほど子実体の形状が細長くない
本種と異なり傘縁部が強く内側に巻く
本種と異なり縁シスチジアが脛骨状でない
本種と異なり縁シスチジアが厚壁でない
本種と異なり傘実質が高度にゼラチン化した顕著な”sarcodimitic”という特徴を欠く
Phaeocollybia spadicea
北米西部に分布する
形態的に類似している(当初この種の橙色型と考えられていた)
本種と異なり傘が暗色~帯黒褐色
本種と異なり傘がシリンガルダジン陰性
本種と異なり襞がシリンガルダジン陰性
本種と異なり柄表面が通常反曲、凝集した肉桂色繊維状のパッチに覆われる
本種より担子胞子のサイズが小さい
Phaeocollybia pseudofestiva
北米西部に分布する
傘の形状が類似している
子実体の臭いが類似している
シリンガルダジンに対する呈色反応が陽性
担子胞子のサイズが類似している
縁シスチジアが脛骨状
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり子実体がオリーブ緑色
本種より担子胞子が僅かに嘴状である
本種と異なり縁シスチジアが薄壁でない