(仮訳)東アジア産の新種の地衣、Phaeophyscia esslingeriおよび全世界の本属有毛種の検索表
Kondratyuk, SY. et al., 2016. Phaeophyscia esslingeri sp. nov. (Physciaceae, lichen-forming Ascomycota) – a new lichen species from Eastern Asia, with a world-wide key to the hairy species of the genus. Studia botanica hungarica. Available at: http://real.mtak.hu/43908/ [Accessed March 4, 2017].
【R3-03807】2017/03/04投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

韓国江原道で採集された樹上生地衣の一種を検討し、Phaeophyscia esslingeriとして新種記載した。
本種は地衣体が比較的大型で、上面が淡灰色で下面が淡褐色~暗褐色、子器および裂片先端の皮層に毛を有することなどで特徴づけられた。
また、クロウラムカデゴケ属地衣のうち裂片先端の皮層および子器縁部の上部に毛を有する種の検索表を掲載した。
韓国江原道旌善郡南面楽洞里仙坪ギル

(新種)

Phaeophyscia esslingeri S. Y. Kondr., L. Lőkös, J.-J. Woo et J.-S. Hur
語源…アメリカの地衣学者、Theodore Lee Esslinger氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phaeophyscia hirtella
裂片先端の皮層に毛を有する
子器縁部の上部に毛を有する
髄層が白色
本種と異なり韓国ではなく北米などに分布する
本種より地衣体のサイズが小さい
本種と異なり地衣体が淡灰色ではなく帯緑灰色~暗灰色で時にやや褐色を帯びる
本種と異なり地衣体上面に白斑を有する
本種と異なり裂片同士が重なり合うのではなく個々が離れる
本種より裂片の幅がずっと狭い
本種と異なり子器の基部周辺に暗色の仮根を有する
本種より裂片先端皮層の毛が長い
本種より子器の毛が長い
本種より子嚢胞子の幅が狭い
Phaeophyscia culbersonii
樹皮生地衣である
裂片先端の皮層に毛を有する
子器縁部の上部に毛を有する
子器の基部付近に暗色の仮根を有さない
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子がPhyscia
髄層が白色
本種と異なり韓国ではなく北米などに分布する
本種と異なり岩上やサボテンの幹に発生した例が知られている
本種より地衣体のサイズが小さい
本種と異なり地衣体が淡灰色ではなくほとんどの場合灰褐色
本種より裂片の幅がずっと狭い
本種と異なり地衣体にネクラル上層を有する
本種より裂片先端の皮層の毛が短い
本種より子器のサイズが小さい
本種と異なり粉芽を有する
本種より粉子のサイズが大きい
本種と異なり粉子が広楕円形ではなく円筒形でしばしば中ほどの付近が僅かに屈曲する
Phaeophyscia hirtuosa(シラゲムカデゴケ)
東アジアに分布する
樹皮生地衣である
地衣体がやや大型
裂片同士が重なり合う
裂片先端の皮層に毛を有する
子器のサイズが同一
子器表面が毛状
髄層が白色
本種と異なり韓国ではなく日本、ロシア、中国に分布する
本種と異なりアスベスト屋根材に発生した例が知られている
本種と異なり地衣体が淡灰色ではなく灰褐色~暗褐色
本種と異なり地衣体上面に白斑を有する
本種より裂片の幅が狭い
本種と異なり裂片が類凸形ではなく主に凹む
本種と異なり裂片の縁部がやや下向きに折り畳まれるのではなく先端が斜上する
本種と異なり地衣体下面が褐色ではなく黒色
本種より子器の毛が長い
本種と異なり子器の基部周辺に暗色の仮根を有する
本種より仮根がずっと長い
本種より子嚢胞子の幅がやや狭い
本種より共生藻の細胞のサイズがずっと小さい
本種と異なり地衣成分を含む(アトラノリン、ゼオリンなど)
Phaeophyscia spinellosa
韓国に分布する
地衣体が大型
地衣体が淡灰色
髄層が白色
本種と異なり日本にも分布する
本種と異なり地衣体が基質に密に固着するのではなく緩く付着する
本種と異なり地衣体下面が淡褐色~暗褐色ではなく黒色
本種と異なり地衣体が単層ではなく多層からなるとみられる
本種より裂片の幅が狭い
本種と異なり裂片が凸形ではなく通常凹む
本種より子器のサイズが小さい
本種と異なり子器の基部周辺に暗色の仮根を有する
本種より仮根が長い
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
Phaeophyscia hirsuta
子器に下向きの毛を有する
髄層が白色
本種と異なり地衣体下面が淡褐色~暗褐色ではなく黒色
本種と異なり粉芽を有する
Phaeophyscia insignis
子器に下向きの毛を有する
髄層が白色
本種と異なり地衣体下面が淡褐色~暗褐色ではなく黒色
本種と異なり粉芽を有する
Phaeophyscia imbricata(カワラバムカデゴケ)
二次裂片を有する
子嚢胞子がPhyscia
皮層が異形菌糸組織からなる
皮層下部が暗褐色
本種と異なり韓国ではなく北米および日本に分布する
本種と異なり広葉樹林に発生する
本種より地衣体のサイズが小さい
本種より裂片の幅が狭い
本種と異なり地衣体表面の中央部ではなく縁部に小裂片を有する
本種より子器のサイズが小さい
本種と異なり子器の上部と下部の両方に毛を有するのではなく基部のみに有する
本種より仮根が長い
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種より共生藻の細胞のサイズが小さい
Phaeophyscia ciliata
樹皮生地衣である
本種と異なり岩上に生じることがある
本種より地衣体のサイズが小さい
本種と異なり地衣体下面が暗色でない
本種より裂片の幅が狭い
本種と異なり子器縁部に毛を有するという特徴を欠く
本種と異なり無性生殖の散布体を有する
本種と異なり裂片先端の皮層に毛を有するという特徴を欠く
本種と異なり髄層が白色でない
Phaeophyscia hunana
皮層に毛を有することがある
本種と異なり韓国ではなく中国などに分布する
本種より地衣体のサイズが小さい
本種より裂片の幅がずっと狭い
本種より子器のサイズが小さい
本種と異なり子器の基部付近に黒色の仮根を有する
本種と異なり皮層下部が褐色ではなく黒色
本種と異なり髄層が白色ではなく赤色
本種と異なり髄層がK+紫色
本種と異なり地衣成分を有する(スカイリン)