(仮訳)Pholiota lubrica var. obscuraに基づく新名P. gallica
Holec, J. & Kolařík, M., 2014. Pholiota gallica nom. nov., based on P. lubrica var. obscura. Mycotaxon. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2014/00000127/00000001/art00026 [Accessed October 10, 2014].
【R3-01176】2014/10/10投稿

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3行まとめ

ヨーロッパ産の忘れ去られた菌、Pholiota lubrica var. obscuraを批判的に再検討した。
形態学的検討および分子系統解析により、本菌が典型的なP. lubricaと系統的に異なること、担子胞子などの形態が異なることを示した。
このことから本変種を昇格させ種として扱うこととし、種小名のobscuraが既に用いられていることから新名P. gallicaを提唱した。

(新学名)

Pholiota gallica Holec & Kolařík
旧名:Pholiota lubrica var. obscura Bon & Chevassut
語源…ガリア(フランス)の
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【よく似た種との区別】
Pholiota lubrica(チャナメツムタケ)
ヨーロッパに分布する
本種と異なりSpumosae節ではなくLubricae節に含まれる
本種と異なり傘が栗褐色ではなく橙色・肉桂色・帯赤褐色で縁部が淡色
本種と異なり担子胞子が卵形~卵状楕円形ではなく側面から見ると豆形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列に11%の差異)
Pholiota highlandensis(ヤケアトツムタケ)
同じSpumosae節に含まれる
ヨーロッパに分布する
本種と異なり焼け跡菌である
本種と異なり柄に顕著な鱗片や帯を伴うのではなく微細な繊維または綿毛に覆われる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pholiota mixta
同じSpumosae節に含まれる
ヨーロッパに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘が栗褐色ではなく縁部が類白色
本種と異なり柄に顕著な鱗片や帯を伴うのではなく微細な繊維に覆われる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pholiota chocenensis
同じSpumosae節に含まれる
ヨーロッパに分布する
本種より子実体のサイズがかなり小さい
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘が栗褐色ではなくより明色の黄褐色またはさび褐色を帯びる橙色
本種と異なり柄の被膜の名残が黄色ではなくより暗色のさび橙色~さび色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基配列に18%の差異)
Pholiota brunnescens
同じSpumosae節に含まれる
ヨーロッパに分布する
本種と異なり焼け跡菌である
本種と異なり柄シスチジアを有する
Pholiota lenta(シロナメツムタケ)
ヨーロッパに分布する
本種と異なりSpumosae節ではなくLubricae節に含まれる
本種と異なり傘が栗褐色ではなく類白色~帯灰ベージュ色
本種と異なり担子胞子が卵形~卵状楕円形ではなく側面から見ると豆形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pholiota elegans
ヨーロッパに分布する
本種と異なりSpumosae節ではなくLubricae節に含まれる
本種と異なり傘が栗褐色ではなくレモン黄色・黄色・黄褐色
本種と異なり担子胞子が卵形~卵状楕円形ではなく側面から見ると豆形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Pholiota mixta (Fr.) Kuyper & Tjall.-Beuk.
Pholiota virescentifolia A.H. Sm. & Heslerを本種のシノニムとした。
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【よく似た種との区別】
Pholiota gallica
同じSpumosae節に含まれる
ヨーロッパに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘の直径が大きい
本種と異なり傘の縁部が類白色ではなく栗褐色
本種と異なり柄が微細な繊維に覆われるのではなく顕著な鱗片や帯を伴う
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される