(仮訳)Phylloporus属とPhylloboletellus属はもはや孤独ではない:アメリカ産の種、Phylloporus boletinoidesに対する襞と平滑胞子を有する新属Phylloporopsis
Farid, A. et al., 2018. Phylloporus and Phylloboletellus are no longer alone: Phylloporopsis gen. nov. (Boletaceae), a new smooth-spored lamellate genus to accommodate the American species Phylloporus boletinoides. Fungal Systematics and Evolution. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/wfbi/fuse/2018/00000002/00000001/art00011 [Accessed August 7, 2021] 【R3-08665】2021/8/7投稿

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3行まとめ

Phylloporus属内で孤立した位置付けがなされてきたP. boletinoidesに対して新属Phylloporopsisを提唱した。
ドミニカ共和国および米国フロリダ州産の本種の標本を検討し、詳細な記載文やSEM写真などを掲載した。
本種と類似あるいは近縁のBothiaPhylloporusPhylloboletellusPhyllobolitesの各属との差異について議論した。

(新組み合わせ、ドミニカ共和国新産種)

Phylloporopsis boletinoides (A.H. Smith & Thiers) Vizzini, Angelini, A. Farid, Gelardi, Costanzo, & M.E. Smith
旧名:Phylloporus boletinoides A.H. Smith & Thiers
語源…(属名)Phylloporus属のような
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【よく似た種との区別】
Bothia castanella
米国に分布する
ITS、nrLSU+RPB1、nrLSU+TEF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と地理的分布が部分的にしか重ならない
本種と異なりマツ属ではなくブナ科(ほとんどの場合コナラ属)植物と関係を持つ
本種と異なり子実層托が襞状で吻合するのではなく真のイグチ型で多角形および放射状に伸長した孔口をなす
本種と異なり子実層托が成熟時オリーブクリーム色~オリーブ黄褐色ではなく常に帯褐色
本種と異なり子実層托が常に深く垂生するのではなく僅かに垂生するか柄頂部周囲が窪む
本種と異なり柄表面が粗い網目状
本種と異なり子実体組織が青変ではなく褐変する
本種と異なり胞子紋が顕著な帯オリーブ色ではなく淡い帯褐黄色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が卵形~広楕円形
本種と異なり傘表皮菌糸に暗褐色の結晶を伴う
ITS、nrLSU+RPB1、nrLSU+TEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phylloporus spp.
形態的に類似している
本種と異なり傘がアンモニアで帯赤色~紫桃色ではなく鮮青色~帯青緑色に呈色するかまたは陰性
本種と異なり襞が成熟時オリーブクリーム色~オリーブ黄褐色ではなく黄色~黄金色で乾燥しても明黄色
本種と異なり担子胞子の装飾がSEM下で桿形のことがある
本種と異なり菌糸にクランプを有することがある
nrLSU+RPB1、nrLSU+TEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phylloporus centroamericanus
新熱帯に分布する
子実体の色がいくぶん類似している
本種より子実体のサイズが小さい
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり傘表面が老成すると小区画状になる傾向がある
本種と異なり柄基部に白色菌糸体を伴う
本種異なり柄の中ほどの肉が帯桃褐色
本種と異なり肉が類白色
本種と異なり子実層シスチジアに結晶を伴う
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく子実層状被
本種より傘表皮の末端細胞の幅が広い
Phylloporus rubiginosus
本種と異なり米国、ベリーズ、ドミニカ共和国ではなく東アジアなどに分布する
本種と異なりマツ属ではなくシイ属およびフタバガキ属植物などと関係を持つ
本種と異なり傘表面がアンモニアで青色に呈色する
本種と異なり襞が鮮黄色~帯橙黄色
本種と異なり肉が一様に帯黄色
本種と異なり肉全体が緩やかに青変する
本種より担子胞子のサイズが小さい
Phylloporus pachycystidiatus
本種と異なり中国に限って分布する
本種と異なりマツ属ではなくマテバシイ属植物などと関係を持つ
本種より子実体のサイズが僅かに小さい
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり子実層托が成熟時オリーブクリーム色~オリーブ黄褐色ではなく黄色
本種と異なり柄基部に類白色の菌糸体を伴う
本種と異なり肉が帯黄クリーム色
本種と異なり担子胞子の装飾がSEM下で桿形
本種と異なり子実層シスチジアが厚壁
nrLSU+TEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phylloporus pelletieri
本種と異なり米国、ベリーズ、ドミニカ共和国ではなくオーストリアなどに分布する
本種と異なり傘表面がアンモニアで青緑色に呈色する
本種と異なり子実層托が成熟時オリーブクリーム色~オリーブ黄褐色ではなく明黄色~黄金色
本種と異なり柄基部に明黄色の菌糸体を伴う
本種と異なり子実体組織が変色しない
本種と異なり担子胞子の装飾がSEM下で桿形
nrLSU+RPB1、nrLSU+TEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phylloboletellus chloephorus
熱帯に分布する
本種と異なりメキシコ、アルゼンチンにおける分布が知られている
本種と異なりマツ属ではなくクスノキ科、フトモモ科、ムクロジ科、ニレ科植物などの樹下に生じる
本種と異なり傘がやや中高
本種と異なり傘表面がアンモニアで青緑色に呈色する
本種と異なり柄基部に帯黄色の菌糸体を伴う
本種と異なり肉が一様に黄色
本種と異なり肉が露出すると青変する
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子の幅が広い
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり子実層托実質がイグチ型
本種と異なり菌糸に偽または不完全なクランプを有する
ITS、nrLSU+RPB1、nrLSU+TEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される