(仮訳)Kernia属およびAcaulium属の系統分類学的再検討
Su, L. et al., 2020. Phylogeny and taxonomic revision of Kernia and Acaulium. Scientific Reports. Available at: https://www.nature.com/articles/s41598-020-67347-1.pdf [Accessed July 5, 2020] 【R3-07472】2020/7/5投稿

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3行まとめ

Kernia属およびAcaulium属菌の形態学的検討および分子系統解析による再検討を実施し、両属が明瞭に分離されることを示した。
その結果を基に2新組み合わせ、A. peruvianumおよびA. retardatumを提唱した。
また、中国北京市の実験動物研究所でマーモットの糞から分離された菌をK. anthracinaとして新種記載した。
中国北京市房山区中国医学科学院医学実験動物研究所

(新種)

Kernia anthracina L. Su, H. Zhu & C. Qin
語源…炭色の(コロニーの色から)
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【よく似た種との区別】
Kernia hippocrepida
糞生菌である
ITS+nrLSU、ITS、nrLSU、TEF、TUBに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくカナダなどに分布する
本種と異なりマーモットではなくカナダヤマアラシの糞などから分離される
本種と異なり子嚢胞子が卵状~楕円形ではなく腎臓形
本種と異なり分生子柄がScopulariopsis属型ではなくコイル状または不規則にねじれる
ITS+nrLSU、TEF、TUBに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Acaulium peruvianum (Udagawa & Furuya) L. Su
旧名:Kernia peruviana Udagawa & Furuya
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【よく似た種との区別】
Acaulium albonigrescens
分生子柄に通常二次分枝を欠く
本種と異なり子嚢胞子が広卵状~紡錘形ではなく三日月形で末端が丸い
本種と異なり分生子が楕円形~紡錘形ではなく棍棒形~円筒形

(新組み合わせ)

Acaulium retardatum (Udagawa & T. Muroi) L. Su
旧名:Kernia retardata Udagawa & T. Muroi
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【よく似た種との区別】
Acaulium caviariforme
培養下で有性胞子と無性胞子の両方を形成する
PDA培地でのコロニーが隆起する
PDA培地でのコロニーが泥状
PDA培地で気生菌糸を形成しない
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子が灰色~帯黄色ではなく淡橙色~銅色
本種と異なり子嚢胞子が広卵状~楕円形ではなく紡錘形
本種と異なり分生子が褐色
本種と異なり分生子が倒卵状~楕円形

(その他掲載種)

Kernia nitida (Sacc.) Nieuwl.
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