(仮訳)Laetiporus属の系統分類および中国西部産の2新種
Song, J. et al., 2018. Phylogeny and taxonomy of Laetiporus (Basidiomycota, Polyporales) with descriptions of two new species from western China. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/26016/ [Accessed February 16, 2019] 【R3-05955】2019/2/16投稿

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3行まとめ

中国のチベット自治区および新疆ウイグル自治区からそれぞれLaetiporus medogensisおよびL. xinjiangensisを新種記載した。
前者は針葉樹に生じ、傘が帯桃黄褐色~粘土黄褐色で孔口面が帯褐黄色、担子胞子が卵状~楕円形であることなどで特徴づけられた。
後者は広葉樹に生じ、傘が淡黄褐色~粘土桃色で孔口面がクリーム色~淡黄色、孔口が大型で担子胞子が小型であることなどで特徴づけられた。
中国チベット自治区ニンティ市メトク県

(新種)

Laetiporus medogensis J. Song & B.K. Cui
語源…メトク産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Laetiporus ailaoshanensis
同じLaetiporus sulphureus複合種に含まれる
中国に分布する
傘が黄色~橙色
肉が白色
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子が卵状~楕円形
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり冷温帯ではなく亜熱帯に分布する
本種と異なりモミ属ではなくマテバシイ属植物などを宿主とする
本種と異なり傘が帯桃黄褐色~粘土黄褐色ではなく橙黄色~帯赤橙色
本種と異なり孔口面が帯褐黄色ではなくクリーム色~黄褐色
本種より孔口のサイズが小さい
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laetiporus sulphureus
同じLaetiporus sulphureus複合種に含まれる
孔口のサイズの範囲が重なる
傘が黄色~橙色
孔口面が黄色
担子胞子が卵状~楕円形
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく北米、ヨーロッパ、南米などに分布する
本種と異なりモミ属ではなくカエデ属、ヤナギ属、サイカチ属、コナラ属、トネリコ属、クリ属植物などを宿主とする
本種より子実体が厚い
本種と異なり傘が帯桃黄褐色~粘土黄褐色ではなく明るい鮭肉橙色
本種と異なり孔口面が帯褐黄色ではなくレモン色
本種より担子胞子が長い
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laetiporus versisporus(アイカワタケ)
同じLaetiporus sulphureus複合種に含まれる
東アジアに分布する
傘が黄色
孔口面が帯黄色
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子が卵状~楕円形
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり冷温帯ではなく冷温帯~熱帯に分布する
本種と異なりモミ属ではなくハリエンジュ属、クリ属、コナラ属、ホルトノキ属、シイ属植物などを宿主とする
本種と異なり傘が帯桃黄褐色~粘土黄褐色ではなく類白色~硫黄色
本種と異なり孔口面が帯褐黄色ではなく通常黄色で時にほぼ白色~淡黄色
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子胞子が長い
本種と異なり担子胞子が卵状~楕円形ではなく卵状~短楕円形
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laetiporus montanus(ミヤママスタケ)
同じLaetiporus sulphureus複合種に含まれる
中国に分布する
同じモミ属植物を宿主とする
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトウヒ属、カラマツ属植物が宿主として知られている
本種より担子胞子が長い
本種と異なり傘が帯桃黄褐色~粘土黄褐色ではなく淡橙色~帯赤橙色
本種と異なり孔口面が帯褐黄色ではなく明るい硫黄色
本種と異なり担子胞子が卵状~楕円形ではなく洋梨形または卵状~楕円形
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州鞏留県西天山国家自然保護区

(新種)

Laetiporus xinjiangensis J. Song, Y.C. Dai & B.K. Cui
語源…新疆産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Laetiporus sulphureus
同じLaetiporus sulphureus複合種に含まれる
同じヤナギ属植物を宿主とする
子実体が重生する
孔口面が帯黄色
担子胞子が卵状~楕円形
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく北米、ヨーロッパ、南米などに分布する
本種と異なりカエデ属、サイカチ属、コナラ属、トネリコ属、クリ属植物などが宿主として知られている
本種と異なり傘が淡黄褐色~粘土桃色ではなく明るい鮭肉橙色
本種と異なり孔口面がクリーム色~淡黄色ではなくレモン色
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laetiporus montanus(ミヤママスタケ)
同じLaetiporus sulphureus複合種に含まれる
中国に分布する
傘が材木色
孔口面が帯黄色
孔口のサイズの範囲が重なる
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本および中欧における分布が知られている
本種と異なりカバノキ属、ヤマナラシ属、ヤナギ属ではなくトウヒ属、カラマツ属、モミ属植物などを宿主とする
本種と異なり傘が淡黄褐色~粘土桃色ではなく淡橙色~帯赤橙色
本種と異なり孔口面がクリーム色~淡黄色ではなく明るい硫黄色
本種と異なり担子胞子が卵状~楕円形ではなく洋梨形または卵状~楕円形
ITS+nrLSU+nrSSU+mtSSU+EF-1α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される