(仮訳)トネリコ属樹木に生じるPhyllactinia属うどんこ病菌の系統分類
Maeda, M. et al., 2021. Phylogeny and taxonomy of Phyllactinia species (powdery mildew: Erysiphaceae) occurring on the ash trees (Fraxinus spp.). Mycoscience. Available at: https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/62/4/62_MYC541/_article/-char/ja/ [Accessed July 26, 2021] 【R3-08630】2021/7/26投稿

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3行まとめ

トネリコ属樹木を宿主とするPhyllactinia属うどんこ病菌を世界各地で採集し、形態学的検討および分子系統解析を実施した。
日本各地でマルバアオダモおよびアオダモに生じた菌をP. japonica、ヤマトアオダモに生じた菌をP. fraxini-longicuspidisとしてそれぞれ新種記載したほか、P. fraxiniのエピタイプ標本を指定した。
分岐年代推定によると、4種のPhyllactinia属菌の種分化において地理的隔離よりも宿主特異性が重要な役割を果たしたことが示唆された。
滋賀県米原市伊吹山

(新種)

Phyllactinia japonica M. Maeda, Meeboon & S. Takam.
語源…日本の
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【よく似た種との区別】
Phyllactinia fraxini
日本に分布する
同じトネリコ属樹木を宿主とする
形態的に類似している(明瞭な形態的差異がない)
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチェコ、リトアニア、ドイツ、イタリア、イギリス、イラン、ウクライナなどにおける分布が知られている
本種と異なりアオダモおよびマルバアオダモではなくヤチダモ、セイヨウトネリコ、Fraxinus pennsylvanica、ヒトツバタゴ属、ハシドイ属樹木が宿主として知られている
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phyllactinia fraxinicola
日本に分布する
形態的に類似している(明瞭な形態的差異がない)
子嚢が主に3胞子性
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり韓国、中国における分布が知られている
本種と異なりアオダモおよびマルバアオダモではなくFraxinus chinensisF. rhynchophyllaなどを宿主とする
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
滋賀県米原市伊吹山

(新種)

Phyllactinia fraxini-longicuspidis M. Maeda, Meeboon & S. Takam.
語源…ヤマトアオダモ (Fraxinus longicuspis) の
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【よく似た種との区別】
Phyllactinia fraxini
日本に分布する
同じトネリコ属樹木を宿主とする
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチェコ、リトアニア、ドイツ、イタリア、イギリス、イラン、ウクライナなどにおける分布が知られている
本種と異なりヤマトアオダモではなくヤチダモ、セイヨウトネリコ、Fraxinus pennsylvanica、ヒトツバタゴ属、ハシドイ属樹木が宿主として知られている
本種と異なり子嚢が常に2胞子性なのではなく主に3胞子性
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phyllactinia fraxinicola
日本に分布する
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり韓国、中国における分布が知られている
本種と異なりヤマトアオダモではなくFraxinus chinensisF. rhynchophyllaなどを宿主とする
本種と異なり子嚢が常に2胞子性なのではなく主に3胞子性
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Germany, Schleswig-Holstein, Ostholstein, Scharbeutz, spa gardens

(その他掲載種)

Phyllactinia fraxini (DC.) Fuss
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Phyllactinia japonica
日本に分布する
同じトネリコ属樹木を宿主とする
形態的に類似している(明瞭な形態的差異がない)
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチェコ、リトアニア、ドイツ、イタリア、イギリス、イラン、ウクライナなどにおける分布が知られていない
本種と異なりヤチダモ、セイヨウトネリコ、Fraxinus pennsylvanica、ヒトツバタゴ属、ハシドイ属樹木ではなくアオダモおよびマルバアオダモが宿主として知られている
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phyllactinia fraxini-longicuspidis
日本に分布する
同じトネリコ属樹木を宿主とする
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチェコ、リトアニア、ドイツ、イタリア、イギリス、イラン、ウクライナなどにおける分布が知られていない
本種と異なりヤチダモ、セイヨウトネリコ、Fraxinus pennsylvanica、ヒトツバタゴ属、ハシドイ属樹木ではなくヤマトアオダモが宿主として知られている
本種と異なり子嚢が主に3胞子性なのではなく常に2胞子性
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Phyllactinia fraxinicola U. Braun & H.D. Shin
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【よく似た種との区別】
Phyllactinia japonica
日本に分布する
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり韓国、中国における分布が知られていない
本種と異なりFraxinus chinensisF. rhynchophyllaなどではなくヤマトアオダモを宿主とする
本種と異なり子嚢が主に3胞子性なのではなく常に2胞子性
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phyllactinia fraxini-longicuspidis
日本に分布する
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり韓国、中国における分布が知られていない
本種と異なりFraxinus chinensisF. rhynchophyllaなどではなくヤマトアオダモを宿主とする
本種と異なり子嚢が主に3胞子性なのではなく常に2胞子性
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される