(仮訳)ブラジルにおいてバイオ燃料の原料植物、ナンヨウアブラギリに”collar rot”および根腐病を起こすボトリオスフェリア科菌類の系統、同定および病原性とLasiodiplodia属菌の新種記載
Machado, AR., Pinho, DB. & Pereira, OL., 2014. Phylogeny, identification and pathogenicity of the Botryosphaeriaceae associated with collar and root rot of the biofuel plant Jatropha curcas in Brazil, with a description of new species of Lasiodiplodia. Fungal Diversity. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s13225-013-0274-1 [Accessed April 25, 2014].
【R3-00643】2014/04/25投稿

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3行まとめ

バイオ燃料の原料として世界的に栽培が広まりつつあるナンヨウアブラギリの致死的な病害に関係する菌を調査し、9種のボトリオスフェリア科菌類を同定した。
そのうちLasiodiplodia euphorbicolaなど4種のLasiodiplodia属菌を、形態学的検討および分子系統解析に基づき新種記載した。
本論文で掲載した9種のうち8種はナンヨウアブラギリに病原性を持ち、この病害が複数の病原菌が関係する複雑なものであることが示された。
Brazil, Colatina, Espírito Santo

(新種)

Lasiodiplodia euphorbicola A.R. Machado & O.L. Pereira
語源…トウダイグサ(科)に生える
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【よく似た種との区別】
Lasiodiplodia jatrophicola
同所的に分布する(タイプロカリティが同一)
同じナンヨウアブラギリを宿主とする
ナンヨウアブラギリに対して病原性を持つ
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
側糸に隔壁を持つ
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが大きい
本種より側糸のサイズが小さい
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia macrospora
同所的に分布する(タイプロカリティが同一)
同じナンヨウアブラギリを宿主とする
ナンヨウアブラギリに対して病原性を持つ
側糸に隔壁を持つ
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子形成細胞が長い
本種より分生子のサイズが大きい
本種より側糸のサイズが大きい
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia subglobosa
ブラジルに分布する
同じナンヨウアブラギリを宿主とする
ナンヨウアブラギリに対して病原性を持つ
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子形成細胞が長い
本種より分生子の幅が広い
本種より側糸のサイズが小さい
本種と異なり側糸に隔壁を欠く
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia parva
分生子のサイズの範囲が重なる
側糸に隔壁を持つ
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より側糸のサイズが大きい
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, Colatina, Espírito Santo

(新種)

Lasiodiplodia jatrophicola A.R. Machado & O.L. Pereira
語源…ナンヨウアブラギリ属に生える
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【よく似た種との区別】
Lasiodiplodia euphorbicola
同所的に分布する(タイプロカリティが同一)
同じナンヨウアブラギリを宿主とする
ナンヨウアブラギリに対して病原性を持つ
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
側糸に隔壁を持つ
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが小さい
本種より側糸のサイズが大きい
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia macrospora
同所的に分布する(タイプロカリティが同一)
同じナンヨウアブラギリを宿主とする
ナンヨウアブラギリに対して病原性を持つ
側糸に隔壁を持つ
本種より分生子形成細胞が短い
本種より分生子のサイズが大きい
本種より側糸のサイズが小さい
Lasiodiplodia subglobosa
ブラジルに分布する
同じナンヨウアブラギリを宿主とする
ナンヨウアブラギリに対して病原性を持つ
本種より分生子形成細胞のサイズが小さい
本種より分生子のサイズが小さい
本種より側糸のサイズが小さい
本種と異なり側糸に隔壁を欠く
Lasiodiplodia iraniensis
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが小さい
本種より側糸のサイズが大きい
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, Colatina, Espírito Santo

(新種)

Lasiodiplodia macrospora A.R. Machado & O.L. Pereira
語源…大きな胞子の
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【よく似た種との区別】
Lasiodiplodia subglobosa
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子が楕円形ではなく類球形~卵形
本種と異なり分生子に2-3個の隔壁を持つことがない
本種より側糸のサイズが小さい
本種と異なり側糸に隔壁を欠く
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia jatrophicola
同所的に分布する(タイプロカリティが同一)
同じナンヨウアブラギリを宿主とする
ナンヨウアブラギリに対して病原性を持つ
側糸に隔壁を持つ
本種より分生子形成細胞が長い
本種より分生子のサイズが小さい
本種より側糸のサイズが大きい
Lasiodiplodia euphorbicola
同所的に分布する(タイプロカリティが同一)
同じナンヨウアブラギリを宿主とする
ナンヨウアブラギリに対して病原性を持つ
側糸に隔壁を持つ
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子形成細胞が短い
本種より分生子のサイズが小さい
本種より側糸のサイズが小さい
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, Jaíba, Minas Gerais

(新種)

Lasiodiplodia subglobosa A.R.Machado & O.L.Pereira
語源…類球形の(分生子の形状から)
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【よく似た種との区別】
Lasiodiplodia macrospora
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子が類球形~卵形ではなく楕円形
本種と異なり分生子に2-3個の隔壁を持つことがある
本種より側糸のサイズが大きい
本種と異なり側糸に隔壁を持つ
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia euphorbicola
ブラジルに分布する
同じナンヨウアブラギリを宿主とする
ナンヨウアブラギリに対して病原性を持つ
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子形成細胞が短い
本種より分生子の幅が狭い
本種より側糸のサイズが大きい
本種と異なり側糸に隔壁を持つ
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lasiodiplodia jatrophicola
ブラジルに分布する
同じナンヨウアブラギリを宿主とする
ナンヨウアブラギリに対して病原性を持つ
本種より分生子形成細胞のサイズが大きい
本種より分生子のサイズが大きい
本種より側糸のサイズが大きい
本種と異なり側糸に隔壁を持つ

(その他掲載種)

Lasiodiplodia pseudotheobromae A.J.L. Phillips, A. Alves & Crous
※本研究で本種と同定された標本は、原記載と異なり側糸に隔壁が見られた。
※ナンヨウアブラギリを本種の新宿主として報告した。
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(その他掲載種)

Lasiodiplodia egyptiacae A.M. Ismail, L. Lombard & Crous
※ナンヨウアブラギリを本種の新宿主として報告した。
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(その他掲載種)

Lasiodiplodia theobromae (Pat.) Griffon & Maubl.
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(その他掲載種)

Macrophomina phaseolina (Tassi) Goid.
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(その他掲載種)

Neoscytalidium hyalinum (C.K. Campb. & J.L. Mulder) A.J.L. Phillips, Groenewald & Crous
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【よく似た種との区別】
Neoscytalidium novaehollandiae
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
分生子のサイズの範囲が重なる
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種より分節分生子のサイズが小さい
ITS+EF1-α+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される