(仮訳)Discosia属とSeimatosporium属の系統、および新属AdiscisoImmersidiscosia
Tanaka, K. et al., 2011. Phylogeny of Discosia and Seimatosporium, and introduction of Adisciso and Immersidiscosia genera nova. Persoonia. …. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3160804/ [Accessed October 31, 2015].
【R3-02338】2015/11/1投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

ペスタロティオイド菌類の2属、DiscosiaおよびSeimatosporiumの形態学的検討および分子系統解析を行った。
Discosiaが単系統を形成せず2つの系統からなることを示し、片方に対して新属Immersidiscosiaを提唱した。
また、屋久島においてクロバイの生葉に生じた新種に対して新属Adiscisoを提唱し、Discostroma tricellulareを本属に移した。
鹿児島県熊毛郡屋久島町樋之口 中瀬川付近

(新種)

Adisciso yakushimense Kaz. Tanaka, Okane & Hosoya
語源…(属名)「Discosia」のアナグラム/(種小名)屋久島産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Adisciso tricellulare
日本に分布する
nrLSU、ITS、およびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロバイではなくツツジ属植物を宿主とする
本種と異なり子嚢の先端リングがJ陽性
本種より子嚢胞子が僅かに短い
本種より分生子が長い
本種より分生子の付属糸が短い
nrLSU、ITS、およびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(nrLSUが793/795塩基一致で類似度99.7%、ITSが541/545塩基一致で類似度99.3%、β-チューブリンが23塩基の差異)
Ellurema indica
同じアンフィスフェリア科に含まれる
子嚢果が埋生する
子嚢果が比較的小型
子嚢果が類球形
子嚢果の殻壁が薄い
子嚢が棍棒形~類棍棒形
子嚢胞子が子嚢内部で2列で配列する
本種と異なり子嚢胞子が無色ではなく無色~褐色
本種と異なり子嚢胞子が平滑ではなく小疣状装飾を有する
本種と異なりアナモルフがHyalotiopsis
本種と系統的に異なる(先行研究)
Paracainiella spp.
同じアンフィスフェリア科に含まれる
形態的に類似している(混同のおそれがある)
アナモルフがPestalotia属類似
本種と異なり子嚢が倒棍棒形~広円筒形ではなく長楕円形~円筒形
本種と異なり子嚢胞子が無色ではなく有色
本種と異なり子嚢胞子に2隔壁を有するのではなく中央に隔壁を有する
Discostroma massarinum
本種と異なりクロバイではなくスグリ属植物を宿主とする
本種と異なり宿主の葉ではなく枝に発生する
本種と異なり盾状子座を有する
本種と異なり子座組織を有することがある
本種と異なり子嚢果が単生するのではなく1-6つが集まって生じる
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種より子嚢の縦横比が大きい
本種と異なり子嚢が倒棍棒形~広円筒形ではなく細長い円筒形
本種と異なり子嚢胞子が子嚢内部で2列ではなく1列で配列する
本種と異なり子嚢胞子が2つの横隔壁を有するのではなく石垣状

(新組み合わせ)

Adisciso tricellulare (Okane, Nakagiri & Tad. Ito) Kaz. Tanaka, Okane & Hosoya
旧名:Discostroma tricellulare Okane, Nakagiri & Tad. Ito
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Adisciso yakushimense
日本に分布する
nrLSU、ITS、およびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりツツジ属植物ではなくクロバイを宿主とする
本種と異なり子嚢の先端リングがJ陰性
本種より子嚢胞子が僅かに長い
本種より分生子が短い
本種より分生子の付属糸が長い
nrLSU、ITS、およびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(nrLSUが793/795塩基一致で類似度99.7%、ITSが541/545塩基一致で類似度99.3%、β-チューブリンが23塩基の差異)

(その他掲載種)

Discostroma massarinum (Sacc.) Arx
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Adisciso yakushimense
本種と異なりスグリ属植物ではなくクロバイを宿主とする
本種と異なり宿主の枝ではなく葉に発生する
本種と異なり盾状子座を欠く
本種と異なり子座組織を有さない
本種と異なり子嚢果が1-6つ集まって生じるのではなく単生する
本種より子嚢果のサイズが小さい
本種より子嚢の縦横比が小さい
本種と異なり子嚢が細長い円筒形ではなく倒棍棒形~広円筒形
本種と異なり子嚢胞子が子嚢内部で1列ではなく2列で配列する
本種と異なり子嚢胞子が石垣状ではなく2つの横隔壁を有する

(新組み合わせ)

Immersidiscosia eucalypti (Pat.) Kaz. Tanaka, Okane & Hosoya
旧名:Discosia eucalypti (Pat.) Nag Raj
(基礎異名はCryptostictis eucalypti Pat.)
語源…(属名)埋生のDiscosia属,
mycobank_logoSpecies_Fungorum