(仮訳)シワタケ科の系統分類および中国産の2新種
Liu, Z-B. et al., 2022. Phylogeny of Meruliaceae with Descriptions of Two New Species from China. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/8/5/501 [Accessed March 4, 2023] 【R3-10389】2023/3/4投稿

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3行まとめ

中国からHermanssonia fimbriataおよびPhlebia austroasianaの2新種を記載した。
前者はトウヒ属の腐朽材に生じ、子実体が一年生で背着生、乾燥すると急激に変化して暗色になり、担子胞子が長楕円形でシスチジアおよびシスチジオールを欠くことなどで特徴づけられた。
後者は熱帯林の被子植物の材に生じ、子実体が一年生で背着生、子実層托が針状、担子胞子が長楕円形、シスチジアが管状であろことなどで特徴づけられた。
中国チベット自治区ニンティ市メンリン県南伊溝

(新種)

Hermanssonia fimbriata Z.B. Liu & Y.C. Dai
語源…長縁毛状の
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【よく似た種との区別】
Hermanssonia centrifuga
アジアに分布する
裸子植物に生じる
腐朽材に生じる
子実体が一年生
子実体が背着生
担子胞子がCB陰性
担子胞子がIKI陰性
菌糸構成が1菌糸型
生殖菌糸にクランプを有する
生殖菌糸が薄壁
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィンランド、シベリアにおける分布が知られている
本種より担子胞子が長い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phlebia coccineofulva(シュカワタケ)
子実層托がフレビオイドである
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
Phlebia femsjoeensis
子実層托がフレビオイドである
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
Phlebia radiata(コガネシワウロコタケ)
子実層托がフレビオイドである
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phlebia subserialis(ネリイロカワタケ)
子実体が背着生
子実体が新鮮時蝋質である
菌糸構成が1菌糸型
生殖菌糸にクランプを有する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
Luteochaete subglobosa
子実体が背着生
子実体が新鮮時蝋質である
菌糸構成が1菌糸型
生殖菌糸にクランプを有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国雲南省 シーサンパンナ・タイ族自治州景洪市西雙版納原始森林公園

(新種)

Phlebia austroasiana Z.B. Liu & Y.C. Dai
語源…南のアジアの
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【よく似た種との区別】
Phlebia brevispora
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層托が針状ではなく瘤状
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phlebia capitata
肉眼的形態が類似している
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なりシスチジアが管状ではなく頭状