2017年1月9日 (仮訳)ハワイにおいてノニ (Morinda citrifolia L) にブラックフラグ病を引き起こした新種、Phytophthora morindae Nelson, SC. & Abad, ZG., 2010. Phytophthora morindae, a new species causing black flag disease on noni (Morinda citrifolia L) in Hawaii. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/102/1/122.short [Accessed January 9, 2017]. 【R3-03644】2017/01/09投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ハワイにおいてノニの木の葉および果実に葉枯れおよび実腐れ症状(ブラックフラグ病)を引き起こした卵菌の一種を検討し、Phytophthora morindaeとして新種記載した。 本種は遊走子嚢柄が傘状に分枝し、遊走子嚢に長い柄を有し、造卵器の基部が細まり、造精器が小型で底着性であることなどで特徴づけられた。 分子系統解析の結果、本種はITSクレード10、中でもP. kernoviaeに近縁であった。 USA, Hawaii, Island of Hawaii, Puna District (Noni Farm Road) (新種) Phytophthora morindae Abad & S.C. Nelson 語源…ヤエヤマアオキ属の 【よく似た種との区別】 Phytophthora kernoviae 宿主の葉、茎、果実などに病害を引き起こす 遊走子嚢に乳頭突起を有する 遊走子嚢基部の柄のサイズが中型 遊走子嚢の基部が尾状 造卵器の基部が細まる 卵胞子が厚壁 造精器が小型 造精器が底着性 厚壁胞子を形成しない 菌糸に膨大部を欠く ホモタリックである ITSおよびEF1-αに基づく分子系統解析で近縁(同じITSクレード10に含まれる) 本種と異なりハワイではなくイギリス、ニュージーランドなどに分布する 本種と異なりノニではなくヨーロッパブナ、チェリモヤ、ツツジ属、アセビ属、モクレン属植物などを宿主とする 本種と異なり土壌から分離される 本種と異なり遊走子嚢柄が傘状に分枝するのではなくシンポジオ状に分枝する 本種と異なり長い柄を有する遊走子嚢を形成するという特徴を欠く 本種と異なり無色の卵胞子封入体を有する 本種と異なり細長い造精器を形成することがある ITSおよびEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSに39 bp、EF1-αに36 bpの差異) Phytophthora boehmeriae 遊走子嚢に乳頭突起を有する 遊走子嚢の基部が尾状 ホモタリックである ITSおよびEF1-αに基づく分子系統解析で近縁(同じITSクレード10に含まれる) 本種と異なりハワイではなく中国、オーストラリア、ギリシャなどに分布する ITSおよびEF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phytophthora gallica ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じITSクレード10に含まれる) 本種と異なり遊走子嚢に乳頭突起を欠く 本種より遊走子嚢の柄のサイズが小さい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phytophthora tropicalis 遊走子嚢柄の形態が類似している 遊走子嚢の形態が類似している 造精器が底着性 本種と異なり造卵器の基部が細まらない 本種と異なり卵胞子が厚壁でない 本種より造精器のサイズが大きい 本種と異なりホモタリックではなくヘテロタリックである