(仮訳)オーストラリアの高山帯および亜高山帯において分離されたエキビョウキン属卵菌および2新種の記載:新種Phytophthora cacuminisおよびPhytophthora oreophila
Khaliq, I. et al., 2019. Phytophthora species isolated from alpine and sub-alpine regions of Australia, including the description of two new species; Phytophthora cacuminis sp. nov and Phytophthora oreophila sp. nov. Fungal Biology. Available at: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1878614618302332 [Accessed November 29, 2019] 【R3-06814】2019/11/29投稿

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3行まとめ

オーストラリアの高山帯および亜高山帯において根圏土壌から分離された8種のエキビョウキン属卵菌を報告した。
そのうち2種をそれぞれP. cacuminisおよびP. oreophilaとして新種記載した。
両種は生育適温が低く、低温条件における生存に適応していることが示唆された。
Australia, New South Wales, Merritts Creek

(新種)

Phytophthora oreophila I. Khaliq & T.I Burgess
語源…山を好む
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【よく似た種との区別】
Phytophthora rosacearum
卵胞子が成熟時淡色
造精器が側着性
造精器が丸い棍棒形
遊走子嚢柄が分枝しない
遊走子嚢が末端生
遊走子嚢が永存性
遊走子嚢が卵状、楕円形など
菌糸に主に球形の膨大部を有する
ホモタリックである
TUB+HSP+ITSおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなく米国などに分布する
本種と異なりサクラ属植物などから分離される
本種より造卵器のサイズが僅かに小さい
本種と異なり造卵器の壁が波状
本種より卵胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり卵胞子が充満性ではなく非充満性
本種より造精器の平均長が長い
本種より遊走子嚢の平均長が長い
本種と異なり厚壁胞子を欠く
本種と異なりV8AおよびMEA培地でのコロニーが花弁状ではなく一様
本種より生育適温が高い
本種より最小生長温度が高い
本種より最大生長温度が高い
本種よりV8A培地での生育適温での生長が速い
TUB+HSP+ITSおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phytophthora pseudorosacearum
オーストラリアに分布する
造精器が側着性
造精器が丸い棍棒形
遊走子嚢柄が分枝しない
遊走子嚢が末端生
遊走子嚢が永存性
遊走子嚢が卵状、楕円形など
厚壁胞子を形成する
菌糸に主に球形の膨大部を有する
ホモタリックである
TUB+HSP+ITSおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりススキノキ属、Persoonia属植物などから分離される
本種より造卵器のサイズが僅かに小さい
本種と異なり造卵器の壁が波状
本種より卵胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり卵胞子が成熟時淡色ではなく僅かに黄金色
本種と異なり卵胞子が充満性ではなく非充満性
本種より造精器の平均サイズが大きい
本種より遊走子嚢の平均サイズが大きい
本種と異なりV8AおよびMEA培地でのコロニーが花弁状ではなく一様
本種より生育適温が高い
本種より最小生長温度が高い
本種より最大生長温度が高い
本種よりV8A培地での生育適温での生長が速い
TUB+HSP+ITSおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia, south Australia, Tasmania, Mount Field NP

(新種)

Phytophthora cacuminis I. Khaliq & T.I Burgess
語源…頂上の
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【よく似た種との区別】
Phytophthora fallax
オーストラリアに分布する
同じユーカリ属植物から分離される
遊走子嚢が末端生
遊走子嚢が永存性
厚壁胞子を形成する
菌糸に膨大部を欠く
生育適温が20°Cである
TUB+HSP+ITSおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりニュージーランドにおける分布が知られている
本種と異なりコバノブラシノキ属などから分離される
本種と異なり遊走子嚢柄が頻繁に僅かにねじれたり先細りになったりするという特徴を欠く
本種より遊走子嚢の平均サイズが大きい
本種より遊走子嚢の長さ/幅比が大きい
本種と異なり遊走子嚢が卵状、球形、レモン形ではなく倒洋梨形など
本種と異なりホモタリックである
本種と異なりV8A培地でのコロニーが羽毛状ではなく一様
本種より最大生長温度が高い
本種と異なり30°Cの高温が致死的でない
本種よりV8A培地での生育適温での生長が遅い
TUB+HSP+ITSおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で明瞭に区別される