(仮訳)クロサイワイタケ科の多系統属:新属NeoxylariaおよびStilbohypoxylon
Konta, S. et al., 2020. Polyphyletic genera in Xylariaceae (Xylariales): Neoxylaria gen. nov. and Stilbohypoxylon. Mycosphere. Available at: https://www.mycosphere.org/pdf/MYCOSPHERE_11_1_17.pdf [Accessed November 2, 2020] 【R3-07832】2020/11/2投稿

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3行まとめ

タイで採集されたヤシ生息菌を検討し、新属Neoxylaria arengaeおよび新種Stilbohypoxylon elaeidisを記載した。
Neoxylaria属はXyalria属とは系統的に異なり、子座が比較的小型で、子嚢殻が明瞭に露出することなどで特徴づけられた。
また、新組み合わせN. juruensisおよびN. queenslandicaを提唱した。
Thailand, Phang-nga Province

(新種)

Neoxylaria arengae Konta & K.D. Hyde
語源…(属名)新しいXylaria属/(種小名)クロツグ属の
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【よく似た種との区別】
Neoxylaria juruensis
同じクロツグ属のヤシに発生する
子座が狭紡錘形または円筒形で直立する
柄が褐色
柄表面が毛状~綿毛状
子嚢殻が埋生する
子嚢が円筒形
子嚢に逆帽子形の先端リングを有する
子嚢の先端リングがJ陽性
子嚢胞子表面に直線状の発芽溝を有する
子嚢胞子が粘液質の鞘に包まれない
ITS+RPB2+TUB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりArenga engleriにおける発生が知られている
ITS+RPB2+TUB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Neoxylaria queenslandica
同じヤシを宿主とする
子座が狭紡錘形または円筒形で直立する
柄が褐色
柄表面が毛状~綿毛状
子嚢殻が埋生する
子嚢が円筒形
子嚢に逆帽子形の先端リングを有する
子嚢の先端リングがJ陽性
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子表面に直線状の発芽溝を有する
子嚢胞子が粘液質の鞘に包まれない
本種と異なりタイではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なりクロツグ属ではなくユスラヤシ属のヤシなどに発生する
本種と子嚢胞子の平均サイズが異なる
本種と異なり子嚢胞子が成熟時赤褐色ではなく暗褐色
Xylaria tucumanensis
子座の形態が類似している
本種より子座のサイズが小さい
本種より子座の柄が長い
本種と異なり子座の柄が基部で3(-5)つに分枝する
本種と異なり子座あたりの子嚢果の数が29-35ではなく9-17
Xylaria diminuta
子座の形態が類似している
本種より子座の結実部が短い
本種と異なり子座が基部で分枝しない
本種より子座あたりの子嚢果の数が少ない
Xylaria enteroleuca
子座の形態が類似している
本種より子座の結実部が短い
本種と異なり子座が基部で分枝しない
本種より子座あたりの子嚢果の数が少ない
本種と分子系統解析で異なる系統を形成する
Xylaria filiformioidea
子座の形態が類似している
本種より子座の結実部が短い
本種と異なり子座が基部で分枝しない
本種より子座あたりの子嚢果の数が少ない
Xylaria himalayensis
子座の形態が類似している
本種より子座の結実部が短い
本種と異なり子座が基部で分枝しない
本種より子座あたりの子嚢果の数が少ない
Xylaria mellissi
子座の形態が類似している
本種より子座の結実部が短い
本種と異なり子座が基部で分枝しない
本種より子座あたりの子嚢果の数が少ない
Xylaria subgracillima
子座の形態が類似している
本種より子座の結実部が短い
本種と異なり子座が基部で分枝しない
本種より子座あたりの子嚢果の数が少ない
Thailand, Krabi Province

(新種)

Stilbohypoxylon elaeidis Konta & K.D. Hyde
語源…アブラヤシ属の
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【よく似た種との区別】
Stilbohypoxylon elaeidicola
子嚢のサイズの範囲が重なる
子嚢の先端リングのサイズの範囲が重なる
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子表面に直線状の発芽溝を有する
子嚢胞子の両端に粘液質を伴う
ITS+RPB2+TUB2およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子座が単生するのではなく2-3が時に融合する
本種より子座のサイズが大きい
本種と異なり子座表面が平滑ではなく皺状で時に亀裂を生じ、鈍いか光沢を有する
本種より子嚢殻の殻壁が薄い
本種と異なりシンネマの名残を宿主上に生じるのではなくシンネマを基質あるいは子座上に生じる
本種よりシンネマの最大長が長い
ITS+RPB2+TUB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Neoxylaria juruensis (Henn.) Konta & K.D. Hyde
旧名:Xylaria juruensis Henn.
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(新組み合わせ)

Neoxylaria queenslandica (Joanne E. Taylor, K.D. Hyde & E.B.G. Jones) Konta & K.D. Hyde
旧名:Xylaria queenslandica Joanne E. Taylor, K.D. Hyde & E.B.G. Jones
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(その他掲載種)

Stilbohypoxylon elaeidicola (Henn.) L.E. Petrini
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【よく似た種との区別】
Stilbohypoxylon elaeidis
子嚢のサイズの範囲が重なる
子嚢の先端リングのサイズの範囲が重なる
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子表面に直線状の発芽溝を有する
子嚢胞子の両端に粘液質を伴う
ITS+RPB2+TUB2およびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子座が2-3が時に融合するのではなく単生する
本種より子座のサイズが小さい
本種と異なり子座表面が皺状で時に亀裂を生じ、鈍いか光沢を有するのではなく平滑
本種より子嚢殻の殻壁が厚い
本種と異なりシンネマを基質あるいは子座上に生じるのではなくシンネマの名残を宿主上に生じる
本種よりシンネマの最大長が短い
ITS+RPB2+TUB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される