(仮訳)パパイヤを宿主とするうどんこ病菌 – 混乱と隠れた多様性の物語
Braun, U. et al., 2017. Powdery mildew species on papaya – a story of confusion and hidden diversity. Mycosphere. Available at: http://mycosphere.org/pdf/MYCOSPHERE_8_9_7.pdf [Accessed December 29, 2017].
【R3-04711】2017/12/29投稿

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3行まとめ

パパイヤを宿主とするうどんこ病菌を検討し、Erysiphe caricae-papayae(新種)、E. fallax(新種)、E. diffusaE. caricae、およびE. necatorを同定した。
Oidium caricaeE. diffusaの異タイプシノニムとし、新組み合わせPodosphaera caricicolaのエピタイプおよびレクトタイプ標本を指定した。
パパイヤを宿主とするうどんこ病菌の検索表を掲載した。
Thailand, Chiang Rai

(新種)

Erysiphe caricae–papayae Meeboon & S. Takam.
語源…パパイヤの
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【よく似た種との区別】
Erysiphe aquilegiae
本種より閉子嚢殻のサイズがずっと小さい
本種より閉子嚢殻の付属糸が多い
本種より閉子嚢殻の基部にかけての壁が薄い
本種より子嚢が薄壁
Erysiphe malvae
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸が時に1-2回分枝することもあるのではなく頻繁に分枝する
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸の隔壁数が0-1のみ
Erysiphe caricae
同じパパイヤを宿主とする
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり台湾およびタイではなくヨーロッパに分布する
本種より閉子嚢殻のサイズが小さい
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸が4-10(15)ではなく多数(通常10を超える)
本種と異なり閉子嚢殻あたりの子嚢の数が4-9ではなく3-5
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mexico, Huamuxtitlan, Mpio. de Huamuxtitlan, Gro.

(新種)

Erysiphe fallax C. Blomq., S. Rooney-Latham & Fernández Pavía
語源…欺く(Oidium caricaeやその他のErysiphe属アナモルフと混同されてきたことから)
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【よく似た種との区別】
Erysiphe diffusa
同じパパイヤを宿主とする
無性世代が形態的にほとんど区別できないほど類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Erysiphe caricae U. Braun & Bolay
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【よく似た種との区別】
Erysiphe caricae–papayae
同じパパイヤを宿主とする
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパではなく台湾およびタイに分布する
本種より閉子嚢殻のサイズが大きい
本種と異なり閉子嚢殻の付属糸が多数(通常10を超える)ではなく4-10(15)
本種と異なり閉子嚢殻あたりの子嚢の数が3-5ではなく4-9
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Erysiphe diffusa (Cooke & Peck) U. Braun & S. Takam.
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【よく似た種との区別】
Erysiphe fallax
同じパパイヤを宿主とする
無性世代が形態的にほとんど区別できないほど類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Erysiphe necator Schwein.
※本種のエピタイプおよびレクトタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Erysiphe necator var. ampelopsidis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Podosphaera caricicola (J.M. Yen & Chin C. Wang) U. Braun & S. Takam.
旧名:Oidium caricicola J.M. Yen & Chin C. Wang
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【よく似た種との区別】
Podosphaera xanthii
同じパパイヤを宿主とする
形態的に類似している(識別が容易でない)
閉子嚢殻あたりの子嚢の数が1
分生子柄が短い
分生子柄の脚細胞が円筒形
分生子鎖の輪郭が円鋸歯状
分生子にフィブロシンボディを含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より閉子嚢殻の殻壁の細胞のサイズが大きい
本種より分生子柄の脚細胞の最大長が長い
本種と異なり分生子の発芽管が分枝しないのではなくしばしば二叉分岐する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Podosphaera xanthii (Castagne) U. Braun & Shishkoff
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【よく似た種との区別】
Podosphaera caricicola
同じパパイヤを宿主とする
形態的に類似している(識別が容易でない)
閉子嚢殻あたりの子嚢の数が1
分生子柄が短い
分生子柄の脚細胞が円筒形
分生子鎖の輪郭が円鋸歯状
分生子にフィブロシンボディを含む
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より閉子嚢殻の殻壁の細胞のサイズが小さい
本種より分生子柄の脚細胞の最大長が短い
本種と異なり分生子の発芽管がしばしば二叉分岐するのではなく分枝しない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される