(仮訳)新科シュードクリトシベ科:科、属、および種レベルの新配置
Alvarado, P. et al., 2018. Pseudoclitocybaceae fam. nov. (Agaricales, Tricholomatineae), a new arrangement at family, genus and species level. Fungal Diversity. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s13225-018-0400-1 [Accessed March 18, 2023] 【R3-10429】2023/3/18投稿

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3行まとめ

複数遺伝子の分子系統解析の結果を基に、新科シュードクリトシベ科を含むクリトシボイド菌類の新分類を提唱した。
PseudoclitocybeMusumecia、およびPogonolomaの各属とClitocybe alexandriC. harperiが単系統の起源を有することを示した。
ClitopaxillusHarmajaeaの2新属およびC. fibulatusH. guldeniaeの2新種を記載した。
Italy, Trentino, Pozza di Fassa, Valle S. Nicolò

(新種)

Clitopaxillus fibulatus P.-A. Moreau, Dima, Consiglio, & Vizzini
語源…(属名)Clitocybe属+Paxillus属/(種小名)ブローチ(→クランプ)の(菌糸にクランプを有することから)
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【よく似た種との区別】
Clitopaxillus alexandri
イタリア、フランスに分布する
形態的に類似している(従来この種とされてきた)
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスペインにおける分布が知られている
本種と異なり高山および北方に分布するという特徴を欠く
本種と異なり子実層シスチジアを有するのではなく欠く
本種と異なり全ての菌糸ではなく子実層托および菌糸体の菌糸のみにクランプを有する
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Finland, Perä-Pohjanmaa, Tervola, Raemäki

(新種)

Harmajaea guldeniae Dima, P.-A. Moreau, P. Alvarado & Kekki
語源…(属名)Harri Harmaja博士に献名/(種小名)Gro Gulden博士に献名
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【よく似た種との区別】
Harmajaea wellsiae
フィンランドに分布する
肉眼的形質が非常に類似している
顕微鏡的形質が非常に類似している
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国とヨーロッパに広く分布する
本種より子実体ががっしりとしている
本種と異なり襞がほぼ直生する
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Clitopaxillus alexandri (Gillet) G. Moreno, Vizzini, Consiglio & P. Alvarado
旧名:Clitocybe alexandri (Gillet) Gillet
(基礎異名はPaxillus alexandri Gillet)
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【よく似た種との区別】
Clitopaxillus fibulatus
イタリア、フランスに分布する
形態的に類似している(従来本種とされてきた)
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスペインにおける分布が知られていない
本種と異なり高山および北方に分布する
本種と異なり子実層シスチジアを欠くのではなく有する
本種と異なり子実層托および菌糸体の菌糸のみではなく全ての菌糸にクランプを有する
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Harmajaea harperi (Murrill) Dima & P. Alvarado
旧名:Rhodocybe harperi (Murrill) Harmaja
(基礎異名はClitocybe harperi Murrill)
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(新組み合わせ)

Harmajaea wellsiae (H.E. Bigelow) P. Alvarado, Kekki & P.-A. Moreau
旧名:Clitocybe wellsiae H.E. Bigelow
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【よく似た種との区別】
Harmajaea guldeniae
フィンランドに分布する
肉眼的形質が非常に類似している
顕微鏡的形質が非常に類似している
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国とヨーロッパに広く分布するという特徴を欠く
本種ほど子実体ががっしりとしていない
本種と異なり襞がほぼ直生するという特徴を欠く
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Pseudoclitocybe cyathiformis (Bull.) Singer
クロサカズキシメジ
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(その他掲載種)

Pseudoclitocybe obbata (Fr.) Singer
クロサカズキタケ
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(その他掲載種)

Pogonoloma spinulosum (Kühner & Romagnesi) Sánchez-García
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【よく似た種との区別】
Pogonoloma macrorhizum
ヨーロッパに分布する
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり春と夏(時に秋も)に発生する
本種と異なり子実体が叢生する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘縁部が刺状ではなく綿毛状で早期に脱離する広く重生する鱗片を伴う
本種と異なり子実体にバナナのような臭いではなく強い吐き気のする臭いがある
本種と異なり傘表皮がゼラチン化するのではなくしない
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Pogonoloma macrorhizum (Quél.) Dima & P.-A. Moreau
旧名:Porpoloma macrorhizum (Quél.) Bon
(基礎異名はGyrophila macrorhiza Quél.)
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【よく似た種との区別】
Pogonoloma spinulosum
ヨーロッパに分布する
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり春と夏(時に秋も)に発生するという特徴を欠く
本種と異なり子実体が叢生するという特徴を欠く
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり傘縁部が綿毛状で早期に脱離する広く重生する鱗片を伴うのではなく刺状
本種と異なり子実体に強い吐き気のする臭いではなくバナナのような臭いがある
本種と異なり傘表皮がゼラチン化しないのではなくする
nrLSU+rpb2+tef1+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される