(仮訳)形態、生態、分子、および生化学的根拠に基づくユーラシア産の毒きのこの新種、Pseudosperma arenarium
Yan, Y-Y. et al., 2022. Pseudosperma arenarium (Inocybaceae), a new poisonous species from Eurasia, based on morphological, ecological, molecular and biochemical evidence. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/86277/ [Accessed September 12, 2022] 【R3-09868】2022/9/12投稿

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3行まとめ

中国およびエストニアにおいてヤマナラシ属とマツ属樹下の砂質土壌に発生した菌を検討し、Pseudosperma arenariumとして新種記載した。
本種は子実体がキシメジ型で砂に覆われ、傘がほぼ無毛で、担子胞子が大型円筒形であり、縁シスチジアが薄壁であることなどで特徴づけられた。
中国で本種による7件の中毒例が発生したが、HPLC-MSにより本種が実際に毒成分のムスカリンを含むことが明らかになった。
中国<em>寧夏回族自治区呉</em>忠市塩池県塩池駅

(新種)

Pseudosperma arenarium Y.G. Fan, Fei Xu, Hai J. Li & Vauras
語源…砂地の
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【よく似た種との区別】
Pseudosperma arenicola
ヨーロッパに分布する
沿岸域の砂質土壌に生じる
子実体が類白色
傘表面に厚い被膜が永く残存する
本種と生態学的に異なる
本種ほど子実体ががっしりとしていない
本種より担子胞子が比較的短い
Pseudosperma rimosum
同じPseudosperma rimosum複合種に含まれる
ヨーロッパに分布する
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国およびエストニアではなくフランス、スウェーデンなどに分布する
本種と異なりマツまたはヤマナラシではなくカシ林に生息する
本種と異なり子実体がキシメジ型ではなく典型的なアセタケ型
本種と異なり子実体が黄色を帯びる
本種と異なり担子胞子が類卵状~楕円形
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pseudosperma pseudo-orbatum
ヨーロッパに分布する
同じマツ属樹木と関係を持つ
子実体が類白色
傘表面に厚い被膜を伴い亀裂を生じない
担子胞子が大型
担子胞子が円筒形
縁シスチジアが棍棒形
本種と異なり中国およびエストニアではなくスペインなどに分布する
本種と異なりヨーロッパアカマツおよびヤマナラシ属樹木ではなくPinus pinasterおよびP. pineaなどと関係を持つ
本種と異なり襞が幼時桃色を帯びる
本種より柄がずんぐりとしている
Pseudosperma niveivelatum
同じヤマナラシ属樹木および針葉樹と関係を持つ
傘表面に厚い白色の被膜を伴う
担子胞子が大型
担子胞子の形状が細長い
毒成分としてムスカリンを含む
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国およびエストニアではなく米国などに分布する
本種と異なり傘表面に絹状光沢を有する
本種より担子胞子が短い
本種と異なり縁シスチジアの形状が細長い
本種と異なりムスカリンの含量が臨床的に重要でない量である
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される