(仮訳)P. buchananii類縁のオーストラリア南東部産高山生地衣の新種、Psoroma nigropunctatum
Elvebakk, A. & Elix, JA. 2021. Psoroma nigropunctatum sp. nov., an alpine lichen in south-eastern Australia related to P. buchananii. Australasian Lichenology. Available at: https://www.anbg.gov.au/abrs/lichenlist/Australasian_Lichenology.html [Accessed December 5, 2021] 【R3-09027】2021/12/5投稿

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3行まとめ

オーストラリアの高山帯および亜高山帯で採集された地衣の一種を検討し、Psoroma nigropunctatumとして新種記載した。
本種はP. hypnorumと誤同定されていたが、オーストラリア産のP. hypnorumとされた標本はいずれも本種またはP. buchananiiであり、オーストラリアの地衣類相から除外された。
本種はP. buchananiiにより近縁であり、いずれも黒色大型の粉子器を有することなどで特徴づけられたが、生育基質や果托、子嚢胞子の形態などで区別された。
Australia, Victoria, Snowfields region, Alpine National Park, Bogong High Plains, Basalt Hill, 20 km SE of Mount Beauty township

(新種)

Psoroma nigropunctatum Elvebakk & Elix
語源…黒点の(粉子器の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Psoroma hypnorum
高山帯に分布する
形態的に類似している(従来誤同定されてきた)
本種と異なりオーストラリア以外の全ての大陸に分布する
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり子嚢胞子のペリスポア表面が規則的な疣状
本種と異なり子嚢胞子のペリスポラに縦方向の突背を欠く
Psoroma buchananii
同所的に分布する(オーストラリア)
子嚢胞子のサイズの範囲が僅かに重なる
粉子器を豊富に有する
粉子器が大型
粉子器が黒色
本種と異なり南極諸島、ニュージーランド、南米における分布が知られている
本種と異なりコケや他の地衣が混じった巨礫上の土壌堆積物上ではなく、通常コケのクッション上に直接生じる
本種より地衣体の鱗片のサイズが大きい
本種より地衣体の鱗片が濃色
本種と異なり果托下面が平滑ではなく白色の”tomentum”を有する
本種と異なり子器が扁平~若干凹形という特徴を欠く
本種より子嚢胞子が短い
本種より子嚢胞子頂部の伸長部が通常短い
本種と異なり子嚢胞子のペリスポラに縦方向の突背を欠く
Psoroma fruticulosum
粉子器を豊富に有する
粉子器が大型
粉子器が黒色
子嚢胞子の形態が類似している
本種と異なり裂片が垂直方向に配列する