(仮訳)特定の科の植物に特異性を有する根の病原菌の新種、Pythium brassicum
Stanghellini, ME. et al., 2014. Pythium brassicum sp. nov.: A Novel Plant Family-Specific Root Pathogen. Plant Disease. Available at: http://apsjournals.apsnet.org/doi/abs/10.1094/PDIS-03-14-0285-RE [Accessed June 19, 2016].
【R3-03031】2016/06/19投稿

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3行まとめ

米国カリフォルニア州において根腐れ症状を呈したブロッコリーから分離された卵菌を検討し、Pythium brassicumとして新種記載した。
本種のITS領域の塩基配列はアブラナ科植物を宿主とするP. jasmoniumと類似していたが、当該学名は規約上無効であったので新たな学名で再度記載した。
本新種は接種試験でアブラナ科植物21種に対する病原性を示した一方、他の11科18種には病原性を示さず、アブラナ科特異的な病原菌と考えられた。
California, USA

(新種)

Pythium brassicum M.E. Stanghellini, M. Mohammadi, H. Förster & J.E. Adaskaveg
語源…アブラナ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pythium mastophorum
ITS、cox1、ITS+cox1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードJサブクレードBに含まれる)
本種と異なりイングランドなどに分布する
本種と異なりアブラナ科植物ではなくセロリなどを宿主とする
本種と異なり造卵器の刺が先端が鈍頭の円錐形ではなく主に先端が尖る乳房形
ITS、cox1、ITS+cox1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pythium polymastum
形態的に類似している(この種に同定されていたことがある)
ITS、cox1、ITS+cox1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードJサブクレードBに含まれる)
本種と異なりオランダなどに分布する
本種と異なりアブラナ科植物ではなくレタスなどを宿主とする
本種と異なり造卵器の刺が先端が鈍頭の円錐形ではなく主に先端が尖る乳房形
ITS、cox1、ITS+cox1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pythium uncinulatum
ITS、cox1、ITS+cox1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードJサブクレードBに含まれる)
本種と異なりオランダなどに分布する
本種と異なりアブラナ科植物ではなくレタスなどを宿主とする
本種と異なり造卵器の刺が先端が鈍頭の円錐形ではなく先端が尖る屈曲形でバラの刺状
ITS、cox1、ITS+cox1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pythium buismaniae
ITS、cox1、ITS+cox1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードJサブクレードBに含まれる)
本種と異なりオランダなどに分布する
本種と異なりアブラナ科ではなくキク属植物などを宿主とする
本種と異なり造卵器の刺が先端が鈍頭の円錐形ではなく円錐形で末端に不規則な突起を有する
ITS、cox1、ITS+cox1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pythium megalacanthum
形態的に類似している(この種に同定されていたことがある)
ITS、cox1、ITS+cox1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードJサブクレードBに含まれる)
本種と異なりドイツなどに分布する
本種と異なりアブラナ科ではなくキク属植物などを宿主とする
本種と異なり造卵器の刺が先端が鈍頭の円錐形ではなく先端が尖る円錐形または乳房形
ITS、cox1、ITS+cox1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される