(仮訳)トラッペア科の初期分岐分類群と系統的に類縁のブラジル、大西洋岸熱帯雨林に産したシクエストレート菌の新属Restingomyces
Sulzbacher, MA. et al., 2016. Restingomyces, a new sequestrate genus from the Brazilian Atlantic rainforest that is phylogenetically related to early-diverging taxa in Trappeaceae (Phallales). Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3852/15-265?journalCode=umyc20 [Accessed November 20, 2020] 【R3-07886】2020/11/20投稿

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3行まとめ

ブラジルの大西洋岸熱帯雨林の海岸砂丘で採集された地下生菌の一種を検討し、新属新種Restingomyces reticulatusとして記載した。
本種は子実体が球形~類球形で綿毛状の根状菌糸束を伴い、グレバが硬い軟骨質で、外皮がゼラチン化し、担子胞子が楕円形で網目状装飾を有し、外皮菌糸にクランプを有することなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析ではトラッペア科クレードに含まれ、Trappea darkeriPhallobata albaなどと姉妹群を形成した。
Brazil, Rio Grande do Norte, Natal, Trilha da Geologia, Parque Estadual Dunas do Natal

(新種)

Restingomyces reticulatus Sulzbacher, B.T. Goto & Baseia
語源…(属名)レスティンガの菌/(種小名)網目状の(担子胞子の表面性状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Hysterangium spp.
地下生菌である
子実体の色が類似している
コルメラの形態が類似している
外皮が複数の層からなる
グレバが軟骨質またはゼラチン質のことがある
本種と異なり担子胞子表面が網目状でない
本種と異なり担子胞子がKOHで褐変しない
本種と異なり外皮菌糸に結晶状の刺を有するという特徴を欠く
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Austrogautieria spp.
形態的に類似している
本種と異なり担子胞子表面が不規則な網目状ではなく縦方向の条線状
Aroramyces spp.
形態的に類似している
本種と子実体の色が異なる
本種とグレバの色が異なる
本種と異なり担子胞子表面が不規則な網目状ではなく刺状
本種と異なり担子胞子に顕著な包囊を有する
Phallobata alba
担子胞子が楕円形
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくニュージーランドなどに分布する
本種と異なり地下生ではなく地上生である
本種と異なり土壌または腐朽材上に生じる
本種と異なり担子器が2胞子性ではなく8胞子性
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が無色~帯黄褐色ではなく無色
本種と異なり担子胞子表面が不規則な網目状ではなく平滑
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Trappea darkeri
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルではなくスペイン、インド、北米などに分布する
本種と異なり海岸砂丘ではなく山地の森林などに分布する
本種と異なり地下生ではなく地上生または地下生
本種と異なり担子器が2胞子性でない
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が無色~帯黄褐色ではなく無色
本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく楕円形~長楕円形
本種と異なり担子胞子表面が不規則な網目状ではなく平滑
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される