(仮訳)新種Rhizopogon togasawariana:アジア産トガサワラ属植物と関係を持つショウロ属菌の初報告
Mujic, AB., Hosaka, K. & Spatafora, JW., 2014. Rhizopogon togasawariana sp. nov., the first report of Rhizopogon associated with an Asian species of Pseudotsuga. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/106/1/105.short [Accessed January 9, 2015].
【R3-01450】2015/01/10投稿

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3行まとめ

日本(奈良県)からトガサワラと外生菌根を形成するショウロ属の新種Rhizopogon togasawarianaを報告した。
形態学的検討および分子系統解析の結果から、本種はトガサワラ属植物のみと関係を持つことが知られているVillosuli亜属に含まれることが示された。
系統樹からショウロ属-トガサワラ属の共生関係の単一起源仮説が強く支持されたが、Villosuli亜属の種間関係は十分に明らかではなく、アジアにおけるさらなるサンプリングが必要とした。
奈良県川上村付近

(新種)

Rhizopogon togasawariana A.B. Mujic, K. Hosaka & J.W. Spatafora
語源…トガサワラの(宿主の和名より)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Rhizopogon vesiculosus
肉眼的形態が類似している
外皮の変色性が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じVillosuli亜属クレードに含まれる)
本種と異なりアジアにおける分布が知られていない
本種と異なり宿主がトガサワラではなく他のトガサワラ属植物
本種と異なり担子胞子の基部が顕著な截断状
本種と異なり”rhizomorph attachment”の周囲に”vesicle”を有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhizopogon vinicolor
肉眼的形態が類似している
外皮の変色性が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じVillosuli亜属クレードに含まれる)
本種と異なりアジアにおける分布が知られていない
本種と異なり宿主がトガサワラではなく他のトガサワラ属植物
本種と異なり未熟な子実体の外皮が白色ではなく桃色~ばら赤色
本種と異なり未熟な子実体の外皮に黄色のパッチをしばしば伴う
本種と異なり担子胞子の基部が顕著な截断状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他の分類学的措置および知見)

  • ホロタイプ標本由来のITS領域の塩基配列を基に、Rhizopogon rudusVillosuli亜属に含まれることを示した。