(仮訳)中国南西部産の新種Russula nigrovirens
Qi, Z. et al., 2015. Russula nigrovirens sp. nov. (Russulaceae) from southwestern China. Phytotaxa. Available at: http://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.236.3.5/0 [Accessed January 5, 2016].
【R3-02536】2016/01/05投稿

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3行まとめ

中国雲南省において亜高山帯に発生した菌を検討し、Russula nigrovirensとして新種記載した。
本種はHeterophyllidia亜属、Cyanoxanthinae亜節に含まれた。
本種は傘表面に鈍緑色のパッチを有し、担子胞子が球形~類楕円形で鈍い円錐形~類円筒形の疣に覆われることなどで特徴づけられた。
中国雲南省玉竜ナシ族自治県老君山

(新種)

Russula nigrovirens Q. Zhao, Y.K. Li & J.F. Liang
語源…黒緑色の(傘の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Russula variata
同じCyanoxanthinae亜節に含まれる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく米国などに分布する
本種と異なり傘の色の変異が大きい
本種と異なり傘表面が平滑
本種と異なり襞が繰り返し叉状分岐する
本種と異なり肉の味が温和ではなく辛味がある
本種と異なり肉が硫酸鉄で呈色しないのではなく緑変する傾向がある
本種より担子器が短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula cyanoxantha(カワリハツ)
同じCyanoxanthinae亜節に含まれる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり亜高山帯ではなく亜寒帯~温帯に分布するm本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なり傘の色の変異が大きい
本種と異なり肉が硫酸鉄で呈色しないのではなく緑変する傾向がある
本種より担子器が短い
本種と異なり担子胞子の装飾同士が細い線で繋がるという特徴を欠く
本種より子実層シスチジアの幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula virescens(アイタケ)
肉眼的形態が類似している(しばしば誤同定される)
本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なり傘表面に亀裂を生じる
本種と異なり傘縁部に小瘤状条線を有する
本種と異なり襞が白色~クリーム黄色ではなく淡黄色
本種と異なり柄が白色~類白色ではなく白色で傷つくと淡い帯灰黄色
本種より担子器のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が球形~類楕円形ではなく広楕円形
本種と異なり担子胞子の装飾が鈍円錐形~類円筒形で不規則な線状または畝状隆起によって繋がることがあるのではなく部分的または完全な網目状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Cyanoxanthinae亜節ではなくVirescentinae亜節クレードに含まれる)
Russula cutefracta
傘表皮に亀裂を生じる
本種と異なり中国ではなくイギリスなどに分布する
本種と異なり傘の色の変異が大きく時に紫色
本種と異なり柄が紫色を帯びることがある
本種より担子器のサイズが小さい
本種と異なりシスチジアが不明瞭
Russula anisopterae
本種と異なり中国ではなくパプアニューギニアなどに分布する
本種と異なり傘がオリーブ色
本種と異なり傘縁部が上向きに巻く
本種と異なり傘表面が平滑
本種と異なり柄の肉に小室状の空隙を有する
本種より担子器が短い
本種と異なり担子胞子の装飾が不規則な線状または畝状隆起によって繋がることがあるのではなく独立している
本種と異なり”marginal cell”が不明瞭
Russula langei
本種と異なり中国ではなくフランスなどに分布する
本種と異なり傘が紫色
本種と異なり傘表面が平滑
本種と異なり柄が淡紫色を帯びる
本種と異なり肉が硫酸鉄で呈色しないのではなく速やかに緑変する
本種より担子器のサイズが小さい
Russula parvovirescens
傘表面に緑色のパッチを有する
本種と異なり中国ではなく米国などに分布する
本種と異なり傘が緑白色~帯灰緑色ではなく帯緑褐色~金属質の帯青色
本種と異なり傘縁部に条線を欠くのではなく僅かに有する
本種と異なり肉が硫酸鉄で呈色しないのではなく褐橙色を帯びる
本種より担子器が短い
本種と異なり担子胞子の装飾が鈍円錐形~類円筒形で不規則な線状または畝状隆起によって繋がることがあるのではなく不完全な網目状
本種と異なり胞子紋が類白色ではなく淡クリーム色
本種と異なり傘表皮が”orthochromatic”
Russula griseoviridis
本種と異なり中国ではなくニュージーランドなどに分布する
本種と異なり傘が緑白色~帯灰緑色ではなく灰赤色を帯びる帯灰緑色
本種と異なり傘縁部がしばしば放射状に裂ける
本種と異なり襞が直生ではなく離生~上生
本種より担子器のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の装飾が鈍円錐形~類円筒形で不規則な線状または畝状隆起によって繋がることがあるのではなく不完全な網目状
Russula sikkimensis
同じHeterophyllidia亜属に含まれる
傘が緑色
本種と異なり中国ではなくインドに分布する
本種と異なり傘表面が平滑
本種と異なり肉が硫酸鉄で呈色しないのではなく淡黄色に呈色する
本種より担子器のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の装飾が鈍円錐形~類円筒形で不規則な線状または畝状隆起によって繋がることがあるのではなく部分的に網目状をなす
Russula atroaeruginea
同じHeterophyllidia亜属に含まれる
傘が緑色
本種と異なり傘が黒緑色を帯びる
本種と異なり傘表面にパッチを欠く
本種と異なり肉が老成すると淡い帯黄色
本種より担子器のサイズが小さい
本種と異なり縁シスチジアを欠く
Russula viridella var. yunnanensis
本種と異なり傘が緑白色~帯灰緑色ではなく紫色を帯びる緑色
本種と異なり傘表面にパッチを欠く
本種と異なり肉の味が温和ではなく辛味がある
本種より担子器のサイズが小さい
本種と異なり胞子紋が類白色ではなくクリーム色
本種と異なり側シスチジアの先端が鈍頭、鈍尖形または微突形ではなく鈍頭または尖形