(仮訳)パキスタン、シャングラ地区の混交針葉樹林に産した新種、Russula shanglaensis
Ullah, S. et al., 2020. Russula shanglaensis sp. nov. (Basidiomycota: Russulales), a new species from the mixed coniferous forests in District Shangla, Pakistan. Turkish Journal of Botany. Available at: https://journals.tubitak.gov.tr/botany/issues/bot-20-44-1/bot-44-1-8-1907-3.pdf [Accessed September 8, 2020] 【R3-07666】2020/9/8投稿

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3行まとめ

パキスタン、カイバル・パクトゥンクワ州、シャングラ地区で採集された菌を検討し、Russula shanglaensisとして新種記載した。
本種は傘が帯灰色でしばしばさび褐色~淡い帯紫色の斑点をあらわし、担子胞子が類球形~楕円形で不規則・不完全な網目状であることなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析でもVirescentinae亜節クレードに含まれ、近縁種とは傘や襞、担子胞子、シスチジアなどの形態が異なっていた。
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Shangla District, Ajmir, Sham Burj

(新種)

Russula shanglaensis S. Ullah, Khalid & Fiaz
語源…シャングラ産の
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【よく似た種との区別】
Russula xanthovirens
アジアに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種と異なり傘が帯黄緑色~濃緑色
本種と異なり傘表面が乾燥していて無毛
本種と異なり傘縁部が溝線状で亀裂が生じる
本種と異なり小襞を欠く
本種と異なり柄が中実
本種より担子胞子の装飾の丈が高い
本種と異なり担子胞子表面が不完全・不規則な網目状ではなく円錐形~類円筒形の疣状
本種より縁シスチジアが短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula aureoviridis
アジアに分布する
担子胞子の装飾が不完全な網目をなす畝状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種と異なり傘が帯黄緑色~黄金緑色
本種と異なり襞が柄の付近でしばしば叉状分岐する
本種と異なり小襞を欠く
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より縁シスチジアが短い
本種より側シスチジアのサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula mustelina
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくドイツ、米国などに分布する
本種と異なり傘が黄色~淡黄褐色で時に緑色を帯びる
本種と異なり傘が非常に肉質で厚く丈夫で硬い
本種より担子器が長い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子表面が不完全・不規則な網目状ではなく低い孤立した疣、顕著な畝、および微細な線からなる
本種よりシスチジアのサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula crustosa(ヤブレキチャハツ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく米国などに分布する
本種と異なり傘表面が縁部周辺で帯緑色のパッチ状に割れる
本種と異なり傘縁部に放射状の溝をあらわす
本種と異なり襞の間隔が密
本種と異なり襞が上生~直生ではなく直生する
本種と異なり担子胞子の装飾が不完全・不規則な網目状ではなくやや疣状で互いに微細な線で結ばれる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される