(仮訳)ヨーロッパ産の日和見感染菌の新種、Saksenaea dorisiae
Labuda, R. et al., 2019. Saksenaea dorisiae sp. nov., a New Opportunistic Pathogenic Fungus from Europe. International Journal of Microbiology. Available at: https://www.hindawi.com/journals/ijmicro/2019/6253829/ [Accessed November 1, 2019] 【R3-06730】2019/11/1投稿

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3行まとめ

セルビアにおいて井戸水から分離された菌を検討し、Saksenaea dorisiaeとして新種記載した。
本種はCZA培地でのみ胞子形成し、胞子嚢が円錐形で仮根が疎ら、胞子嚢胞子が短円筒形であることなどで特徴づけられ、接合胞子は観察されなかった。
本種が日和見感染菌の属に含まれることから抗真菌薬感受性試験を実施したところ、ケトコナゾールなどに感受性を有していた一方、カスポファンギンなどに耐性を示した。
Republic of Serbia, Manastirica (Petrovac)

(新種)

Saksenaea dorisiae R. Labuda, A. Bernreiter, C. Schüller, J. Strauss & M. Wagner
語源…この菌を分離したDoris Hochenauer氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Saksenaea oblongispora
胞子嚢柄の長さの範囲が重なる
CZA培地、適温での培養性状が類似している
42°Cで生育不能
ITS+nrLSU+tef-1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりセルビアではなくブラジルなどに分布する
本種と異なり井戸水ではなく森林土壌などから分離される
本種と異なり胞子嚢の腹部が円錐形ではなく球形
本種より胞子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり胞子嚢胞子が短円筒形~カプセル状ではなく長楕円形
本種よりCZA37°Cでの生長が速い
ITS+nrLSU+tef-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Saksenaea trapezispora
42°Cで生育不能
ITS+nrLSU+tef-1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりセルビアではなく米国などに分布する
本種と異なり井戸水ではなくヒトなどから分離される
本種より胞子嚢柄が長い
本種と異なり胞子嚢の腹部が円錐形ではなく球形
本種と異なり仮根が疎らではなく豊富
本種より胞子嚢胞子が長い
本種と異なり胞子嚢胞子が短円筒形~カプセル状ではなく台形
本種よりCZA37°Cでの生長が速い
ITS+nrLSU+tef-1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される