2017年5月21日 (仮訳)パタゴニアのナンキョクブナ林に産したシクエストレート菌類:Cystangium属 Trierveiler-Pereira, L. et al., 2015. Sequestrate fungi from Patagonian Nothofagus forests: Cystangium (Russulaceae, Basidiomycota). Mycologia. Available at: http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3852/13-302?journalCode=umyc20 [Accessed May 20, 2017]. 【R3-04041】2017/05/21投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ アルゼンチンおよびチリのパタゴニア地域からCystangium属6種を報告した。 そのうちC. domingueziae、C. gamundiaeなど4新種を記載した。 ITS領域に基づく分子系統解析を実施したほか、パタゴニア産の本属菌の検索表を掲載した。 Chile, Región X, north exit of Valdivia (新種) Cystangium domingueziae Nouhra & Trierv.-Per. 語源…アルゼンチンの菌学者、Laura S. Dominguez博士に献名 【よく似た種との区別】 Cystangium longisterigmatum 同所的に分布する(パタゴニア) ナンキョクブナ林に生息する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり”stipe-columella”を欠くか幅がより狭い 本種より担子器の小柄が長い 本種より子実層シスチジアの幅が狭い 本種と異なり子実層シスチジアが短い嘴状ではなく長い嘴状 本種と異なり”peridial context”が球状細胞を含む”heteromerous”でない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cystangium pisiglarea 本種と異なりチリではなくオーストラリアなどに分布する 本種より担子器のサイズがずっと小さい Chile, Región X, north exit of Valdivia (新種) Cystangium gamundiae Nouhra & Trierv.-Per. 語源…アルゼンチンの菌学者、Irma J. Gamundi氏に献名 【よく似た種との区別】 Cystangium bisporus ナンキョクブナ林に生息する 本種と異なりチリではなくオーストラリアおよびタスマニアなどに分布する 本種と異なり子実体が桃色やワイン色を帯びない 本種より子実下層の細胞のサイズがずっと大きい 本種より子実層シスチジアの幅がずっと広い 本種より上表皮の細胞のサイズがずっと大きい Cystangium megasporum 担子胞子に細長い刺を有する 本種と異なり担子胞子の装飾が刺状ではなく疣状、桿形、および楔形 本種と異なりシスチジアを欠く Cystangium seminudum(トゲミノショウロ) 担子胞子に細長い刺を有する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり”stipe-columella”を欠く 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種より担子胞子の装飾が短い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Cystangium grandihyphatum 同所的に分布する(パタゴニア) ナンキョクブナ林に生息する 担子胞子の形態がやや類似している 本種と異なり担子器が2(-3)胞子性ではなく4胞子性 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種より担子胞子の刺が短い 本種と異なり”peridium context”に大型の菌糸を有する Chile, Región X, north exit of Valdivia (新種) Cystangium grandihyphatum Nouhra & Trierv.-Per. 語源…大型の菌糸の(外皮および肉の菌糸の幅から) 【よく似た種との区別】 Cystangium gamundiae 同所的に分布する(パタゴニア) ナンキョクブナ林に生息する 担子胞子の形態がやや類似している 本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2(-3)胞子性 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種より担子胞子の刺が長い 本種と異なり”peridium context”に大型の菌糸を欠く Cystangium depauperatum 同所的に分布する(パタゴニア) ナンキョクブナ林に生息する 担子胞子の装飾のサイズが類似している 担子胞子の装飾の形状が類似している 本種と異なりグレバが顕著な小房状ではなくやや襞状~襞状 本種より”peridial context”の菌糸の幅が狭い Chile, Osorno, Parque Nacional Puyehue (新種) Cystangium longisterigmatum Nouhra & Trierv.-Per. 語源…長い小柄の 【よく似た種との区別】 Cystangium domingueziae 同所的に分布する(パタゴニア) ナンキョクブナ林に生息する ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり”stipe-columella”を欠くか幅がより狭いという特徴を欠く 本種より担子器の小柄が短い 本種より子実層シスチジアの幅が広い 本種と異なり子実層シスチジアが長い嘴状ではなく短い嘴状 本種と異なり”peridial context”が球状細胞を含む”heteromerous”であるという特徴を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (その他掲載種) Cystangium depauperatum Singer & A.H. Sm. 【よく似た種との区別】 Cystangium nothofagi 同所的に分布する(パタゴニア) ナンキョクブナ林に生息する 担子胞子の装飾のサイズが類似している 担子胞子の装飾の形状が類似している 本種と異なり外皮が白色~淡黄色でしばしば黄色であり、桃色やワイン色のパッチ状または全体がそれらの色を帯びるのではなく白色でやや淡い帯黄褐色のパッチ状 本種と異なりグレバがやや襞状~襞状ではなく小房状 本種と異なりシスチジアを欠く Cystangium grandihyphatum 同所的に分布する(パタゴニア) ナンキョクブナ林に生息する 担子胞子の装飾のサイズが類似している 担子胞子の装飾の形状が類似している 本種と異なりグレバがやや襞状~襞状ではなく顕著な小房状 本種より”peridial context”の菌糸の幅が広い (その他掲載種) Cystangium nothofagi (E. Horak) Trappe, T. Lebel & Castellano 【よく似た種との区別】 Cystangium depauperatum 同所的に分布する(パタゴニア) ナンキョクブナ林に生息する 担子胞子の装飾のサイズが類似している 担子胞子の装飾の形状が類似している 本種と異なり外皮が白色でやや淡い帯黄褐色のパッチ状ではなく白色~淡黄色でしばしば黄色であり、桃色やワイン色のパッチ状または全体がそれらの色を帯びる 本種と異なりグレバが小房状ではなくやや襞状~襞状 本種と異なりシスチジアを有する