(仮訳)オーストラリア東部産のトリハダゴケ属地衣の7新種および1新産種
Archer, AW. & Elix, JA. 2017. Seven new species and a new record in the lichen genus Pertusaria (Pertusariales, lichenized Ascomycota) from eastern Australia. Australasian Lichenology. Available at: https://www.anbg.gov.au/abrs/lichenlist/AL80.pdf [Accessed November 28, 2017].
【R3-04617】2017/11/28投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

オーストラリアからPertusaria gadgarrensisP. glebulosaなど7新種を記載した。
これらの新種は類縁種とは基質、稔性の有無、裂芽や粉芽の形態、子嚢胞子のサイズ、地衣成分などが異なっていた。
また、P. violaceaをオーストラリア新産種として報告した。
Queensland, Gadgarra State Forest, 15 km NE of Malanda

(新種)

Pertusaria gadgarrensis A.W. Archer & Elix
語源…ガッドギャラ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pertusaria depressa
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子の壁内面が粗面という特徴を欠く
本種と異なり地衣成分としてリケキサントン、2-クロロリケキサントン、”2-O-methylhyperlatolic acid”、”2-O-methylsuperlatolic acid”を含む
Queensland, Forty Mile Scrub National Park, 53 km E of Mt. Surprise

(新種)

Pertusaria glebulosa A.W. Archer & J.A. Elix
語源…小塊の(裂芽の形態から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pertusaria isidiosa
裂芽を有する
地衣成分としてリケキサントンを含む
本種と異なり子器を形成する
本種と異なり裂芽が密生するという特徴を欠く
本種より裂芽が長い
本種と異なり裂芽の形状がずんぐりしているのではなく珊瑚状に分枝する
本種と異なり地衣成分として”2′-O-methylperlatolic acid”およびスチクチン酸を含む
本種と異なり地衣成分として2-クロロリケキサントンおよび”superlatolic acid”を含まない
Queensland, Tozers Gap, Iron Range National Park, 29 km SW of Cape Weymouth (17 km NW of Lockhart River Settlement)

(新種)

Pertusaria hiatensis A.W. Archer & J.A. Elix
語源…隙間に産する(タイプロカリティのトーザーズ・ギャップに因む)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pertusaria xanthodactylina
岩上生地衣である
本種と異なり地衣成分として”thiophaninic acid”およびスチクチン酸を含む
本種と異なり地衣成分としてチオファン酸を欠く
Pertusaria lumbschii
オーストラリアに分布する
地衣成分が類似している
本種と異なり岩上生ではなく樹皮生である
本種と異なり裂芽が散生するのではなく密生する
本種と異なり裂芽の先端がいくぶん類円錐形なのではなく先端が丸い
Queensland, Cook District, boat ramp, c. 1 km SE of Edmonton, SE of Cairns

(新種)

Pertusaria lumbschii A.W. Archer & J.A. Elix
語源…H. Thorsten Lumbsch氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pertusaria xanthodactylina
本種と異なり樹皮生でない
本種と異なり地衣成分として”thiophaninic acid”およびスチクチン酸を含む
本種と異なり地衣成分としてチオファン酸を含まない
Pertusaria thula
オーストラリアに分布する
地衣成分としてチオファン酸を含む
本種と異なり樹皮生ではなく岩上生である
本種と異なり稔性を有する
本種と異なり地衣成分として”asemone”およびアルトテリンを含む
Pertusaria alectoronica var. thiophanica
オーストラリアに分布する
地衣成分としてチオファン酸を含む
本種と異なり地衣成分としてアレンドロン酸を含む
Pertusaria hiatensis
オーストラリアに分布する
地衣成分が類似している
本種と異なり樹皮生ではなく岩上生である
本種と異なり裂芽が密生するのではなく散生する
本種と異なり裂芽の先端が丸いのではなくいくぶん類円錐形
Queensland, Forty Mile Scrub National Park, 53 km E of Mount Surprise

(新種)

Pertusaria quadraginta A.W. Archer & J.A. Elix
語源…40の(タイプロカリティのフォーティーマイル・スクラブに因む)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pertusaria pseudococcodes
子嚢が2胞子性
地衣成分が類似している
本種と異なりオーストラリアではなくスリランカなどに分布する
本種と異なり子器の孔口が不明瞭ではなく明瞭
本種と異なり子器の孔口が淡黄色ではなく黒色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
Pertusaria consocians
地衣成分が類似している
本種と異なりオーストラリアではなく北米などに分布する
本種と異なり子器の孔口が淡黄色ではなく黒色
本種より子嚢胞子が長い
Pertusaria pertusa
本種と異なりオーストラリアではなくヨーロッパ、アフリカ、アジアなどに分布する
本種と異なり子器の孔口が淡黄色ではなく黒色
本種より子嚢胞子が長い
Queensland, Tully Falls National Park, 12.6 km S of Ravenshoe

(新種)

Pertusaria salazinica A.W. Archer & J.A. Elix
語源…サラジン(酸)の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pertusaria lacerans
本種と異なり地衣成分として”picrolichenic acid”を含む
本種と異なり地衣成分としてサラジン酸およびノルスチクチン酸を含まない
Pertusaria celata
地衣成分が同一
本種と異なりオーストラリアではなくニュージーランドなどに分布する
本種と異なり子器が疣状
Pertusaria casta
地衣成分としてサラジン酸およびノルスチクチン酸を含む
本種と異なりオーストラリアではなく南アフリカなどに分布する
本種と異なり稔性を有する
本種と異なり地衣成分として塩素が付加したリケキサントン類を含む
Queensland, Rocky Creek, 4 km NE of Nambour

(新種)

Pertusaria ternata A.W. Archer & J.A. Elix
語源…3つの(子嚢胞子が3胞子性であることから)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pertusaria aberrans
オーストラリアに分布する
樹皮生地衣である
地衣成分として”thiophaninic acid”およびスチクチン酸を含む
子嚢胞子が3-4胞子性
本種と異なり子器の孔口が不明瞭ではなく明瞭な窪んだ盤状
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
Pertusaria kashiwadanii
地衣成分が類似している
本種と異なりオーストラリアではなく日本などに分布する
本種と基質が異なる
Pertusaria boninensis
地衣成分が類似している
本種と異なりオーストラリアではなく日本などに分布する
本種と基質が異なる

(オーストラリア新産種)

Pertusaria violacea Oshio
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Pertusaria leucosorodes
地衣成分としてタムノール酸を含む
本種と異なり粉芽が小粒状ではなく粉状
本種と異なりUV蛍光が異なる
本種と異なり地衣成分としてリケキサントンを含む
Pertusaria variolina
形態的に類似している(同種とする意見があった)
地衣成分としてタムノール酸を含む
本種と異なり子器を形成する
本種と異なり粉芽を欠く
Pertusaria subviolacea
形態的に類似している
本種と異なり日本およびオーストラリアではなく中国などに分布する
本種と異なり地衣成分としてヒポタムノール酸およびクリプトタムノール酸を含む