(仮訳)中国雲南省産のゾンビアント菌6新種
Tang, D. et al. 2023. Six new species of zombie-ant fungi from Yunnan in China. IMA Fungus. Available at: https://link.springer.com/article/10.1186/s43008-023-00114-9 [Accessed May 17, 2023] 【R3-10610】2023/5/17投稿

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3行まとめ

中国雲南省で採集されたアリを宿主とするOphiocordyceps属菌を検討し、O. acroascaなど6新種を記載した。
オオアリ属のアリが複数の病原菌に感染しうること、トゲアリ属の複数種が同一の病原菌に感染しうることなどが示された。
全世界のO. unilateralis複合種の検索表を掲載した。
中国雲南省普洱市太陽河国家公園

(新種)

Ophiocordyceps acroasca Hong Yu bis & D.X. Tang
語源…頂部の子嚢(果)の(子嚢果の子座における位置から)
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【よく似た種との区別】
Ophiocordyceps septa
アジアに分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
宿主が葉を噛んだ状態で死ぬという性質がある
子座が棍棒形~円筒形
子嚢殻が埋生する
子嚢殻に孔口を有する
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する
本種と異なり子嚢果が子座頂部から生じるという特徴を欠く
本種と子嚢果のサイズが異なる
本種と子嚢殻のサイズが異なる
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と分生子形成細胞のサイズが異なる
本種と異なり分生子形成細胞が瓶形~円筒形でない
本種と分生子のサイズが異なる
本種と異なり分生子がレモン形でない
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps subtiliphialida
中国に分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
分生子形成細胞の基部が膨大した瓶形
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子が槍形である
本種と異なり分生子柄が稀である
本種と異なり分生子形成細胞がモノフィアライドまたは稀にポリフィアライドである
本種と異なり分生子形成細胞に幅狭く細長い頸部を有する
本種と異なり分生子がオリーブ色である
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国雲南省普洱市太陽河国家公園

(新種)

Ophiocordyceps bifertilis Hong Yu bis & D.X. Tang
語源…2つの結実部の
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【よく似た種との区別】
Ophiocordyceps satoi(クビオレアリタケ)
東アジアに分布する
同じトゲアリ属のアリを宿主とする
子座が棍棒形
子嚢殻がフラスコ形
フィアライドが瓶形
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく日本などに分布する
本種と異なり宿主が葉ではなく枝を噛んだ状態で死ぬという性質がある
本種と異なり子座が分枝するという特徴を欠く
本種と異なり子嚢胞子が紡錘系でない
本種とフィアライドのサイズが異なる
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps naomipierceae
宿主が葉を噛んだ状態で死ぬという性質がある
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なりフィアライドがHirsutella属ではなくParaisaria属類似である
本種とフィアライドのサイズが異なる
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国雲南省普洱市太陽河国家公園

(新種)

Ophiocordyceps subtiliphialida Hong Yu bis & D.X. Tang
語源…細長いフィアライドの
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【よく似た種との区別】
Ophiocordyceps contiispora
中国に分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
分生子形成細胞がモノフィアライドまたは稀にポリフィアライドである
分生子頂部に突起を有する
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢胞子の隔壁が明瞭でない
本種よりフィアライドが短い
本種ほどフィアライドの形状が細長くない
本種より分生子の幅が狭い
本種より分生子頂部の突起が顕著である
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps septa
アジアに分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
子嚢胞子が槍形
分生子形成細胞の基部が膨大した瓶形
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり分生子柄が稀でない
本種と異なり分生子形成細胞がモノフィアライドまたは稀にポリフィアライドという特徴を欠く
本種と異なり分生子形成細胞に幅狭く細長い頸部を有するという特徴を欠く
本種と異なり分生子がオリーブ色でない
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps acroasca
中国に分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
分生子形成細胞の基部が膨大した瓶形
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子が槍形でない
本種と異なり分生子柄が稀でない
本種と異なり分生子形成細胞がモノフィアライドまたは稀にポリフィアライドという特徴を欠く
本種と異なり分生子形成細胞に幅狭く細長い頸部を有するという特徴を欠く
本種と異なり分生子がオリーブ色でない
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps basiasca
中国に分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
分生子形成細胞の基部が膨大した瓶形
分生子がオリーブ色
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子が槍形でない
本種と異なり無性世代がHirsutela type-Aである
本種と異なり分生子柄が稀でない
本種と異なり分生子形成細胞がモノフィアライドまたは稀にポリフィアライドという特徴を欠く
本種と異なり分生子形成細胞に幅狭く細長い頸部を有するという特徴を欠く
本種と異なり分生子がオリーブ色でない
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国雲南省普洱市太陽河国家公園

(新種)

Ophiocordyceps basiasca Hong Yu bis & D.X. Tang
語源…基部の子嚢(果)の(子座における位置から)
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【よく似た種との区別】
Ophiocordyceps contiispora
中国に分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
子嚢殻がフラスコ形
子嚢が円筒形
分生子形成細胞が瓶形
分生子がオリーブ色である
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢胞子が蠕虫形ではなく紡錘形
本種と異なり子嚢胞子の隔壁が明瞭でない
本種と異なり無性世代がHirsutela type-AではなくHirsutela type-Cである
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps subtiliphialida
中国に分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
分生子形成細胞の基部が膨大した瓶形
分生子がオリーブ色
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子が槍形である
本種と異なり無性世代がHirsutela type-Aでない
本種と異なり分生子柄が稀である
本種と異なり分生子形成細胞がモノフィアライドまたは稀にポリフィアライドである
本種と異なり分生子形成細胞に幅狭く細長い頸部を有する
本種と異なり分生子がオリーブ色である
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国雲南省普洱市糯扎渡自然保護区

(新種)

Ophiocordyceps nuozhaduensis Hong Yu bis & D.X. Tang
語源…糯扎渡産の
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【よく似た種との区別】
Ophiocordyceps camponoti-leonardi
アジアに分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
子嚢殻孔口が丸まる
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する
本種より子嚢殻のサイズが大きい
本種と異なり子嚢殻がフラスコ形でない
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子が蠕虫形でない
本種と異なり分生子が卵形または楕円形でない
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps camponoti-nidulantis
同じオオアリ属のアリを宿主とする
宿主が葉を噛んだ状態で死ぬという性質がある
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
子嚢胞子が蠕虫形
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくブラジルなどに分布する
本種より子嚢殻のサイズが小さい
本種と子嚢胞子のサイズの範囲が異なる
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国雲南省勐臘県磨憨鎮Xinming村

(新種)

Ophiocordyceps contiispora Hong Yu bis & D.X. Tang
語源…槍形の胞子の(分生子の形状から)
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【よく似た種との区別】
Ophiocordyceps subtiliphialida
中国に分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
分生子形成細胞がモノフィアライドまたは稀にポリフィアライドである
分生子頂部に突起を有する
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢胞子の隔壁が明瞭である
本種よりフィアライドが長い
本種よりフィアライドの形状が細長い
本種より分生子の幅が広い
本種ほど分生子頂部の突起が顕著でない
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps basiasca
中国に分布する
同じオオアリ属のアリを宿主とする
子嚢殻がフラスコ形
子嚢が円筒形
分生子形成細胞が瓶形
分生子がオリーブ色である
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢胞子が紡錘形ではなく蠕虫形
本種と異なり子嚢胞子の隔壁が明瞭である
本種と異なり無性世代がHirsutela type-CではなくHirsutela type-Aである
nrSSU+nrLSU+TEF+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される