(仮訳)ブラジル・サンパウロ州の大西洋岸熱帯雨林地域で見出されたホウライタケ属の新種および新変種
Oliveira, JJS., Sanchez-Ramirez, S. & Capelari, M., 2014. Some new species and new varieties of Marasmius (Marasmiaceae, Basidiomycota) from Atlantic Rainforest areas of São Paulo State, Brazil. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-014-0978-y [Accessed October 12, 2014].
【R3-01182】2014/10/13投稿

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3行まとめ

ホウライタケ属の複数の節(特にNeosessiles節)を対象に形態学的検討および分子系統解析を行った。
複数の種が異なる節の中間的形質を有すること、Globulares節とSicci節が複合体を形成すること、複数の形質が収斂進化の結果であることなどを示した。
ブラジル・サンパウロ州からMarasmius conchiformisなど3新種とM. conchiformis var. disparなど3新変種を記載した。
Brazil, São Paulo State, Santo André City, Reserva Biológica de Paranapiacaba

(新種)

Marasmius conchiformis J.S. Oliveira & Capelari
語源…貝殻形の(傘の形態から)
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【よく似た種との区別】
Marasmius conchiformis var. dispar
ブラジル・サンパウロ州に分布する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁(ITS領域の配列の差異が3%未満)
本種と異なり傘がクリーム色・淡い帯褐黄色・淡い帯灰黄色・黄褐橙色ではなくより濃い橙色
本種と異なり傘表面が溝線状ではなく皺状~不明瞭な溝線状
本種より担子胞子が僅かに長い
本種と異なり側シスチジアの頂部の幅が広い
本種と異なり側シスチジアの内容物が密で同質に見える
本種と異なり傘実質が網目状またはクモの巣状になる
本種と異なり傘表皮が顕著なSiccus型の箒状細胞のみからなる
本種より傘表皮の細胞の本体部のサイズが僅かに大きい
本種と異なり傘表皮の頂部に小剛毛を有する
本種とITS領域の配列が0.9%異なる
Marasmius spaniophyllus
担子胞子の長さの範囲が重なる
傘表皮の細胞がRotalis型になる傾向がある
本種と異なり柄の基部に菌糸体を伴わない
本種と異なり側シスチジアを欠く
本種と異なり縁シスチジアがSiccus型ではなく傘表皮の細胞に類似している(ただし、本種の縁シスチジアもやや傘表皮の細胞に類似していることがある)
本種と異なり実質がデキストリノイドではなく非アミロイド
Marasmius spaniophyllus var. iguazuensis
担子胞子の長さの範囲が重なる
縁シスチジアの形態が傘表皮の箒状細胞と類似していない
本種と異なり側シスチジアを欠く
Marasmius suthepensis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, São Paulo State, Santo André City, Reserva Biológica de Paranapiacaba

(新変種)

Marasmius conchiformis var. dispar J.S. Oliveira & Capelari
語源…不等の(他の変種と形態的に異なることから)
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【よく似た種との区別】
Marasmius conchiformis
ブラジル・サンパウロ州に分布する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁(ITS領域の配列の差異が3%未満)
本変種ほど傘が濃い橙色ではなくクリーム色・淡い帯褐黄色・淡い帯灰黄色・黄褐橙色
本変種と異なり傘表面が皺状~不明瞭な溝線状ではなく溝線状
本変種より担子胞子が僅かに短い
本変種と異なり側シスチジアの頂部の幅が広いという特徴を欠く
本変種と異なり側シスチジアの内容物が密で同質に見えるという特徴を欠く
本変種と異なり傘実質が網目状またはクモの巣状になるという特徴を欠く
本変種と異なり傘表皮が顕著なSiccus型の箒状細胞のみからなるという特徴を欠く
本変種より傘表皮の細胞の本体部のサイズが僅かに小さい
本変種と異なり傘表皮の頂部に小剛毛を欠く
種とITS領域の配列が0.9%異なる
Marasmius conchiformis var. lenipileatus
ブラジル・サンパウロ州に分布する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁(ITS領域の配列の差異が3%未満)
本変種と異なり傘表面が皺状~不明瞭な溝線状ではなく平滑
本変種より担子胞子が僅かに短い
本変種と異なり顕著な紡錘状の偽担子器を欠く
本変種より側シスチジアが短い
本変種とITS領域の配列が1.4%異なる
Marasmius cecropiae
担子胞子の長さの範囲が重なる
本変種と異なり傘が鮮橙色ではなく淡黄褐色~淡い帯黄褐橙色
本変種と異なり傘が貝殻形~耳形ではなく腎臓形
本変種と異なり襞が叉状分岐あるいは連絡する
本変種と異なり担子胞子が涙状~紡錘状ではなく棍棒状長楕円形
本変種と異なり側シスチジアが棍棒形~広棍棒形ではなく類紡錘状で被覆物を伴う
本変種と異なり縁シスチジアがSiccus型の箒状細胞類似ではなく類紡錘状で被覆物を伴う
Marasmius suthepensis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, São Paulo State, Santo André City, Reserva Biológica de Paranapiacaba

(新変種)

Marasmius conchiformis var. lenipileatus J.S. Oliveira & Capelari
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【よく似た種との区別】
Marasmius conchiformis
ブラジル・サンパウロ州に分布する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁(ITS領域の配列の差異が3%未満)
種と異なり傘が黄褐色~鮮橙色ではなくクリーム色・淡い帯褐黄色・淡い帯灰黄色・黄褐橙色
種と異なり傘表面が顕著な平滑ではなく溝線状
種と異なり顕著な紡錘状の偽担子器を有するという特徴を欠く
種より側シスチジアが長い
種と異なり傘表皮が頂部に通常短い直立する小剛毛を伴うSiccus型箒状細胞からなるという特徴を欠く
種と異なり柄表皮が本体が退化的な箒状細胞および細く尖った小剛毛からなるという特徴を欠く
種と異なり柄実質が二型からなるという特徴を欠く
種とITS領域の配列が0.5%異なる
Marasmius conchiformis var. dispar
ブラジル・サンパウロ州に分布する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で近縁(ITS領域の配列の差異が3%未満)
本変種と異なり傘表面が平滑ではなく皺状~不明瞭な溝線状
本変種より担子胞子が僅かに長い
本変種と異なり顕著な紡錘状の偽担子器を有する
本変種より側シスチジアが長い
本変種とITS領域の配列が1.4%異なる
Marasmius sejunctus
偽担子器の形態が類似している
側シスチジアの形態が類似している
柄表皮が本体が退化的な箒状細胞からなる
柄実質が二型からなる
本変種と異なり傘に帯赤褐色の点状模様がある
種と異なり襞が連絡する
本変種と異なり柄の基部に菌糸体を伴わない
本変種より担子胞子のサイズが小さい
本変種と異なり襞実質がデキストリノイドではなく非アミロイド
本変種と異なり傘表皮がSiccus型とRotalis型の遷移的な形態を持つと見られる
本変種と異なり傘実質がデキストリノイドではなく非アミロイド
Marasmius suthepensis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Marasmius griseoroseus (Mont.) Singer
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【よく似た種との区別】
Marasmius griseoroseus var. diminutus
ブラジル・サンパウロ州に分布する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析でごく近縁(同種であることが示唆される)
本種より子実体のサイズが僅かに小さい
本種より担子器のサイズが大きい
本種より担子胞子が僅かに短い
本種と異なり顕著な紡錘状の偽担子器を有する
本種と異なり傘表皮に平滑な細胞またはAmyloflagellula型箒状細胞を有する
本種とITS領域の塩基配列が0.8%異なる
Marasmius suthepensis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, São Paulo State, São Paulo City, Parque Estadual da Cantareira, Núcleo Engordador

(新変種)

Marasmius griseoroseus var. diminutus J. S. Oliveira & Capelari
語源…微小な(子実体のサイズから)
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【よく似た種との区別】
Marasmius griseoroseus
ブラジル・サンパウロ州に分布する
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析でごく近縁(同種であることが示唆される)
本変種より子実体のサイズが僅かに大きい
本変種より担子器のサイズが小さい
種より担子胞子が僅かに長い
本変種と異なり顕著な紡錘状の偽担子器を欠く
本変種と異なり傘表皮に平滑な細胞またはAmyloflagellula型箒状細胞を欠く
本変種とITS領域の塩基配列が0.8%異なる
Marasmius cyphella
傘表皮がSiccus型箒状細胞と平滑な細胞からなる
傘表皮のSiccus型箒状細胞の形態が非常に類似している
本変種と異なり襞を完全に欠く
本変種と異なり円筒状紡錘形の偽担子器を欠く
本変種より担子胞子が短い
本変種と異なり担子胞子が長楕円形・棍棒形・類紡錘状・槍形ではなく楕円形
Amyloflagellula pseudoarachnoidea
傘が白色~淡黄褐色
傘が杯形
担子胞子が長楕円状槍形
傘表皮に頂部に細い鞭毛状でデキストリノイドの小剛毛を伴うAmyloflagellula型箒状細胞を含む
本変種より傘のサイズが大きい
本変種と異なり襞の数が7-8ではなく4-6
本変種と異なり柄を欠くか極めて短いのではなく短いが顕著な柄を有する
本変種と異なり顕著な根状菌糸束を有する
本変種より担子胞子のサイズが大きい
本変種と異なり”hyphal trama”が非アミロイド
本変種と傘表皮の細胞の形態が異なる
Amyloflagellula pulchra
傘の色が類似している
傘が杯形
担子胞子が長楕円状槍形
傘表皮に頂部に細い鞭毛状でデキストリノイドの小剛毛を伴うAmyloflagellula型箒状細胞を含む
本変種と異なり傘が菌糸束または偽菌糸束から生じる
本変種より担子胞子のサイズが小さい
Amyloflagellula inflata
傘が杯形
担子胞子が長楕円状槍形
傘表皮に頂部に細い鞭毛状でデキストリノイドの小剛毛を伴うAmyloflagellula型箒状細胞を含む
本変種と異なり子実層面が襞状ではなくほとんど平滑
本変種と異なり子実体基部に膨大した菌糸を有する
本変種より担子胞子が短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amyloflagellula verrucosa
傘が杯形
偽担子器が紡錘形
担子胞子が長楕円状槍形
傘表皮の構造が類似している
傘表皮に頂部に細い鞭毛状でデキストリノイドの小剛毛を伴うAmyloflagellula型箒状細胞を含む
種より子実体のサイズが小さい
本変種と異なり子実層面が襞状ではなく平滑
本変種より担子胞子のサイズが小さい
Marasmius suthepensis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, São Paulo State, Santo André City, Reserva Biológica de Paranapiacaba

(新種)

Marasmius linderioides J.S. Oliveira & Capelari
語源…Marasmius linderiのような
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【よく似た種との区別】
Marasmius linderi
傘の色が一致する
子実層托の配列が一致する
担子胞子のサイズが一致する
担子胞子の形状が一致する
側シスチジアの長さが一致する
縁シスチジアの長さが一致する
傘表皮の箒状細胞の長さが一致する
本種と異なりブラジルではなくリベリアに分布する
本種と異なり柄を欠く
本種と異なり側シスチジアが顕著な厚壁
本種と異なり実質がデキストリノイドではなく非アミロイド
Marasmius falcatipes
傘の色がやや類似している(クリーム色~橙色を帯びる)
襞の形態が類似している
柄が中心生~偏心生
柄が短い
柄が屈曲する
柄の基部に菌糸体のパッドを伴う
側シスチジアのサイズの範囲が重なる
傘表皮の構造が類似している
本種と異なり柄表面が顕著な粉状
本種より担子胞子が短い
本種と異なり柄表皮の菌糸に無数の突出する指状突起、厚壁剛毛形の要素、傘表皮の箒状細胞類似の構造などを伴う
Brazil, São Paulo State, Santo André City, Reserva Biológica de Paranapiacaba

(新種)

Marasmius longisetosus J.S. Oliveira & Capelari
語源…長い剛毛の(傘表皮の要素より)
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【よく似た種との区別】
Amyloflagellula inflata
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される