(仮訳)フロリダ南部産微小菌類:新属新種Kalamarospora multiflagellataおよび米国新産種
Delgado, G., 2010. South Florida microfungi: Kalamarospora multiflagellata gen. et sp. nov. (hyphomycetes), with additional new records from USA. Mycotaxon. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2010/00000114/00000001/art00031 [Accessed April 6, 2015].
【R3-01711】2015/04/07投稿

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3行まとめ

フロリダ州南西部においてSabal palmettoの枯れ葉に発生した菌を検討し、新属新種Kalamarospora multiflagellataとして記載した。
本属は分生子が楕円形~倒棍棒形で内部に多数の繊維を含み、それらが頂部~次端部からから突出してイカのような姿をなすことなどで特徴づけられた。
また、Ellisembia britannicaなど5種を米国新産種として報告した。
USA, Florida, Collier Co., Naples

(新種)

Kalamarospora multiflagellata G. Delgado
語源…(属名)イカの胞子/(種小名)多数の鞭毛の(分生子の付属糸から)
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【よく似た種との区別】
Megacapitula villosa
アナモルフ菌である
分生子の形態が類似している
分生子が有色
分生子の形状が楕円形~倒棍棒形
分生子頂部に複数の長い毛状の付属糸を伴う
分生子の付属糸に隔壁を有する
本種と異なり分生子柄が分化分生子柄ではなく未分化~半分化分生子柄
本種と異なり分生子柄が分枝することがある
本種と異なり分生子柄表面が平滑・粗面・小疣状
本種と異なり分生子形成細胞が貫生伸長せず有限生長
本種と異なり分生子形成細胞が末端生ではなく末端生で時に側生または節間生
本種と異なり分生子が成熟すると石垣状
本種と異なり分生子の壁が幼時しばしば網目状
本種と異なり分生子の脱離が破裂性ではなく裂開性
Piricaudilium spp.
分生子内部に基部から伸びる無色有隔の繊維を有する
本種と異なり分生子柄が分化分生子柄ではなく未分化~半分化分生子柄
本種と異なり分生子形成細胞が末端生ではなく末端生または節間生
本種と異なり分生子形成細胞が円筒形ではなく球形~類球形
本種と異なり分生子形成細胞の頂孔が顕著な暗色の痕に囲まれる
本種と異なり分生子が楕円形~倒棍棒形ではなく洋独楽形または球形・類球形・卵形・倒円錐形などの不規則形
本種と異なり分生子が平滑ではなく微細な粗面で基部付近が小疣状~小刺状
本種と異なり分生子内部の繊維が発達途中の分生子に視認できるという特徴を欠く
本種と異なり分生子内部の繊維が細胞内に留まり突出しない
Akenomyces spp.
分生子の形態が一見類似している
分生子が楕円形~倒棍棒形など
分生子内部に繊維状構造を有する
本種と異なり半水生菌と考えられている
本種と異なり絡まり合った菌糸から菌核を形成する
本種と異なり菌糸にクランプを有する
Ceratosporella disticha
分生子形成様式が単出芽型
分生子形成細胞が貫生伸長する
分生子の形状が一見類似している
分生子の付属糸が粘液質の鞘に覆われる
本種と異なり分生子が分枝する
本種と異なり分生子に内部構造を欠く
本種と異なり分生子の脱離が破裂性ではなく裂開性
Ceratosporella compacta
分生子形成様式が単出芽型
分生子形成細胞が貫生伸長する
分生子の形状が一見類似している
分生子の付属糸が粘液質の鞘に覆われる
本種と異なり分生子が分枝する
本種と異なり分生子に内部構造を欠く
本種と異なり分生子の脱離が破裂性ではなく裂開性
Ceratosporella flagellifera
分生子形成様式が単出芽型
分生子形成細胞が貫生伸長する
分生子の形状が一見類似している
分生子の付属糸が粘液質の鞘に覆われる
本種と異なり分生子が分枝する
本種と異なり分生子に内部構造を欠く
本種と異なり分生子の脱離が破裂性ではなく裂開性
Pseudoacrodictys appendiculata
分生子基部の細胞が突出する
分生子に繊維状の付属糸を有する
分生子の付属糸に隔壁を有する
本種と分生子の形状が異なる
本種と異なり分生子の付属糸が内部構造に由来するのではない
本種より分生子の付属糸の数が少ない
本種より分生子の付属糸が短い
Pseudoacrodictys corniculata
分生子基部の細胞が突出する
分生子に繊維状の付属糸を有する
分生子の付属糸に隔壁を有する
本種と分生子の形状が異なる
本種と異なり分生子の付属糸が内部構造に由来するのではない
本種より分生子の付属糸の数が少ない
本種より分生子の付属糸が短い
Pseudoacrodictys eickeri
分生子基部の細胞が突出する
分生子に繊維状の付属糸を有する
分生子の付属糸に隔壁を有する
本種と分生子の形状が異なる
本種と異なり分生子の付属糸が内部構造に由来するのではない
本種より分生子の付属糸の数が少ない
本種より分生子の付属糸が短い
Pseudoacrodictys viridescens
分生子基部の細胞が突出する
分生子に繊維状の付属糸を有する
分生子の付属糸に隔壁を有する
本種と分生子の形状が異なる
本種と異なり分生子の付属糸が内部構造に由来するのではない
本種より分生子の付属糸の数が少ない
本種より分生子の付属糸が短い
Veracruzomyces obclavatus
分生子形成様式が単出芽型
分生子形成細胞が末端生
分生子形成細胞が円筒形
分生子形成細胞が貫生伸長する
分生子の長さが類似している
分生子が褐色
分生子が倒棍棒形
分生子頂部に粘液質の鞘を有する
本種と異なり分生子柄側面にしばしば下方に屈曲する瓶形有隔の突起を有する
本種と異なり分生子が嘴状
本種と異なり分生子が石垣状
本種と異なり分生子に繊維状の付属糸を欠く
本種と異なり分生子に内部構造を欠く
本種と異なり分生子の脱離が破裂性ではなく裂開性

(米国新産種)

Ellisembia britannica (B. Sutton) W.P. Wu
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【よく似た種との区別】
Ellisembia artocarpi
分生子が非常に長い
分生子が淡褐色
本種より分生子の最大長が短い
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子基部の細胞が暗色でない
Ellisembia sapii
分生子が非常に長い
分生子が淡褐色
本種より分生子の最大長が短い
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子基部の細胞が暗色でない
本種と異なり分生子の異隔壁の数が5-18ではなく最大23
Sporidesmajora pennsylvaniensis
米国に分布する
分生子が非常に長い(最大長が同一)
分生子基部の細胞が暗色
分生子基部の細胞が円錐形
本種と異なり分生子が類円筒形~円筒形ではなく狭倒棍棒形~長倒棍棒形
本種と異なり分生子が平滑ではなく平滑~微細な小疣状
本種と異なり分生子の隔壁が異隔壁ではなく真の隔壁
本種と異なり分生子に小油滴を含む

(米国新産種)

Polytretophora calcarata Mercado
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(米国新産種)

Pseudoacrodictys corniculata (R.F. Castañeda) W.A. Baker & Morgan-Jones
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(米国新産種)

Sporidesmiella sinensis W.P. Wu, in Wu & Zhuang
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【よく似た種との区別】
Sporidesmiella oraniopsis
分生子柄が貫生伸長する
分生子が淡色
分生子が頂部が丸く、基部が截断状の棍棒形
分生子に3つの異隔壁を有する
本種と異なり分生子形成細胞の貫生伸長部が不明瞭ではなく明瞭
本種と異なり分生子形成細胞の貫生伸長部の数が4-8ではなく最大18
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子が淡い帯オリーブ色~帯オリーブ褐色ではなく淡褐色
本種と異なり分生子が楔形になることがあるという特徴を欠く
本種と異なり分生子に稀に4-5つの異隔壁を有する

(米国新産種)

Triposporium verruculosum R.F. Castañeda, Gené & Guarro
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【よく似た種との区別】
Triposporium elegans
本種より分生子の腕のサイズが大きい
本種と異なり分生子の腕が小疣状でない