2014年11月8日 (仮訳)中国南西部産の新種Strobilomyces echinocephalusおよび全世界のオニイグチ属菌を含む検索表 Gelardi, M. et al., 2013. Strobilomyces echinocephalus sp. nov. (Boletales) from south-western China, and a key to the genus Strobilomyces worldwide. Mycological Progress. …. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-012-0865-3 [Accessed November 7, 2014]. 【R3-01263】2014/11/08投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国雲南省で採集されたオニイグチ属菌を検討し、Strobilomyces echinocephalusとして新種記載した。 本種はCastanopsis orthacanthaの樹下に発生し、子実体は小型~中型で細長く、担子胞子の装飾が完全な網目状であることなどで特徴づけられた。 また、Heimiella nigricansに対して新学名Strobilomyces zangiiを提唱し、全世界のオニイグチ属菌を網羅する検索表を掲載した。 中国雲南省昆明市西山区筇竹寺 (新種) Strobilomyces echinocephalus Gelardi & Vizzini 語源…トゲの傘(頭)の(傘表面の鱗片より) 【よく似た種との区別】 Strobilomyces atrosquamosus 中国雲南省に分布する 子実体の外見が類似している 傘のサイズが類似している 傘が直立するトゲ状の鱗片に覆われる 柄につばを欠く 肉に赤変性を欠く 担子胞子のサイズの範囲が重なる 担子胞子の装飾がよく発達した完全な網目状 本種より子実体のサイズが小さい 本種より子実体ががっしりとしている 本種より傘の鱗片のサイズが小さい 本種と異なり傘の鱗片が帯黒褐色ではなく帯黒色 本種と異なり傘の鱗片が散在するのではなく密に分布する 本種と異なり柄に縦条線がなくほぼ平滑 本種と異なり柄がほぼ完全に綿毛状~羊毛状菌糸に覆われるのではなく全体が非常に細かい粉状 本種より縁シスチジアのサイズが小さい Strobilomyces confusus(オニイグチモドキ) 中国に分布する 肉眼的形態が類似している 本種と異なり柄の頂部が微かに網目状模様になる 本種と異なりつばを持つ 本種と異なり肉が帯黒色に変色するのではなく速やかに帯赤橙色、のちに黒色に変色する 本種と異なり担子胞子の装飾が完全な網目状ではなく疣状~類とさか状 RPB1およびITS2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードBではなくクレードAに含まれる) Strobilomyces parvirimosus 中国に分布する 担子胞子の装飾が完全な網目状 本種と異なり傘表面の装飾が大きく平らなパッチ状 本種より担子器が短い 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい Strobilomyces subnigricans 中国に分布する 担子胞子の装飾が完全な網目状 本種と異なりシイ属ではなくモミ属およびタケの樹下に発生する 本種と異なり傘が類白色ではなく帯黒色~黒色 本種と異なり傘が無毛 本種より柄が細長い 本種と異なり柄に菌糸を伴わずほぼ無毛 本種より担子胞子のサイズがかなり大きい 本種より縁シスチジアのサイズが小さい Strobilomyces glabellus 中国に分布する 担子胞子の装飾が完全な網目状 本種と異なり傘が類白色ではなく帯黒色~黒色 本種と異なり傘が無毛 本種と異なり柄に菌糸を伴わずほぼ無毛 本種より縁シスチジアのサイズが小さい Strobilomyces mollis(ヒメオニイグチ) 顕微鏡的形質が非常に類似している 本種と異なり中国ではなくマレーシアに分布する 本種と異なり傘が類白色ではなく暗紫色~汚褐色 本種と異なり柄が帯灰白色ではなく暗紫色~汚褐色 本種と異なり柄の頂部に細長い網目の短い網状装飾を有する 本種と異なり柄の上部に被膜の名残を伴う 本種と異なり肉が帯黒色に変色するのではなく速やかに鈍赤色に、のちに暗色に変色する Strobilomyces strobilaceus(オニイグチ) RPB1およびITS2に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードBに含まれる) 本種と異なり中国ではなくヨーロッパに分布する 本種より子実体のサイズが明らかに大きい 本種と異なり傘の地の色が類白色ではなく帯黒色 本種と傘の鱗片の形態が異なる 本種ほど柄表面を覆う羊毛状~綿毛状の菌糸が明瞭でない 本種と異なり柄に鞘状のつばを有する 本種と異なり柄の基部に類白色の綿毛状菌糸を欠く 本種と異なり肉が帯黒色に変色するのではなく赤変しのちに緩やかに黒変する 本種より担子器が長い 本種より担子胞子のサイズがやや大きい 本種よりシスチジアのサイズが大きい 本種より傘表皮の末端細胞の幅が狭い RPB1およびITS2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Strobilomyces mirandus(トライグチ) 東アジアに分布する 担子胞子の装飾がよく発達した完全な網目状 RPB1およびITS2に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードBに含まれる) 本種と異なり傘が類白色ではなく黄金色・黄金橙色・黄金黄褐色でのちに過熟すると褐色~帯黒色 本種より傘の鱗片のサイズが小さい 本種と異なりつばを有する 本種と異なり肉が帯黒色ではなく帯赤色、のちに黒色に変色する 本種より担子胞子のサイズが小さい RPB1およびITS2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新学名) Strobilomyces zangii Gelardi 旧名:Heimiella nigricans M. Zang 語源…臧穆教授(故人)に献名