(仮訳)韓国産のS. strobilaceus複合種の新種Strobilomyces pteroreticulosporus、およびS. confususの変異について
Antonin, V. et al., 2015. Strobilomyces pteroreticulosporus (Boletales), a new species of the S. strobilaceus complex from the Republic of Korea and remarks on the variability of S. confusus. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.219.1.6 [Accessed January 20, 2021] 【R3-08070】2021/1/20投稿

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3行まとめ

韓国慶尚南道で採集された菌を検討し、Strobilomyces pteroreticulosporusとして新種記載した。
本種は子実体が中型で角錐形の鱗片に覆われ、つばが幼時発達し、肉が黒変し、担子胞子が大型で丈の高い網目状であることなどで特徴づけられた。
また、S. confususのサイズおよび担子胞子の装飾の変異を記述した。
韓国慶尚南道咸陽郡咸陽山林

(新種)

Strobilomyces pteroreticulosporus Antonín & Vizzini
語源…翼と網目の胞子の(担子胞子の装飾から)
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【よく似た種との区別】
Strobilomyces strobilaceus(オニイグチ)
担子胞子表面が網目状
ITS2およびrpb1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)×本種と異なり韓国ではなくヨーロッパなどに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より子実体が肉質である
本種より柄が短い
本種より担子器が長い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より子実層シスチジアが長い
ITS2およびrpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Strobilomyces mollis(ヒメオニイグチ)
アジアに分布する
本種と異なり韓国ではなくマレーシアなどに分布する
本種と異なり傘表面が暗ワイン色~汚褐色の直立する鱗片状
本種と異なり柄表面がいくぶん羊毛状~小鱗片状
本種と異なり柄の上から1/3の部分に被膜の名残を有する
本種より担子胞子のサイズが小さい
Strobilomyces alpinus
本種と異なり傘表面が帯黒紫色の鱗片状
本種と異なり柄表面が平滑
本種と異なりつばを欠く
本種と異なり肉が赤変しない
本種より担子胞子のサイズが大きい
Strobilomyces echinocephalus
アジアに分布する
担子胞子表面が網目状
ITS2およびrpb1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なり韓国ではなく中国およびインドに分布する
本種より傘のサイズが小さい
本種より管孔の丈が低い
本種より柄のサイズが小さい
本種と異なりつばを欠く
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
ITS2およびrpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Strobilomyces seminudus(コオニイグチ)
韓国に分布する
本種と異なり日本における分布が知られている
本種と異なり傘表面が綿毛状から綿毛状小鱗片状の圧着したパッチ状の鱗片に覆われる
本種より管孔の丈が低い
本種より担子胞子のサイズが顕著に小さい
本種と異なり担子胞子表面が網目状ではなく不規則な瘤状および類鶏冠状
ITS2およびrpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード1ではなく2に含まれる)
Strobilomyces mirandus(トライグチ)
アジアに分布する
ITS2およびrpb1に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なり日本、台湾、東南アジアにおける分布が知られている
本種と異なり傘が黄金褐色~黄金橙色
本種と異なりつばが羊毛状で希薄
本種より担子胞子のサイズが顕著に小さい
ITS2およびrpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Strobilomyces confusus(オニイグチモドキ)
韓国に分布する
本種と異なり北米、中米、東南アジアにおける分布が知られている
本種より柄の幅が顕著に狭い
本種と異なり担子胞子表面が網目状ではなく小疣状または鶏冠状で時に不完全な丈の低い網目状
ITS2およびrpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード1ではなく2に含まれる)

(その他掲載種)

Strobilomyces confusus Singer
オニイグチモドキ
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【よく似た種との区別】
Strobilomyces pteroreticulosporus
韓国に分布する
本種と異なり北米、中米、東南アジアにおける分布が知られていない
本種より柄の幅が顕著に広い
本種と異なり担子胞子表面が小疣状または鶏冠状で時に不完全な丈の低い網目状ではなく網目状
ITS2およびrpb1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード2ではなく1に含まれる)