(仮訳)アフリカ産イボタケ型菌類の研究 (1):Tomentella capitataおよびTomentella brunneocystidia、ベナン産の頭状シスチジアを有する2新種
Yorou, NS. et al., 2007. Studies in African thelephoroid fungi: 1. Tomentella capitata and Tomentella brunneocystidia, two new species from Benin (West Africa) with capitate cystidia. Mycological Progress. Available at: https://doi.org/10.1007/s11557-006-0519-4 [Accessed May 27, 2018].
【R3-05162】2018/5/28投稿

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3行まとめ

ベナンからTomentella capitataおよびT. brunneocystidiaの2新種を記載した。
両種は非常に近縁で、子実体形成菌糸層の菌糸および担子胞子の形態が類似する一方、シスチジアの形態が異なっていた。
両新種を含む、シスチジアを有するラシャタケ属菌の検索表を掲載した。
Benin, central part, Borgou Province, reserved forest of Wari – Maro, Wari – Maro site

(新種)

Tomentella capitata Yorou & Agerer
語源…頭状の(シスチジアの形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Tomentella brunneocystidia
ベナンに分布する
樹皮や材に生じる
子実体が基質から分離可能
子実層面が小粒状~粉状
根状菌糸束が暗色
担子胞子が正面視で三角形~浅裂状、側面視で楕円形
子実体形成菌糸層の菌糸の幅が類似している
子実体形成菌糸層の菌糸が厚壁
根状菌糸束表面の菌糸が不規則な形状をとる
根状菌糸束の菌糸構成が1菌糸型
根状菌糸束表面の菌糸が薄壁
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層の若い菌糸がアミロイドなのではなくメルツァー陰性
本種より子実下層の菌糸の幅が広い
本種と異なり子実下層の若い菌糸がアミロイドなのではなくメルツァー陰性
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
本種より担子胞子の刺が顕著に短い
本種よりシスチジアが長い
本種と異なりシスチジアが顕著な頭状ではなく偽頭状
本種と異なりシスチジアを暗褐色の色素/結晶が覆うという特徴を欠く
本種と異なりシスチジアの内容物が暗青色~暗緑色または無色
本種と異なり根状菌糸束にシスチジアを欠く
本種と異なり菌糸が淡褐色~褐色ではなく淡黄色~黄色
本種と異なり菌糸が僅かにパッチ状のアミロイドを呈するのではなくメルツァー陰性
本種と異なり子実体形成菌糸層の菌糸に被覆物を伴う
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tomentella pilosa
シスチジアが頭状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりベナンではなくエストニア、コスタリカ、米国などに分布する
本種よりシスチジアのサイズが大きい
本種と異なり根状菌糸束の菌糸構成が1菌糸型ではなく2菌糸型
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tomentella viridula
シスチジアが頭状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりベナンではなくスウェーデンなどに分布する
本種よりシスチジアのサイズが大きい
本種と異なり根状菌糸束を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Benin, central part, Borgou Province, reserved forest of Wari – Maro, Wari – Maro site

(新種)

Tomentella brunneocystidia Yorou & Agerer
語源…褐色のシスチジアの(内容物の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Tomentella capitata
ベナンに分布する
樹皮や材に生じる
子実体が基質から分離可能
子実層面が小粒状~粉状
根状菌糸束が暗色
担子胞子が正面視で三角形~浅裂状、側面視で楕円形
子実体形成菌糸層の菌糸の幅が類似している
子実体形成菌糸層の菌糸が厚壁
根状菌糸束表面の菌糸が不規則な形状をとる
根状菌糸束の菌糸構成が1菌糸型
根状菌糸束表面の菌糸が薄壁
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層の若い菌糸がメルツァー陰性ではなくアミロイド
本種より子実下層の菌糸の幅が狭い
本種と異なり子実下層の若い菌糸がメルツァー陰性ではなくアミロイド
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種より担子胞子の刺が顕著に長い
本種よりシスチジアが短い
本種と異なりシスチジアが偽頭状ではなく顕著な頭状
本種と異なりシスチジアを暗褐色の色素/結晶が覆う
本種と異なりシスチジアの内容物が暗青色~暗緑色または無色という特徴を欠く
本種と異なり根状菌糸束にシスチジアを有する
本種と異なり菌糸が淡黄色~黄色ではなく淡褐色~褐色
本種と異なり菌糸がメルツァー陰性ではなく僅かにパッチ状のアミロイドを呈する
本種と異なり子実体形成菌糸層の菌糸に被覆物を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tomentella pilosa
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりベナンではなくエストニア、コスタリカ、米国などに分布する
本種と異なりシスチジアが偽頭状ではなく頭状
本種と異なり根状菌糸束の菌糸構成が1菌糸型ではなく2菌糸型
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tomentella muricata
本種よりシスチジアが長い
本種よりシスチジアの幅が狭い
本種と異なりシスチジアが偽頭状ではなく棍棒形
Tomentella clavigera
本種と異なり根状菌糸束を欠く
本種よりシスチジアが長い
本種よりシスチジアの幅が狭い
本種と異なりシスチジアが偽頭状ではなく棍棒形
Tomentella subclavigera
本種と異なり根状菌糸束を欠く
本種よりシスチジアが長い
本種よりシスチジアの幅が狭い
本種と異なりシスチジアが偽頭状ではなく棍棒形