(仮訳)狭義Spongipellis属菌の研究
Viacheslav, S. et al., 2022. Studies in Spongipellis sensu stricto (Polyporales, Basidiomycota). Lilloa. Available at: https://www.lillo.org.ar/journals/index.php/lilloa/article/view/1670/1702 [Accessed November 3, 2022] 【R3-10025】2022/11/3投稿

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3行まとめ

Spongipellis属菌の分類を再検討し、本属がトンビマイタケ科に含まれ5種からなることを示した。
そのうちロシア、ハバロフスク州からS. variisporaを新種記載し、新組み合わせS. profissilisを提唱した。
北米産のS. occidentalisを別個の種として再記載した。
Russia, Khabarovsk Reg., Khabarovsk, City Arboretum

(新種)

Spongipellis variispora Spirin, Miettinen & Vlasák
語源…変異のある胞子の(担子胞子の形態から)
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【よく似た種との区別】
Spongipellis profissilis
中国およびロシアに分布する
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスロバキア、チェコにおける分布が知られている
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子の嘴状突起がしばしば腹側にあるという特徴を欠く
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Spongipellis spumea
ロシアに分布する
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチェコ、フィンランド、フランスにおける分布が知られている
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子の嘴状突起がしばしば腹側にあるという特徴を欠く
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Spongipellis occidentalis
形態的に類似している
本種より担子胞子のサイズの変異がずっと小さい
本種と異なり担子胞子の嘴状突起がかなりしばしば非対称になるか腹側に生じることもあるのではなく典型的な位置
本種より担子胞子の嘴状突起のサイズが小さい
本種より実質菌糸の幅が広い
Spongipellis ambiens
ロシアおよび中国に分布する
孔口が小型
担子胞子のサイズがこの種の幼菌とほぼ同一の場合がある
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体の断面がいくぶん三角形であるという特徴を欠く
本種と異なり子実体縁部が鈍いのではなく鋭い
本種より傘が薄い
本種と異なり傘が扇形
本種と異なり傘表面の毛がある場合規則的に配列しないのではなく、毛が少なくとも基部で放射状に配列する
本種より担子胞子の平均サイズが小さい
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russia, Krasnoyarsk Reg., Yeniseisk

(その他掲載種)

Spongipellis ambiens P. Karsten
※本種のネオタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Spongipellis variispora
ロシアおよび中国に分布する
孔口が小型
担子胞子のサイズがこの種の幼菌とほぼ同一の場合がある
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体の断面がいくぶん三角形である
本種と異なり子実体縁部が鋭いのではなく鈍い
本種より傘が厚い
本種と異なり傘が扇形でない
本種と異なり傘表面の毛が少なくとも基部で放射状に配列するのではなく、毛がある場合規則的に配列しない
本種より担子胞子の平均サイズが大きい
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Spongipellis occidentalis Murrill
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【よく似た種との区別】
Spongipellis variispora
形態的に類似している
本種より担子胞子のサイズの変異がずっと大きい
本種と異なり担子胞子の嘴状突起が典型的な位置ではなくかなりしばしば非対称になるか腹側に生じることもある
本種より担子胞子の嘴状突起のサイズが大きい
本種より実質菌糸の幅が狭い
Spongipellis spumea
担子胞子のサイズがほぼ同一
本種と異なり北米ではなくヨーロッパなどに分布する
本種より孔口のサイズが大きい

(新組み合わせ)

Spongipellis profissilis (Lloyd) Spirin & Vlasák
旧名:Polyporus profissilis Lloyd
イロヅキタケ
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【よく似た種との区別】
Spongipellis variispora
中国およびロシアに分布する
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスロバキア、チェコにおける分布が知られていない
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の嘴状突起がしばしば腹側にある
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Spongipellis spumea
アジアに分布する
子実体が大型
子実体縁部が鈍い
子実体が多汁質である
孔口が比較的大型
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヤマナラシ属に限って生じるのではなくカエデ属、トチノキ属、シナノキ属、ニレ属植物などにも生じる
本種より担子器がほとんどの場合小さい
本種より担子胞子が明らかに短い
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なりシスチジオールを欠くのではなく有する
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Finland, Uusimaa, Helsinki, Punavuori, Tehtaanpuisto

(その他掲載種)

Spongipellis spumea (Sowerby) Pat.
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Spongipellis variispora
ロシアに分布する
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチェコ、フィンランド、フランスにおける分布が知られていない
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の嘴状突起がしばしば腹側にある
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Spongipellis profissilis
アジアに分布する
子実体が大型
子実体縁部が鈍い
子実体が多汁質である
孔口が比較的大型
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカエデ属、トチノキ属、シナノキ属、ニレ属などにも生じるのではなくヤマナラシ属植物に限って生じる
本種より担子器がほとんどの場合大きい
本種より担子胞子が明らかに長い
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なりシスチジオールを有するのではなく欠く
ITS+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Spongipellis occidentalis
担子胞子のサイズがほぼ同一
本種と異なりヨーロッパなどではなく北米に分布する
本種より孔口のサイズが小さい