(仮訳)Basidiodendron caesiocinereum複合種の研究
Spirin, V. et al., 2021. Studies in the Basidiodendron caesiocinereum complex (Auriculariales, Basidiomycota). Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s11557-021-01724-6.pdf [Accessed October 22, 2021] 【R3-08893】2021/10/22投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

Basidiodendron caesiocinereum複合種の再検討を実施した。
ユーラシア、北米、アフリカ産標本を基に、本種に関連するB. glaucumなどの8新種を記載した。
また、B. trachysporumB. cinerellumの2新組み合わせを導入し、本属の検索表を掲載した。
Norway, Nord-Trøndelag, Snåsa, Blåfella

(新種)

Basidiodendron glaucum Spirin & K.H. Larss.
語源…帯青灰色の(子実体の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron globisporum
生態学的選好性が同一である
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種ほど担子胞子の嘴状突起が目立たない
Basidiodendron robenae
形態的にほとんど識別できないほど類似している
担子胞子表面が平滑
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりユーラシア大陸ではなく北米などに分布する
本種と異なりほぼ常に針葉樹に生じるのではなく常に被子植物に生じる
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Basidiodendron caesiocinereum
ユーラシア大陸北部に分布する
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子表面が平滑
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりほぼ常に針葉樹ではなく被子植物に生じる
本種より担子器が長い
本種と異なり担子器に長い柄状の基部を有することがある
本種より担子胞子の平均サイズが大きい
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Netherlands, Groningen, Lauwersoog, Ballastplaatbos

(新種)

Basidiodendron groningae Schoutteten & Spirin
語源…グロニンガ(フローニンゲン)の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron spinosum
担子器が露出する
担子胞子表面が刺状
本種と異なりオランダではなくオセアニアなどに分布する
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
Basidiodendron mexicanum
担子器が露出する
担子胞子表面が刺状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオランダではなくメキシコに分布する
本種ほど担子胞子の刺状装飾が顕著でない
本種より担子胞子の刺の丈が低い
本種と異なりハイフィディアを有する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Washington, Clallam Co., Willoughby Creek

(新種)

Basidiodendron inconspicuum Spirin & V. Malysheva
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron trachysporum
北米に分布する
ほとんどの場合裸子植物に生じる
子実体が蝋質
子実層がしばしばゼラチン化する
子実下層菌糸が通常ほとんど認識されず互いに癒着する
担子器が露出する
担子胞子表面が疣状
グレオシスチジアが先細りになる
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりユーラシアに分布しない
本種より担子胞子の平均サイズが大きい
本種より担子胞子の疣状装飾が顕著
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Basidiodendron caesiocinereum
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子胞子表面が疣状ではなく平滑
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mexico, Vera Cruz, Cofre de Perote, Mpio de Xico, El Revolcadera

(新種)

Basidiodendron mexicanum Spirin & V. Malysheva
語源…メキシコの
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron spiculosum
メキシコに分布する
担子器が露出する
担子胞子表面が刺状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコの高原地域ではなく亜熱帯域に分布する
本種と異なり裸子植物ではなくシダに生じる
本種より子実体が厚い
本種より担子器のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種よりグレオシスチジアが長い
本種と異なりハイフィディアを欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Basidiodendron groningae
担子器が露出する
担子胞子表面が刺状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなくオランダに分布する
本種より担子胞子の刺状装飾が顕著である
本種より担子胞子の刺の丈が高い
本種と異なりハイフィディアを欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Basidiodendron widdringtoniae
担子胞子表面が刺状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなくマラウイに分布する
本種より子実体が厚い
本種と異なり担子器が露出するのではなく癒着して集まりをなす
本種よりグレオシスチジアが長い
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, New York, Essex Co., Arbutus Lake

(新種)

Basidiodendron robenae Spirin & Miettinen
語源…本属のモノグラフを最初に著したRobena Luck-Allen氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron glaucum
形態的にほとんど識別できないほど類似している
担子胞子表面が平滑
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米北東部ではなくユーラシア大陸に分布する
本種と異なり被子植物ではなくほぼ常に針葉樹に生じる
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mexico, Vera Cruz, Xalapa, Botanical Garden

(新種)

Basidiodendron spiculosum Spirin & Ryvarden
語源…刺状の(担子胞子の装飾から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron mexicanum
メキシコに分布する
担子器が露出する
担子胞子表面が刺状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコの亜熱帯域ではなく高原地域に分布する
本種と異なりシダではなく裸子植物に生じる
本種より子実体が薄い
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種よりグレオシスチジアが短い
本種と異なりハイフィディアを有する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russia, Nizhny Novgorod Reg., Lukoyanov Dist., Sanki

(新種)

Basidiodendron walleynii Spirin, V. Malysheva & Schoutteten
語源…フランスの菌学者、Ruben Walleyn氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron cinerellum
ヨーロッパに分布する
担子胞子表面が疣状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が淡色ではなくしばしば少なくとも部分的に汚い帯灰色または帯黄褐色~帯褐色である
本種と異なり子実体が乾燥しているのではなくいくぶん明瞭にゼラチン化する
本種と異なり子実層がゼラチン化しないのではなくゼラチン化する
本種と異なり子実下層がよく分化するという特徴を欠く
本種と異なり担子器が癒着して集まりをなす
本種と異なり担子器の細胞をシアノフィリックなゼラチン状の物質が覆う
本種と異なり担子器が厚壁
本種と異なりグレオシスチジアが明瞭に突出するという特徴を欠く
本種と異なりグレオシスチジアが様々な形状をとるという特徴を欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Basidiodendron trachysporum
ヨーロッパに分布する
担子胞子表面が疣状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり落葉樹に生じるという特徴を欠く
本種より子実体が薄い
本種と子実体の形状が異なる
本種と異なり子実体が乾燥しているのではなく蝋質
本種と異なり子実下層がよく分化するという特徴を欠く
本種と異なり子実下層の菌糸がよく見えるのではなくほとんど認識できない
本種と異なりシスチジアが明瞭に突出するという特徴を欠く
本種よりシスチジアの幅が狭い
本種よりグレオシスチジアの幅が狭い
本種と異なりグレオシスチジアが管状~棍棒形ではなく先細り
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Malawi, Southern Prov., Mulanje, Lichenya Plateau

(新種)

Basidiodendron widdringtoniae Spirin, V. Malysheva & Ryvarden
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron mexicanum
担子胞子表面が刺状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマラウイではなくメキシコに分布する
本種より子実体が薄い
本種と異なり担子器が癒着して集まりをなすのではなく露出する
本種よりグレオシスチジアが短い
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Basidiodendron spinosum (L.S. Olive) Wojewoda
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron groningae
担子器が露出する
担子胞子表面が刺状
本種と異なりオセアニアなどではなくオランダに分布する
本種より担子器のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい

(新組み合わせ)

Basidiodendron trachysporum (Bourdot & Galzin) Spirin, M. Weiß & Miettinen
旧名:Bourdotia cinerella var. trachyspora Bourdot & Galzin
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron inconspicuum
北米に分布する
ほとんどの場合裸子植物に生じる
子実体が蝋質
子実層がしばしばゼラチン化する
子実下層菌糸が通常ほとんど認識されず互いに癒着する
担子器が露出する
担子胞子表面が疣状
グレオシスチジアが先細りになる
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりユーラシアに分布する
本種より担子胞子の平均サイズが小さい
本種ほど担子胞子の疣状装飾が顕著でない
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Basidiodendron cinerellum
ヨーロッパに分布する
担子胞子表面が疣状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が常に類白色~帯灰色なのではなくしばしば少なくとも部分的に汚い帯灰色または帯黄褐色~帯褐色である
本種と異なり子実層が老成時時にゼラチン質になるのではなくゼラチン質
本種と異なり担子器が癒着して集まりをなす
本種と異なり担子器の細胞をシアノフィリックなゼラチン状の物質が覆う
本種と異なり担子器が厚壁
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Basidiodendron walleynii
ヨーロッパに分布する
担子胞子表面が疣状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり落葉樹に生じる
本種より子実体が厚い
本種と子実体の形状が異なる
本種と異なり子実体が蝋質ではなく乾燥している
本種と異なり子実下層がよく分化する
本種と異なり子実下層の菌糸がほとんど認識できないのではなくよく見える
本種と異なりシスチジアが明瞭に突出する
本種よりシスチジアの幅が広い
本種よりグレオシスチジアの幅が広い
本種と異なりグレオシスチジアが先細りではなく管状~棍棒形
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Basidiodendron caesiocinereum (Höhnel & Litschauer) Luck-Allen
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron glaucum
ユーラシア大陸北部に分布する
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子表面が平滑
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり被子植物ではなくほぼ常に針葉樹に生じる
本種より担子器が短い
本種と異なり担子器に長い柄状の基部を有することがあるという特徴を欠く
本種より担子胞子の平均サイズが小さい
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Basidiodendron inconspicuum
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子胞子表面が平滑ではなく疣状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Basidiodendron cinerellum (Bourdot & Galzin) Spirin & V. Malysheva
旧名:Bourdotia cinerella Bourdot & Galzin
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Basidiodendron trachysporum
ヨーロッパに分布する
担子胞子表面が疣状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体がしばしば少なくとも部分的に汚い帯灰色または帯黄褐色~帯褐色なのではなく常に類白色~帯灰色
本種と異なり子実層がゼラチン質ではなく老成時時にゼラチン質になる
本種と異なり担子器が癒着して集まりをなすという特徴を欠く
本種と異なり担子器の細胞をシアノフィリックなゼラチン状の物質が覆うという特徴を欠く
本種と異なり担子器が厚壁でない
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Basidiodendron walleynii
ヨーロッパに分布する
担子胞子表面が疣状
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体がしばしば少なくとも部分的に汚い帯灰色または帯黄褐色~帯褐色なのではなく淡色
本種と異なり子実体がいくぶん明瞭にゼラチン化するのではなく乾燥している
本種と異なり子実層がゼラチン化するのではなくゼラチン化しない
本種と異なり子実下層がよく分化する
本種と異なり担子器が癒着して集まりをなすという特徴を欠く
本種と異なり担子器の細胞をシアノフィリックなゼラチン状の物質が覆うという特徴を欠く
本種と異なり担子器が厚壁でない
本種と異なりグレオシスチジアが明瞭に突出する
本種と異なりグレオシスチジアが様々な形状をとる
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される