(仮訳)タイ産の興味深いテングタケ属3種の研究:形態解析、複数遺伝子に基づく系統解析、および毒成分解析
Thongbai, B. et al., 2017. Study of three interesting Amanita species from Thailand: Morphology, multiple-gene phylogeny and toxin analysis. PLOS ONE. Available at: http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0182131 [Accessed February 7, 2018].
【R3-04830】2018/2/7投稿

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3行まとめ

タイからAmanita ballerinaおよびA. brunneitoxicariaの2新種を記載し、タイ新産種としてA. fuligineoidesを記載した。
これらの種の毒成分をHPLC-MSでスクリーニングし、A. fuligineoidesがα-アマニチンおよびファロイジン、A. brunneitoxicariaがα-アマニチンを含むことを明らかにした。
A. ballerinaは傘に条線を持つもののタマゴテングタケ節に含まれるか、あるいはA. zangiiを含む新節をなすと考えられた。
Thailand, Chiang Mai Province, Meuang District, Doi Suthep Sub-district, Palad temple

(新種)

Amanita ballerina Raspé, Thongbai & K.D. Hyde
語源…バレリーナの(内被膜が綿毛状のスカート状であり、つぼが先細りになるシルエットから)
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【よく似た種との区別】
Amanita zangii
タイに分布する
つぼが長形~便腹形
傘表皮の構造が類似している
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国における分布が知られている
本種と異なり傘縁部が成熟時条線状ではなく縁片膜を有する
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Thailand, Songkhla Province, Hat Yai District, Kho Hong

(新種)

Amanita brunneitoxicaria Thongbai, Raspé & K.D. Hyde
語源…褐色で有毒の
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【よく似た種との区別】
Amanita fuliginea(クロタマゴテングタケ)
子実体が小型~中型
傘が暗色
傘表面が内在の”virgate”である
担子器が4胞子性
毒成分のα-アマニチンを含む
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなく中国などに分布する
本種と異なり担子胞子が球形~類球形
本種と異なり毒成分のファロイジンを含む
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita fuligineoides
タイに分布する
子実体が小型~中型
傘が暗色
傘表面が内在の”virgate”である
担子器が4胞子性
致死的な毒成分を含む
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国などにおける分布が知られている
本種と異なり柄が白色~淡い帯灰褐色ではなく帯褐色
本種と異なり柄表面が小鱗片に覆われて同心円あるいは螺旋模様をなす
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita griseorosea
傘が暗色
致死的な毒成分を含む
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなく中国などに分布する
本種と異なり襞が帯桃色
本種と異なりつばが中位に位置する
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita subfuliginea
子実体が小型~中型
傘が暗色
傘表面が内在の”virgate”である
担子器が4胞子性
致死的な毒成分を含む
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなく中国などに分布する
本種と異なり柄が白色~淡い帯灰褐色ではなく帯褐色
本種と異なり柄表面が小鱗片に覆われて同心円あるいは螺旋模様をなす
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita alauda
傘が暗色
致死的な毒成分を含む
本種と異なりタイではなくシンがポールなどに分布する
Amanita elephas
傘が暗色
致死的な毒成分を含む
本種と異なりタイではなくシンがポールなどに分布する
Amanita privigna
傘が暗色
致死的な毒成分を含む
本種と異なりタイではなくシンがポールなどに分布する

(タイ新産種)

Amanita fuligineoides P. Zhang & Zhu L. Yang
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【よく似た種との区別】
Amanita brunneitoxicaria
タイに分布する
子実体が小型~中型
傘が暗色
傘表面が内在の”virgate”である
担子器が4胞子性
致死的な毒成分を含む
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国などにおける分布が知られていない
本種と異なり柄が帯褐色ではなく白色~淡い帯灰褐色
本種と異なり柄表面が小鱗片に覆われて同心円あるいは螺旋模様をなすという特徴を欠く
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita fuliginea(クロタマゴテングタケ)
中国、タイに分布する
傘が暗灰色~灰褐色
毒成分としてα-アマニチンおよびファロイジンを含む
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本における分布が知られている
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita griseorosea
傘が暗灰色~灰褐色
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita subfuliginea
傘が暗灰色~灰褐色
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で近縁
β-チューブリン+rpb2およびβ-チューブリン+rpb2+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される