2016年3月4日 (仮訳)キヒダタケ属菌の研究 (1):新熱帯および北米産の種 Neves, MA. & Halling, RE., 2010. Study on species of Phylloporus I: Neotropics and North America. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/102/4/923.short [Accessed March 4, 2016]. 【R3-02711】2016/03/04投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 新熱帯産のキヒダタケ属菌17種について、記載文およびイラストを掲載し、検索表を作成した。 コスタリカのオーク林で採集された本属菌の一種を検討し、Phylloporus alborufusとして新種記載した。 また、新世界産の24分類群について、分布および可能性のある宿主の一覧を掲載した。 Costa Rica, San José, San Gerardo de Dota, ±5 km southwest of Cerro de la Muerte, Albergue de la Montaña, Savegre (新種) Phylloporus alborufus M.A. Neves & Halling 語源…白色と赤色の(子実体基部の菌糸体と傘の色から) 【よく似た種との区別】 Phylloporus leucomycelinus 傘が赤褐色 傘表面がNH4で青緑色~青色に呈色する 子実体基部の菌糸体が白色 本種ほど傘が明るい赤色でない 本種と異なり肉に変色性を欠くのではなく青変する 本種より担子胞子が僅かに長い 本種よりシスチジアが短い 本種よりシスチジアの幅が広い 本種と異なりシスチジアが槍形ではなくアンプル形 本種と異なりシスチジアの一部に色素結晶を伴うことがあるという特徴を欠く (その他掲載種) Phylloporus arenicola A.H. Sm. & Trappe 【よく似た種との区別】 Phylloporus rhodoxanthus(オオミノミヤマキヒダタケ) 米国に分布する 本種より普通種である 本種と異なりマツ属ではなくコナラ属植物を宿主とする 本種と異なり砂質土壌に生じることがない 本種より子実体のサイズが一般的に大きい 本種と異なり傘がオリーブ色ではなく褐色 (その他掲載種) Phylloporus aurantiacus Halling & G.M. Muell. 【よく似た種との区別】 Phylloporus coccineus 子実体基部に黄色の菌糸体を伴う 肉が黄色 担子胞子が卵形 本種と異なりコスタリカではなくシンガポールなどに分布する 本種と異なり肉に青変性を有する 本種より担子胞子のサイズが大きい (その他掲載種) Phylloporus bellus (Massee) Corner キヒダタケ 【よく似た種との区別】 Phylloporus centroamericanus 子実体基部の菌糸体が白色 傘が鈍褐色 子実層托が襞状 肉に通常変色性を欠く 本種と異なり傘表面がNH4で青色ではなく青紫色に呈色する 本種と異なりシスチジアが薄壁ではなく厚壁 (その他掲載種) Phylloporus boletinoides A.H. Sm. & Thiers (その他掲載種) Phylloporus caballeroi Singer (その他掲載種) Phylloporus centroamericanus Singer & L.D. Gómez 【よく似た種との区別】 Phylloporus bellus(キヒダタケ) 子実体基部の菌糸体が白色 傘が鈍褐色 子実層托が襞状 肉に通常変色性を欠く 本種と異なり傘表面がNH4で青紫色ではなく青色に呈色する 本種と異なりシスチジアが厚壁ではなく薄壁 (その他掲載種) Phylloporus colligatus M.A. Neves & T.W. Henkel 【よく似た種との区別】 Phylloporus fibulatus 新熱帯に分布する 子実体基部の菌糸体が黄色 本種と傘の色が異なる 本種と異なり傘表面がNH4陽性ではなく陰性 本種より子実層托が襞状ではなく類管孔状 本種と異なり肉に青変性を有する 本種と異なりシスチジアが便腹形~偽頭状ではなく紡錘形~円筒形 本種と子実体のクランプの量が異なる Phylloporus phaeoxanthus 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 本種と異なり襞が傷つくと青変するのではなく変色しない 本種と異なりシスチジアに結晶を伴う Phylloporus phaeoxanthus var. simplex 形態的に類似している(混同のおそれがある) 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 本種と異なり担子器の基部にクランプを有さない 本種と異なりシスチジアが紡錘状でない Phylloporus pseudopaxillus 子実体にクランプを有する 本種と異なりガイアナではなくアフリカなどに分布する 本種より子実体のサイズが大きい 本種より担子胞子が長い 本種と異なり子実体の全ての部分にクランプを有する Phylloporus foliiporus 子実体基部の菌糸体が黄色 クランプを有する 本種と異なり傘表面がNH4で初め青色でのちにワイン色なのではなく青緑色を呈する 本種と異なり肉に青変性を有する 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なりシスチジアが蜜色 Phylloporus scabripes 襞が傷つくと青変する 肉に変色性を欠く 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 本種と異なり柄が無毛ではなくやや粗面 本種と異なり担子器基部にクランプを欠く (その他掲載種) Phylloporus fibulatus Singer, Ovrebo & Halling 【よく似た種との区別】 Phylloporus colligatus 新熱帯に分布する 子実体基部の菌糸体が黄色 本種と傘の色が異なる 本種と異なり傘表面がNH4陰性ではなく陽性 本種ほど子実層托が類管孔状ではなく襞状 本種と異なり肉に青変性を欠く 本種と異なりシスチジアが紡錘形~円筒形ではなく便腹形~偽頭状 本種と子実体のクランプの量が異なる Phylloporus pumilus 子実層托が明らかに類管孔状 本種と異なりコロンビアではなくインドネシアなどに分布する 本種より子実体のサイズがずっと小さい 本種と異なり子実体にクランプを欠く Phylloporus paxillus 本種ほど子実層托が類管孔状ではなく襞状 本種より担子胞子のサイズが大きい Phylloporus foliiporus 肉に青変性を有する 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 クランプを有する 本種と異なり傘表面がNH4で褐変するのではなく青緑色を呈する 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なりシスチジアが蜜色 本種よりクランプの量が少ない (その他掲載種) Phylloporus foliiporus (Murrill) Singer 【よく似た種との区別】 Phylloporus fibulatus 肉に青変性を有する 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 クランプを有する 本種と異なり傘表面がNH4で青緑色を呈するのではなく褐変する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なりシスチジアが蜜色でない 本種よりクランプの量が多い Phylloporus colligatus 子実体基部の菌糸体が黄色 クランプを有する 本種と異なり傘表面がNH4で青緑色を呈するのではなく初め青色でのちにワイン色 本種と異なり肉に青変性を欠く 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なりシスチジアが蜜色でない Phylloporus pseudopaxillus クランプを有する 本種と異なり日本および米国ではなくアフリカなどに分布する 本種よりクランプの量が多い Phylloporus cyanescens 形態的に類似している(同種とされたこともある) 縁シスチジアに蜜色の内容物を含むことがある 本種よりシスチジアが長い 本種と異なり側シスチジアに蜜色の内容物を含まない (その他掲載種) Phylloporus guzmanii Montoya & Bandala 【よく似た種との区別】 Phylloporus coccineus 形態的に類似している(この種に同定されたことがある) 本種より側シスチジアの幅が広い 本種より縁シスチジアのサイズが大きい 本種より傘上表皮の細胞が短い (その他掲載種) Phylloporus leucomycelinus Singer 【よく似た種との区別】 Phylloporus rhodoxanthus(オオミノミヤマキヒダタケ) 同所的に分布する(米国東部) 形態的に類似している(混同されてきた) 本種と異なり子実体基部の菌糸体が白色ではなく黄色 Phylloporus alborufus 傘が赤褐色 傘表面がNH4で青緑色~青色に呈色する 子実体基部の菌糸体が白色 本種より傘が明るい赤色 本種と異なり肉が青変するのではなく変色性を欠く 本種より担子胞子が僅かに短い 本種よりシスチジアが長い 本種よりシスチジアの幅が狭い 本種と異なりシスチジアがアンプル形ではなく槍形 本種と異なりシスチジアの一部に色素結晶を伴うことがある (その他掲載種) Phylloporus phaeoxanthus Singer & L.D. Gómez 【よく似た種との区別】 Phylloporus colligatus 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 本種と異なり襞が傷ついても変色しないのではなく青変する 本種と異なりシスチジアに結晶を伴わない Phylloporus rhodoxanthus(オオミノミヤマキヒダタケ) 傘が褐色 襞が傷ついても変色しない 肉に変色性を欠く 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 担子胞子が非アミロイド シスチジアに結晶を伴う 本種と異なり柄表皮が鎖生する細胞ではなく円筒状の菌糸からなる Phylloporus phaeoxanthus var. simplex 傘が褐色 襞が傷ついても変色しない 肉に変色性を欠く 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 本種と異なり担子胞子が非アミロイドではなくデキストリノイド 本種より子実層シスチジアのサイズに変異が大きい 本種より子実層シスチジアの形状に変異が大きい 本種と異なり子実層シスチジアが厚壁ではなく薄壁 本種と異なり子実層シスチジアに結晶を伴わない (その他掲載種) Phylloporus phaeoxanthus var. simplex Singer & L.D. Gómez 【よく似た種との区別】 Phylloporus phaeoxanthus 傘が褐色 襞が傷ついても変色しない 肉に変色性を欠く 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 本変種と異なり担子胞子がデキストリノイドではなく非アミロイド 本変種ほど子実層シスチジアのサイズに変異が大きくない 本変種ほど子実層シスチジアの形状に変異が大きくない 本変種と異なり子実層シスチジアが薄壁ではなく厚壁 本変種と異なり子実層シスチジアに結晶を伴う Phylloporus colligatus 形態的に類似している(混同のおそれがある) 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 本変種と異なり担子器の基部にクランプを有する 本変種と異なりシスチジアが紡錘状 (その他掲載種) Phylloporus rhodoxanthus (Schwein.) Bres. オオミノミヤマキヒダタケ 【よく似た種との区別】 Phylloporus arenicola 米国に分布する 本種ほど普通種でない 本種と異なりコナラ属ではなくマツ属植物を宿主とする 本種と異なり砂質土壌に生じることがある 本種より子実体のサイズが一般的に小さい 本種と異なり傘が褐色ではなくオリーブ色 Phylloporus leucomycelinus 同所的に分布する(米国東部) 形態的に類似している(混同されてきた) 本種と異なり子実体基部の菌糸体が黄色ではなく白色 Phylloporus phaeoxanthus 傘が褐色 襞が傷ついても変色しない 肉に変色性を欠く 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 担子胞子が非アミロイド シスチジアに結晶を伴う 本種と異なり柄表皮が円筒状の菌糸ではなく鎖生する細胞からなる (その他掲載種) Phylloporus scabripes B. Ortiz & Neves 【よく似た種との区別】 Phylloporus colligatus 襞が傷つくと青変する 肉に変色性を欠く 子実体基部の菌糸体が黄色 担子胞子が紡錘状 本種と異なり柄がやや粗面ではなく無毛 本種と異なり担子器基部にクランプを有する