(仮訳)新種Talaromyces columbinusおよびTalaromyces属クレード2aのgenealogical concordance解析
Peterson, S. & Jurjević, Ž., 2013. Talaromyces columbinus sp. nov., and Genealogical Concordance Analysis in Talaromyces Clade 2a. PloS one. Available at: http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0078084.g006 [Accessed March 2, 2014].
【R3-00451】2014/03/02投稿

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3行まとめ

米国で広く空中真菌として分離された菌や、Penicillium piceumと同定されたヒトの肺由来の菌が、Talaromyces piceus類似の未記載種であった。
複数遺伝子を用いた分子系統解析によるGCPSRに基づき、本種をTalaromyces columbinusとして新種記載した。
また、GCPSRに基づき新組み合わせT. atricolaを提唱するとともに、クレード2aの菌の数種が互いに同種であることを明らかにした。
USA, Louisiana

(新種)

Talaromyces columbinus S.W. Peterson and Ž. Jurjević
語源…鳩色(暗い帯青灰色)の(コロニーの色から)
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【よく似た種との区別】
Talaromyces piceus
37°C以上で生育する
BT2CFMcm7RPB1RPB2に基づく分子系統解析でいずれも近縁
本種ほどCYA37°Cでのコロニーの色が青色を帯びない
本種より最適生長温度が低い
本種より最適生長温度での生長が遅い場合が多い(ただし、生長速度は菌株によって大きく異なる)
本種と異なり44°Cで生育しない場合がほとんど
本種と異なり5%NaClを添加したCYA培地で生育する
CFMcm7RPB1RPB2に基づく分子系統解析でいずれも明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Talaromyces atricola S. W. Peterson and Ž. Jurjević
旧名: Penicillium rugulosum var. atricolum (Bainier) Thom
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【よく似た種との区別】
Talaromyces rugulosus
BT2CFMcm7RPB1RPB2に基づく分子系統解析でいずれも近縁
BT2CFMcm7RPB1RPB2に基づく分子系統解析でいずれも明瞭に区別される
日本

(新組み合わせ)

Talaromyces scorteus (Nakazawa, Takeda, & Suematsu) S. W. Peterson and Ž. Jurjević
旧名:Penicillium scorteum Nakazawa
※本種のネオタイプを指定した。
Talaromyces phialosporusを本種のシノニムとした。
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(その他掲載種)

Talaromyces rugulosus (Thom) Samson, Yilmaz, Frisvad & Seifert
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(その他の分類学的措置)

  • Samson et al. (2011) がRPB1に基づく分子系統解析でT. variabilisP. concavorugulosumT. wortmaniiを同種としたのに対して、本論文のRPB2に基づく分子系統解析では、3種は明瞭に区別された。しかし、GCPSRに基づくT. variabilisP. concavorugulosumの系統関係の解明にはデータが依然不足しているとした。