(仮訳)形態形質の再評価および分子系統解析に基づくLophiostoma属およびLophiotrema属の分類学的改訂
Hirayama, K. & Tanaka, K., 2011. Taxonomic revision of Lophiostoma and Lophiotrema based on reevaluation of morphological characters and molecular analyses. Mycoscience. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s10267-011-0126-3 [Accessed February 12, 2015].
【R3-01553】2015/02/13投稿

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3行まとめ

Lophiostoma属およびLophiotrema属の属概念を明確にする目的で、分子系統解析および従来用いられてきた重要な形態形質の再評価を実施した。
その結果、Lophiostoma属とLophiotrema属は異なる科に含まれる各々明瞭な属で、子嚢の形状(柄の長さを含む)が属レベルの信頼できる識別形質であることが明らかになった。
プレオスポラ目における新科ロフィオトレマ科の設立、新種Lophiostoma quadrisporumの記載、Lophiotrema vitigenumLophiostoma属への転属を行った。
岩手県盛岡市上田 岩手大学キャンパス

(新種)

Lophiostoma quadrisporum K. Hiray. & Kaz. Tanaka
語源…4つの胞子の(4胞子性の子嚢から)
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【よく似た種との区別】
Lophiostoma fuckelii
日本に分布する
子嚢胞子が無色
子嚢胞子の隔壁数が1
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢殻のサイズが小さい
本種と異なり子嚢が棍棒形~円筒形ではなく長い柄を有する棍棒形
本種と異なり子嚢胞子に鞘ではなく付属糸を伴う
本種と異なり子嚢殻の細胞がプリズム状の長い細胞が並行に配列するのではなく小型の細胞からなる円形菌糸組織または多角菌糸組織
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lophiotrema nucula
形態的に類似している(誤同定された例がある)
子嚢胞子の形態が類似している
本種と異なり子嚢胞子が4胞子性ではなく8胞子性
本種より子嚢胞子の幅がやや狭い
nrSSU+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Lophiostoma vitigenum (Kaz. Tanaka & Y. Harada) K. Hiray. & Kaz. Tanaka
旧名:Lophiotrema vitigenum Kaz. Tanaka & Y. Harada
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