(仮訳)Penicillium glabrum種複合体の分類学的研究および新種P. subericolaの記載
Barreto, M., Houbraken, J. & Samson, R., 2011. Taxonomic studies of the Penicillium glabrum complex and the description of a new species P. subericola. Fungal Diversity. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s13225-011-0090-4 [Accessed January 10, 2014].
【R3-00258】2014/01/11投稿

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3行まとめ

ポルトガルでコルクから分離された多数のアオカビ属菌のうち半数以上を占めた、Penicillium glabrumに近縁な69菌株について検討を行った。
分子系統解析で6グループに分けられたうちの一グループを、分泌物のプロファイルや生長特性に基づき、Penicillium subericolaとして新種記載した。
本新種のタイプ菌株はコルクから分離されたが、他に土壌・空中・乾燥したブドウ果実などからも見出された。
Portugal

(新種)

Penicillium subericola Baretto, Frisvad & Samson
語源…コルクに生息する
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Penicillium spinulosum
顕微鏡的形質が非常に類似している
分生子柄が主に単輪生
分生子柄が嚢状になる
分生子柄あたり6-12個のフィアライドを持つ
フィアライドがアンプル形
CYA、MEA、YES培地での培養性状が区別できないほど類似している
CREA培地での生長が中程度~良好で類似している
β-チューブリンおよびカルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子表面が皺状
本種と異なり分生子柄が分枝することがない
β-チューブリンおよびカルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
産生する分泌物の種類が異なる
Penicillium glabrum
顕微鏡的形質が非常に類似している
分生子柄が主に単輪生
分生子柄が嚢状になる
分生子柄あたり6-12個のフィアライドを持つ
フィアライドがアンプル形
分生子表面が平滑~やや皺状
CYA、MEA、YES培地での培養性状が区別できないほど類似している
本種と異なり分生子柄が分枝することがない
本種より分生子表面が皺状にならない傾向がある
本種よりCREA培地での生長が遅く、25 mmに達しないこともしばしばある
産生する分泌物の種類が異なる