(仮訳)Trametopsis属の分類と分子系統、および2新種の記載
Liu, S. et al., 2022. Taxonomy and molecular phylogeny of Trametopsis (Polyporales, Basidiomycota) with descriptions of two new species. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/84717/ [Accessed June 7, 2022] 【R3-09581】2022/6/8投稿

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3行まとめ

Trametopsis属菌の形態学的検討および分子系統解析を実施し、T. abieticolaT. tasmanicaの2新種を記載した。
前者はチベットにおいて高山のモミ属樹木に生じ、子実体が傘状で新鮮時黄褐色、孔口面が乾燥時桃色を帯び、孔口が大型、担子胞子が円筒形であることなどで特徴づけられた。
後者はオセアニア初の本属菌であり、タスマニアにおいてユーカリ属樹木に発生し、子実体が背着生であることなどで特徴づけられた。
中国チベット自治区チャムド地区芒康県芒康山

(新種)

Trametopsis abieticola B.K. Cui & Shun Liu
語源…モミ属に生息する
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Trametopsis tasmanica
山地に生息する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくオーストラリアに分布する
本種より低標高に分布する
本種と異なりモミ属ではなくユーカリ属樹木に生じる
本種と異なり子実体が傘状ではなく背着生
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Trametopsis cervina(ミノタケ)
中国に分布する可能性がある
同じマツ属樹木に生じる
本種と異なりアフリカ、イラン、ヨーロッパ、北米における分布が知られている
本種と異なりモミ属樹木ではなく通常被子植物に生じるほかカラマツ属、マツ属樹木に生じる
本種と異なり子実体が傘状ではなく傘状~半背着生または時に背着生
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子器のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Trametopsis aborigena
子実体が一年生
肉の菌糸構成が1菌糸型
実質の菌糸構成が2菌糸型
生殖菌糸にクランプを有する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくアルゼンチンなどに分布する
本種と異なりモミ属樹木ではなく被子植物などに生じる
本種と異なり子実体が傘状ではなく傘状、半背着生、時に背着生
本種と異なり傘が淡い帯黄色~淡褐色
本種と異なり傘表面に帯黄赤色~暗い帯黄褐色の放射状の脈をあらわす
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子器の幅が広い
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Trametopsis brasiliensis
子実体が一年生
子実体が傘状
肉の菌糸構成が1菌糸型
実質の菌糸構成が2菌糸型
生殖菌糸にクランプを有する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくブラジルなどに分布する
本種と異なりモミ属樹木ではなく被子植物などに生じる
本種より孔口のサイズが小さい
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia, Tasmania, Hobart, Mount Wellington

(新種)

Trametopsis tasmanica B.K. Cui & Shun Liu
語源…タスマニアの
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Trametopsis abieticola
山地に生息する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなく中国に分布する
本種より高標高に分布する
本種と異なりユーカリ属ではなくモミ属樹木に生じる
本種と異なり子実体が背着生ではなく傘状
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子器のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Trametopsis cervina(ミノタケ)
孔口のサイズが類似している
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアフリカ、イラン、ヨーロッパ、北米における分布が知られている
本種と異なり子実体が背着生ではなく傘状~半背着生で時に背着生
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Trametopsis aborigena
被子植物の樹木に生じる
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなくアルゼンチンなどに分布する
本種と異なり子実体が背着生ではなく傘状~半背着生で時に背着生
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子器のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Trametopsis brasiliensis
被子植物の樹木に生じる
担子器のサイズの範囲が重なる
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなくブラジルなどに分布する
本種と異なり子実体が背着生ではなく傘状
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子が短い
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される