(仮訳)中国北部においてIps subelongatusの加害を受けたカラマツ属樹木に関連するLeptographium属菌の分類および病原性と2新種の記載
Liu, X-W. et al., 2016. Taxonomy and pathogenicity of Leptographium species associated with Ips subelongatus infestations of Larix spp. in northern China, including two new species. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-016-1245-1 [Accessed April 8, 2021] 【R3-08303】2021/4/8投稿

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3行まとめ

中国黒竜江省および内モンゴル自治区においてIps subelongatusの加害を受けたカラマツ属樹木から分離されたLeptographium属菌を検討した。
3種の本属菌を認め、そのうちL. innermongolicumL. zhangiiの2新種を記載し、L. taigenseを中国新産種として報告した。
接種試験の結果、これら3種に樹木に対する病原性は認められなかった。
中国黒竜江省漠河市

(新種)

Leptographium zhangii X.W. Liu, Q. Lu & X.Y. Zhang
語源…この論文の最終著者である張星耀教授に献名
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【よく似た種との区別】
Grosmannia laricis
東アジアに分布する
同じカラマツ属樹木を宿主とする
同じIps属の樹皮下キクイムシと関係を持つ
ITS+nrLSU、β-チューブリン、EF1-αに基づく分子系統解析で近縁(同じGrosmannia piceiperda複合種クレードに含まれる)
本種と異なり中国ではなく日本などに分布する
本種より子嚢殻頸部がずっと長い
β-チューブリン、EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国内モンゴル自治区フルンボイル市根河市根河林場

(新種)

Leptographium innermongolicum X.W. Liu, Q. Lu & X.Y. Zhang
語源…内モンゴルの
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【よく似た種との区別】
Leptographium taigense
中国に分布する
同じカラマツ属樹木を宿主とする
樹皮下キクイムシと関係を持つ
シンネマを形成する
分生子柄が分化分生子柄である
ITS+nrLSU、β-チューブリン、EF1-αに基づく分子系統解析で近縁(ITS-nrLSUおよびβ-チューブリンの部分配列が同一)
本種よりシンネマがずっと長い
本種と異なりコロニーが初め白色で老成すると暗青磁色になるのではなく無色でのちに淡褐色になる
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Grosmannia galeiformis
培養下でシンネマを形成する
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子が暗褐色ではなく褐色
本種と異なりコロニーが初め白色で老成すると暗青磁色になるのではなく淡灰色で老成すると暗褐色になる
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(中国新産種)

Leptographium taigense Linnakoski, Z.W. de Beer & M.J. Wingf.
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【よく似た種との区別】
Leptographium innermongolicum
中国に分布する
同じカラマツ属樹木を宿主とする
樹皮下キクイムシと関係を持つ
シンネマを形成する
分生子柄が分化分生子柄である
ITS+nrLSU、β-チューブリン、EF1-αに基づく分子系統解析で近縁(ITS-nrLSUおよびβ-チューブリンの部分配列が同一)
本種よりシンネマがずっと短い
本種と異なりコロニーが無色でのちに淡褐色になるのではなく初め白色で老成すると暗青磁色になる
EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される