(仮訳)熱帯アフリカ産テングタケ属ツルタケ節(広義)の系統分類
Tang, L-P. et al., 2015. Taxonomy and phylogenetic position of species of Amanita sect. Vaginatae s.l. from tropical Africa. Mycological Progress. … Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-015-1061-z [Accessed August 27, 2015].
【R3-02139】2015/08/27投稿

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3行まとめ

熱帯アフリカ産のテングタケ属ツルタケ節(広義)の10種を対象とした形態学的検討および分子系統解析を行った。
その結果、狭義のツルタケ節につばを有する熱帯産の種を含めるよう修正を要することが示された。
また、マダガスカル産の新種Amanita madagascariensisを記載し、A. tanzanicaA. mafingensisのシノニムとした。
Madagascar, Eastern escarpment, Andasibe

(新種)

Amanita madagascariensis L.P. Tang, Zhu L. Yang & B. Buyck
語源…マダガスカル産の
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【よく似た種との区別】
Amanita strobilaceovolvata
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマダガスカルではなくコンゴおよびザンビアに分布する
本種と異なり傘が鈍白色、汚白色、帯灰色ではなく褐黄色
本種と異なりつぼが松笠状嚢形
本種より担子胞子の幅が広い
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita beckeri
つぼの名残が柄の基部で帯をなす
本種と異なりマダガスカルではなくヨーロッパに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より子実体がしっかりとしている
本種より傘縁部の条線が長い
本種と異なり担子胞子が楕円形~円筒形ではなく球形~類球形
Amanita ceciliae(テングツルタケ)
つぼの名残が柄の基部で帯をなす
本種と異なりマダガスカルではなくヨーロッパに分布する
本種と異なり傘が黄褐色、帯赤褐色、灰褐色、オリーブ褐色
本種と異なり襞が白色
本種と異なり襞の縁部が白色
本種より柄の幅が広い
本種と異なりつぼの名残が帯灰色~帯褐色
本種と異なりつぼの名残が柄の基部にほぼ杯状の綿毛状の構造をなす
Amanita cinctipes
つぼの名残が柄の基部で帯をなす
本種と異なりマダガスカルではなくシンガポールなどに分布する
本種と異なり傘が灰色~帯灰褐色
本種より傘縁部の条線が長い
本種と異なりつぼの名残が柄の基部に2-4重の輪をなす
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が楕円形~円筒形ではなく類球形
Amanita griseofolia
つぼの名残が柄の基部で帯をなす
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマダガスカルではなく中国などに分布する
本種と異なり傘が灰色~帯褐灰色
本種と異なり傘が灰色~暗灰色の外被膜の名残に覆われる
本種と異なり襞が乾燥すると帯灰色または暗色となる
本種と異なり担子胞子が楕円形~円筒形ではなく球形~類球形
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita liquii
つぼの名残が柄の基部で帯をなす
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマダガスカルではなく中国に分布する
本種より子実体がしっかりとしている
本種と異なり傘が暗褐色~帯黒色
本種より傘を覆う被膜の名残が厚い
本種より傘を覆う被膜の名残が暗色
本種と異なり担子胞子が楕円形~円筒形ではなく類球形
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita sororcula
つぼの名残が柄の基部で帯をなす
本種と異なりマダガスカルではなくコロンビアなどに分布する
本種と異なり傘が帯灰褐色
本種より傘縁部の条線が長い
本種と異なり被膜の名残が成熟するにつれて暗色となる
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子の幅が広い

(その他掲載種)

Amanita annulatovaginata var. citrina Beeli
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【よく似た種との区別】
Amanita torrendii
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同種の可能性もあるほど配列が類似している)
本変種と異なりセコティオイド菌である
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita strobilaceovolvata
ザンビアに分布する
形態的に類似している(この種に同定された例がある)
担子胞子の形態が類似している
本変種と異なり傘が強い凸形で顕著な中丘を有する
本変種と異なりつぼが平滑ではなく顕著な松笠状
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Caesareae節ではなくVaginatae節クレードに含まれる)

(その他掲載種)

Amanita calopus (Beeli) E.-J. Gilbert
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(その他掲載種)

Amanita infusca sensu Pegler & Shah-Sm.
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【よく似た種との区別】
Amanita chepangiana
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアフリカではなくアジアに分布する
本種と異なり傘が暗色ではなく白色系
本種と異なり担子胞子が楕円形~円筒形ではなく類球形
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita loosii
コンゴおよびザンビアに分布する
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブルンジ、マラウイ、タンザニアなどからも知られている
本種と異なり傘が暗色ではなく白色系
本種と異なり担子胞子が楕円形~円筒形ではなく類球形
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Amanita loosii Beeli
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【よく似た種との区別】
Amanita chepangiana
子実体が大型
傘が類白色
傘縁部に短い条線を有する
担子胞子が類球形
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアフリカではなくアジアに分布する
本種と異なりマメ科ではなくフタバガキ科およびブナ科植物を宿主とする
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子の形が丸い
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita infusca
コンゴおよびザンビアに分布する
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブルンジ、マラウイ、タンザニアなどから知られていない
本種と異なり傘が白色系ではなく暗色
本種と異なり担子胞子が類球形ではなく楕円形~円筒形
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Amanita mafingensis Härk. & Saarim.
Amanita tanzanicaを本種のシノニムとした。
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【よく似た種との区別】
Amanita masasiensis
タンザニアおよびザンビアに分布する
子実体が橙色のことがある
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマラウイにおける分布が知られていない
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり傘に低い中丘を有するのではなく中丘を欠くか僅かに窪む
本種より担子胞子が僅かに短い
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Amanita masasiensis Härk. & Saarim.
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【よく似た種との区別】
Amanita mafingensis
タンザニアおよびザンビアに分布する
子実体が橙色のことがある
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマラウイにおける分布が知られている
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘に中丘を欠くか僅かに窪むのではなく低い中丘を有する
本種より担子胞子が僅かに長い
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita aurea
形態的に類似している(この種に同定されたことがある)
本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく類球形

(その他掲載種)

Amanita strobilaceovolvata Beeli
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【よく似た種との区別】
Amanita annulatovaginata var. citrina
ザンビアに分布する
形態的に類似している(この種に同定された例がある)
担子胞子の形態が類似している
本種と異なり傘が強い凸形で顕著な中丘を有するという特徴を欠く
本種と異なりつぼが顕著な松笠状ではなく平滑
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(Vaginatae節ではなくCaesareae節クレードに含まれる)
Amanita madagascariensis
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコンゴおよびザンビアではなくマダガスカルに分布する
本種と異なり傘が褐黄色ではなく鈍白色、汚白色、帯灰色
本種と異なりつぼが松笠状嚢形でない
本種より担子胞子の幅が狭い
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される