(仮訳)Cystolepiota属の系統分類:新種、新組み合わせ、およびC. seminuda複合種について
Qu, H. et al., 2023. Taxonomy and Phylogeny of Cystolepiota (Agaricaceae, Agaricales): New Species, New Combinations and Notes on the C. seminuda Complex. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/9/5/537 [Accessed May 8, 2023] 【R3-10584】2023/5/8投稿

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3行まとめ

Cystolepiota属の分子系統解析を実施し、Pulverolepiota節が独立したクレードを形成することを示した。
本系統に対してPulverolepiota属を復活させ、P. oliveiraeP. petasiformisの2種を移した。
また、C. pseudoseminudaおよびC. pyramidosquamulosaの2新種を記載し、C. seminuda複合種が少なくとも3つの種からなることを示した。
中国雲南省昆明市昆明植物園

(新種)

Cystolepiota pseudoseminuda Y.J. Hou, H. Qu & Z.W. Ge
語源…偽のCystolepiota seminuda
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【よく似た種との区別】
Cystolepiota seminuda(ヒメコナカラカサタケ)
中国に分布する
子実体のサイズが類似している
子実体の色が類似している
子実体表面に微粉状~小粒状の小鱗片を伴う
担子胞子が非デキストリノイド
シスチジアを欠く
菌糸にクランプを有する
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりドイツにおける分布が知られている
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり担子胞子表面が疣状ではなく平滑
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州馬爾康県党壩郷銀郎村

(新種)

Cystolepiota pyramidosquamulosa H. Qu & Z. W. Ge
語源…ピラミッド形の小鱗片の(傘表面の形態から)
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【よく似た種との区別】
Pulverolepiota oliveirae
子実体表面が明瞭な小鱗片で覆われる
シスチジアを欠く
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり担子胞子が粗面
本種と異なり担子胞子がメルツァー試薬で徐々に赤褐色になる
本種と異なり小鱗片が不規則で分枝・膨大し長楕円形の細胞からなる
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Pulverolepiota petasiformis
子実体表面が明瞭な小鱗片で覆われる
シスチジアを欠く
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり担子胞子が粗面
本種と異なり担子胞子がメルツァー試薬で徐々に赤褐色になる
本種と異なり小鱗片が不規則で分枝・膨大し長楕円形の細胞からなる
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystolepiota pyramidalis
中国に分布する
子実体の小鱗片が類似している
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりラオス、タイにおける分布が知られている
本種と異なり担子胞子が卵状楕円形
本種と異なり縁シスチジアを欠くのではなく有する
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystolepiota fumosifolia
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく米国などに分布する
本種と異なり子実体の小鱗片が小粒状~疣状
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystolepiota pseudofumosifolia
中国に分布する
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体の小鱗片が小粒状~疣状
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystolepiota adulterina
子実体の小鱗片が疣状
本種と異なり縁シスチジアを欠くのではなく有する
Germany, Saxony, Zwickau, Helmsdorf-Nord

(その他掲載種)

Cystolepiota seminuda (Lasch) Bon
ヒメコナカラカサタケ
※本種のネオタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Cystolepiota pseudoseminuda
中国に分布する
子実体のサイズが類似している
子実体の色が類似している
子実体表面に微粉状~小粒状の小鱗片を伴う
担子胞子が非デキストリノイド
シスチジアを欠く
菌糸にクランプを有する
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりドイツにおける分布が知られていない
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり担子胞子表面が平滑ではなく疣状
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ、中国新産種)

Pulverolepiota oliveirae (P. Roux, M. Paraíso, J. P. Maurice, A. C. Normand & F. Fouchier) H. Qu, Damm & Z. W. Ge
旧名:Cystolepiota oliveirae P. Roux, M. Paraíso, J. P. Maurice, A. C. Normand & F. Fouchier
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【よく似た種との区別】
Pulverolepiota petasiformis
形態的に類似している(容易に混同されうる)
担子胞子のサイズが類似している
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり小鱗片が密に配列した球形~類球形の細胞が緩く配列した細胞の間にあるという特徴を欠く
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystolepiota fumosifolia
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり縁シスチジアを有する
本種と異なり担子胞子が非アミロイドかつ非デキストリノイド
本種と異なり小鱗片が緩く配列した球形~類球形の細胞からなる
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystolepiota pseudofumosifolia
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり縁シスチジアを有する
本種と異なり担子胞子が非アミロイドかつ非デキストリノイド
本種と異なり小鱗片が緩く配列した球形~類球形の細胞からなる
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystolepiota pyramidalis
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり縁シスチジアを有する
本種と異なり担子胞子が非アミロイドかつ非デキストリノイド
本種と異なり小鱗片が緩く配列した球形~類球形の細胞からなる
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Pulverolepiota petasiformis (Murrill) H. Qu, Damm & Z. W. Ge
旧名:Cystolepiota petasiformis (Murrill) Singer
(基礎異名はLepiota petasiformis Murrill)
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【よく似た種との区別】
Pulverolepiota oliveirae
形態的に類似している(容易に混同されうる)
担子胞子のサイズが類似している
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり小鱗片が密に配列した球形~類球形の細胞が緩く配列した細胞の間にある
ITS+nrLSU+rpb2+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される