(仮訳)担子器にクランプを伴う黄色のシロソウメンタケ属菌の系統分類 – 新種Clavaria flavostelliferaの記載およびC. argillaceaC. flavipesC. sphagnicolaのタイプ指定
Olariaga, I. et al., 2015. Taxonomy and phylogeny of yellow Clavaria species with clamped basidia – Clavaria flavostellifera sp. nov. and the typification of C. argillacea, C. flavipes and C. sphagnicola. Mycologia. … Available at: http://www.mycologia.org/content/107/1/104.short [Accessed January 16, 2016].
【R3-02568】2016/01/16投稿

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3行まとめ

シロソウメンタケ属菌の分子系統解析を行い、子実体が黄色で担子器にクランプを伴う本属菌が2つのクレードに分かれることを示した。
そのうち担子胞子に装飾を有するグループiに新種Clavaria flavostelliferaを加えた。
また、肉の菌糸にクランプを欠く点および菌糸体の菌糸が細く僅かに厚壁である点が、シロソウメンタケ属とCamarophyllopsis属の共有派生形質であることを示した。
Spain, Bizkaia, Sukarrieta, Txatxarramendi

(新種)

Clavaria flavostellifera Olariaga, Salcedo, Daniëls & Kautmanová
語源…黄色で星を有する(子実体の色と担子胞子の装飾から)
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【よく似た種との区別】
Clavaria incarnata
スペインおよびスロバキアに分布する
形態的に類似している(初め色が異なる変異型と見られた)
担子胞子に装飾を有することがある
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカナリア諸島などにおける分布が知られている
本種と異なり子実体が黄色ではなく顕著な桃色
本種と異なり子実体が鉄塩で淡灰色を呈する
本種より担子胞子が通常長い
本種と異なり肉の菌糸に両錐形の結晶を伴う
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavaria greletii
スロバキアに分布する
担子器の基部にクランプを有する
担子胞子に装飾を有する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりデンマーク、フランス、イギリスなどにおける分布が知られている
本種と異なり子実体が黄色ではなく暗褐色
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavaria argillacea(キアシセンコウタケ)
同じHolocoryne亜属に含まれる
子実体が黄色
担子器の基部にクランプを有する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりツツジ科植物を宿主とする
本種より担子胞子のサイズが顕著に大きい
本種より担子胞子のQm値が大きい
本種と異なり担子胞子が刺状ではなく平滑
本種と異なり担子胞子が時に厚壁なのではなく薄壁
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavaria sphagnicola
同じHolocoryne亜属に含まれる
子実体が黄色
担子器の基部にクランプを有する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりミズゴケのボグに発生する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQm値が大きい
本種と異なり担子胞子が刺状ではなく常に平滑
本種と異なり担子胞子が時に厚壁なのではなく薄壁
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavaria flavipes
同じHolocoryne亜属に含まれる
子実体が黄色
子実体が分枝しない
担子器の基部にクランプを有する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米における分布が知られている
本種と異なり子実体が群生しない
本種と異なり子実体に淡色の稔性部位を有する
本種と異なり子実体が赤変する
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく球形
本種と異なり担子胞子に装飾を欠き常に平滑
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavaria luteostirpata
同じHolocoryne亜属に含まれる
子実体が黄色
×本種と異なりオーストラリアにおける分布が知られている
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく球形~類球形
Clavaria spathuliformis
子実体が黄色系
子実体の稔性部位が扁圧される
本種と異なり稔性部位が鮮黄色でない
本種と異なり柄が白色
本種より担子器が短い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子に装飾を欠き平滑
England, Fairmile Common Surrey

(その他掲載種)

Clavaria argillacea Pers.
キアシセンコウタケ
※本種のエピタイプ標本およびレクトタイプ標本とシノニムGeoglossum argillaceum var. montanumのレクトタイプ標本を指定した。
Clavaria pallescensが本種のシノニムである可能性を指摘した。
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【よく似た種との区別】
Clavaria flavostellifera
同じHolocoryne亜属に含まれる
子実体が黄色
担子器の基部にクランプを有する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりツツジ科植物を宿主とするという特徴を欠く
本種より担子胞子のサイズが顕著に小さい
本種より担子胞子のQm値が小さい
本種と異なり担子胞子が平滑ではなく刺状
本種と異なり担子胞子が薄壁ではなく時に厚壁
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavaria sphagnicola
同じHolocoryne亜属に含まれる
形態的に類似している(本種がこの種の変種とされたことがある)
担子胞子が常に平滑
担子胞子が常に薄壁
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種ほど子実体が叢生しない
本種より子実体が細長い
本種より担子胞子の幅が広い
本種より担子胞子のQm値が小さい
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavaria flavipes
同じHolocoryne亜属に含まれる
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりツツジ科植物を宿主としない
本種と異なり子実体が幼時全体的に黄色という特徴を欠く
本種と異なり子実体の先端が鈍頭でない
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Slovakia, Malé Karpaty Mts., Pezinok, Stará hora

(その他掲載種)

Clavaria flavipes Pers.
※本種のエピタイプ標本を指定した。
Clavaria globosporaおよびC. americanaを本種のシノニムとした。
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【よく似た種との区別】
Clavaria flavostellifera
同じHolocoryne亜属に含まれる
子実体が黄色
子実体が分枝しない
担子器の基部にクランプを有する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米における分布が知られていない
本種と異なり子実体が群生する
本種と異なり子実体に淡色の稔性部位を有さない
本種と異なり子実体が赤変しない
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が球形ではなく広楕円形~楕円形
本種と異なり担子胞子が常に平滑ではなく装飾を有する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavaria straminea
肉眼的形態が類似している(同種と見なされたことがある)
本種と異なり担子胞子が球形~卵形ではなく楕円形~円筒形
Clavaria argillacea(キアシセンコウタケ)
同じHolocoryne亜属に含まれる
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりツツジ科植物を宿主とする
本種と異なり子実体が幼時全体的に黄色
本種と異なり子実体の先端が鈍頭
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavaria luteostirpata
同じHolocoryne亜属に含まれる
担子胞子が常に平滑
担子胞子が常に薄壁
本種と異なりヨーロッパおよび北米ではなくオーストラリアに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい

(その他掲載種)

Clavaria sphagnicola Boud.
※本種のレクトタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Clavaria flavostellifera
同じHolocoryne亜属に含まれる
子実体が黄色
担子器の基部にクランプを有する
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりミズゴケのボグに発生するという特徴を欠く
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子のQm値が小さい
本種と異なり担子胞子が常に平滑ではなく刺状
本種と異なり担子胞子が薄壁ではなく時に厚壁
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavaria argillacea(キアシセンコウタケ)
同じHolocoryne亜属に含まれる
形態的に類似している(本種がこの種の変種とされたことがある)
担子胞子が常に平滑
担子胞子が常に薄壁
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体が叢生する
本種ほど子実体が細長くない
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より担子胞子のQm値が大きい
nrLSUおよびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される