2017年2月20日 (仮訳)Pseudolagarobasidium属の分類 Nakasone, KK. & Lindner, DL., 2012. Taxonomy of Pseudolagarobasidium (Polyporales, Basidiomycota). Fungal Diversity. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s13225-012-0161-1 [Accessed February 20, 2017]. 【R3-03771】2017/02/20投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ Pseudolagarobasidium属菌の形態学的検討および分子系統解析を実施し、本属に計7種を認めた。 ベリーズからP. belizense、オーストラリアからP. pusillumをそれぞれ新種記載した。 Irpex modestusなどを本属に移し、本属菌の検索表を掲載した。 Belize, Cayo District, just south-southeast of Doyle’s Delight Peak (新種) Pseudolagarobasidium belizense Nakasone & D.L. Lindner 語源…ベリーズ産の 【よく似た種との区別】 Pseudolagarobasidium venustum アメリカ大陸に分布する 本種と異なりベリーズではなくブラジルおよびコロンビアに分布する 本種と異なり子実体が帯褐灰色ではなく黄色~帯褐黄色 本種より子実層托(針)のサイズが大きい 本種と異なり肉全体に油滴様の小粒が豊富に見られるという特徴を欠く Pseudolagarobasidium acaciicola ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベリーズに分布するという特徴を欠く 本種より子実層托(針)が長い 本種と異なり子実体形成菌糸層の菌糸が凝集しない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Australia, Western Australia, Kununurra (新種) Pseudolagarobasidium pusillum Nakasone & D.L. Lindner 語源…小さい(担子胞子のサイズから) 【よく似た種との区別】 Pseudolagarobasidium pronum オーストラリア西部に分布する 本種と異なりアジア、アフリカなどに分布する 本種より子実体が淡色 本種と異なり子実体がチョーク質である 本種より担子胞子のサイズがずっと大きい 本種と異なり分節分生子を有する (その他掲載種) Pseudolagarobasidium acaciicola Ginns 【よく似た種との区別】 Pseudolagarobasidium modestum 子実体形成菌糸層の菌糸が凝集しない 本種と異なり南アフリカではなくモーリシャスに分布する 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい Pseudolagarobasidium subvinosum 子実体内部で分節分生子を形成する 培養下で分節分生子を形成する 本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい 本種より子実層シスチジアが顕著 Pseudolagarobasidium belizense ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりベリーズに分布する 本種より子実層托(針)が短い 本種と異なり子実体形成菌糸層の菌糸が凝集する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される (新組み合わせ) Pseudolagarobasidium modestum (Berk.) Nakasone & D. Lindner 旧名:Irpex modestus Berk. 【よく似た種との区別】 Pseudolagarobasidium acaciicola 子実体形成菌糸層の菌糸が凝集しない 本種と異なりモーリシャスではなく南アフリカに分布する 本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい Pseudolagarobasidium subvinosum 本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい 本種より子実層シスチジアが顕著 本種と異なり針実質の菌糸が帯褐黄色ではなく淡黄色 本種と異なり針実質の菌糸が顕著に厚く丈夫になるのではなく僅かにしか厚壁にならない (新組み合わせ) Pseudolagarobasidium pronum (Berk. & Broome) Nakasone & D.L. Lindner 旧名:Hydnum pronum Berk. & Broome 【よく似た種との区別】 Pseudolagarobasidium subvinosum 形態的に類似している(しばしば混同される) 担子胞子のサイズの範囲が重なる nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(先行研究) 本種より子実体が濃色 本種より子実体が硬い 本種と異なり子実体がチョーク質でない 本種より担子胞子の平均サイズが大きい 本種と異なり子実体形成菌糸層に”microbinding hyphae”を欠く Pseudolagarobasidium pusillum オーストラリア西部に分布する 本種と異なりアジア、アフリカなどにおける分布が知られていない 本種より子実体が濃色 本種と異なり子実体がチョーク質でない 本種より担子胞子のサイズがずっと小さい 本種と異なり分節分生子を欠く (その他掲載種) Pseudolagarobasidium subvinosum (Berk. & Broome) Sheng H. Wu 【よく似た種との区別】 Pseudolagarobasidium acaciicola 子実体内部で分節分生子を形成する 培養下で分節分生子を形成する 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい 本種ほど子実層シスチジアが顕著でない Pseudolagarobasidium modestum 本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい 本種ほど子実層シスチジアが顕著でない 本種と異なり針実質の菌糸が淡黄色ではなく帯褐黄色 本種と異なり針実質の菌糸が僅かにしか厚壁にならないのではなく顕著に厚く丈夫になる Pseudolagarobasidium pronum 形態的に類似している(しばしば混同される) 担子胞子のサイズの範囲が重なる nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(先行研究) 本種より子実体が淡色 本種より子実体が軟らかい 本種と異なり子実体がチョーク質である 本種より担子胞子の平均サイズが小さい 本種と異なり子実体形成菌糸層に”microbinding hyphae”を有する (その他掲載種) Pseudolagarobasidium venustum (Hjortstam & Ryvarden) Nakasone & D.L. Lindner 【よく似た種との区別】 Pseudolagarobasidium belizense アメリカ大陸に分布する 本種と異なりブラジルおよびコロンビアではなくベリーズに分布する 本種と異なり子実体が黄色~帯褐黄色ではなく帯褐灰色 本種より子実層托(針)のサイズが小さい 本種と異なり肉全体に油滴様の小粒が豊富に見られる