(仮訳)カンガルー島産の新種Tephromela baudiniana
Kantvilas, G. & Elix, JA., 2017. Tephromela baudiniana sp. nov. (lichenised Ascomycetes) from Kangaroo Island. Swainsona. Available at: https://data.environment.sa.gov.au/Content/Publications/JABG31P027_Kantvilas.pdf [Accessed June 26, 2017].
【R3-04151】2017/06/26投稿

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3行まとめ

オーストラリア、カンガルー島沿岸域において岩上に発生した地衣の一種を検討し、Tephromela baudinianaとして新種記載した。
本種は稀な代謝産物である9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むことなどで特徴づけられた。
本種の形態はT. atraの非常に広範な変異の範疇に含まれたが、地衣体表面の性状、初生菌糸の有無、子器のサイズなどが特徴的であった。
South Australia, Kangaroo Island, Rocky River Track, c. 250 m from mouth of river

(新種)

Tephromela baudiniana Kantvilas & Elix
語源…フランスの探検家、Nicolas Baudin(カンガルー島に上陸した2番目のヨーロッパ人)に献名
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【よく似た種との区別】
Tephromela arafurensis
オーストラリアに分布する
粉芽を欠く
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なり子器がレカノラ型ではなくレカノラ型~いくぶん”immarginate”
本種と異なり地衣成分としてペルラトリン酸およびグロメリフェリン酸を含む
本種と異なり地衣成分として9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むという特徴を欠く
Tephromela atra(クロイボゴケ)
子器がレカノラ型
粉芽を欠く
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なりオーストラリアのみではなく汎世界的に分布する
本種と異なり地衣体表面に亀裂が生じて隙間が多いという特徴を欠く
本種より子器のサイズが比較的大きい
本種と異なり初生菌糸を有する
本種と異なり地衣成分としてα-コラトリン酸、アレクトロン酸、ブルゲアン酸を含む
本種と異なり地衣成分として9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むという特徴を欠く
Tephromela buelliana
オーストラリアに分布する
粉芽を欠く
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なりブラジルなどにおける分布が知られている
本種と異なり子器がレカノラ型ではなくレカノラ型~いくぶん”immarginate”
本種と異なり地衣成分としてα-コラトリン酸を含む
本種と異なり地衣成分として9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むという特徴を欠く
Tephromela granularis
オーストラリアに分布する
子器がレカノラ型
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なり粉芽を有する
本種と異なり地衣成分としてα-コラトリン酸、アレクトロン酸、ブルゲアン酸を含む
本種と異なり地衣成分として9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むという特徴を欠く
Tephromela korundensis
オーストラリアに分布する
粉芽を欠く
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なり子器がレカノラ型ではなくいくぶん”immarginate”
本種と異なり地衣成分として9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むという特徴を欠く
Tephromela lillipillensis
オーストラリアに分布する
子器がレカノラ型
粉芽を欠く
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なり地衣成分としてアレクトロン酸を含む
本種と異なり地衣成分として9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むという特徴を欠く
Tephromela promontorii
オーストラリアに分布する
粉芽を欠く
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なり南米などにおける分布が知られている
本種と異なり地衣成分としてα-コラトリン酸、アレクトロン酸を含む
本種と異なり子器がレカノラ型ではなくいくぶん”immarginate”
本種と異なり地衣成分として9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むという特徴を欠く
Tephromela skottsbergii
オーストラリアに分布する
子器がレカノラ型
粉芽を欠く
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なりチリなどにおける分布が知られている
本種と異なり子実層に油滴が散在する
本種と異なり地衣成分としてα-コラトリン酸、アレクトロン酸を含む
本種と異なり地衣成分として9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むという特徴を欠く
Tephromela stenosporonica
オーストラリアに分布する
子器がレカノラ型
粉芽を欠く
子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なり地衣成分としてステノスポロン酸を含む
本種と異なり地衣成分として9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むという特徴を欠く
Tephromela territoriensis
オーストラリアに分布する
子器がレカノラ型
粉芽を欠く
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり地衣成分としてフィソド酸を含む
本種と異なり地衣成分として9-O-メチルアルテナリオールおよびアルテナリオールを含むという特徴を欠く