2021年6月5日 (仮訳)韓国の海洋環境に産したArthrinium属菌:8新種の記載 Kwon, SL. et al., 2021. The genus Arthrinium (Ascomycota, Sordariomycetes, Apiosporaceae) from marine habitats from Korea, with eight new species. IMA fungus. Available at: https://imafungus.biomedcentral.com/articles/10.1186/s43008-021-00065-z [Accessed June 5, 2021] 【R3-08476】2021/6/5投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 韓国の沿岸域において海生Arthrinium属菌の多様性を調査し、41菌株から14種を同定した。 そのうちA. agariなど8種を新種記載した。 6種がアナメ属、ホンダワラ属などの海藻から、2種がハタハタの卵塊からそれぞれ分離された。 韓国江原道襄陽郡 (新種) Arthrinium agari S.L. Kwon, S. Jang & J.J. Kim 語源…アナメ属の 【よく似た種との区別】 Arthrinium arundinis 韓国に分布する 海生菌である 海藻から分離される 分生子形成細胞が菌糸上に集まりをなして生じる 分生子形成細胞がアンプル形 分生子が褐色 分生子が正面視で球形、側面視でレンズ形 菌糸が無色 菌糸が分枝する 菌糸表面が平滑 菌糸に隔壁を有する ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりスイス、イランなどにおける分布が知られている 本種と異なりアミメ属海藻ではなくヨーロッパブナの生葉やオオムギの葉、ホンダワラ属の海藻や砂浜の砂などから分離される 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなく球形 ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium sinensis 東アジアに分布する 分生子のサイズの範囲が重なる 分生子が正面視で球形、側面視でレンズ形 本種と異なり韓国ではなく中国などに分布する 本種と異なりヤシ科植物などから分離される 本種と異なり分生子形成細胞が円筒形で時にアンプル形なのではなく瓶形 韓国江原道高城郡 (新種) Arthrinium arctoscopi S.L. Kwon, S. Jang & J.J. Kim 語源…ハタハタ属の 【よく似た種との区別】 Arthrinium obovatum 東アジアに分布する ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり韓国ではなく中国などに分布する 本種と異なりハタハタの卵塊ではなくマテバシイ属植物などから分離される 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなく倒卵状または時に楕円形~長形 本種よりPDA培地におけるコロニーの生長が速い ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium aquaticum 東アジアに分布する 分生子のサイズの範囲が重なる 本種と異なり韓国ではなく中国などに分布する 本種より分生子が短い 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなく球形~類球形 Arthrinium algicola 海生菌である 本種と異なり韓国ではなくウクライナなどに分布する 本種と異なりハタハタの卵塊ではなく海藻などから分離される 本種より分生子が長い 本種より分生子の幅が狭い 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなくレンズ形 Arthrinium sinensis 東アジアに分布する 本種と異なり韓国ではなく中国などに分布する 本種と異なりハタハタの卵塊ではなくヤシ科植物などから分離される 本種と異なり分生子形成細胞が瓶形 本種より分生子が短い 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなく球形 韓国全羅南道海南郡 (新種) Arthrinium fermenti S.L. Kwon, S. Jang & J.J. Kim 語源…発酵の(培養下で酵母のような臭いを発することから) 【よく似た種との区別】 Arthrinium pseudospegazzinii アジアに分布する 分生子のサイズの範囲が重なる ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり韓国ではなくマレーシアなどに分布する 本種と異なりオオバギ属植物などから分離される 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなく一様に球形 本種と異なりOA培地でのコロニーが黄色~帯赤色ではなく汚白色 本種と異なりMEA培地でのコロニーが黄色~帯赤色ではなく汚白色 本種と異なりコロニーに強い酵母臭があるという特徴を欠く ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium globosum 分生子が球形~類球形 本種と異なり韓国ではなくフィンランドなどに分布する 本種と異なりカヤツリグサ科植物などから分離される 本種より分生子が長い 本種と異なり分生子が側面視でレンズ形という特徴を欠く 韓国江原道高城郡 (新種) Arthrinium koreanum S.L. Kwon, S. Jang & J.J. Kim 語源…韓国の 【よく似た種との区別】 Arthrinium qinlingense 東アジアに分布する ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり韓国ではなく中国などから分離される 本種と異なりFargesia属植物などから分離される 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が球形~楕円形ではなく球形~類球形 ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium globosum 分生子のサイズの範囲が重なる 分生子の形状が類似している 本種と異なり韓国ではなくフィンランドなどに分布する 本種と異なりカヤツリグサ科植物などから分離される 本種と異なり分生子が側面視でレンズ形ではなく球形~ほぼ球形 Arthrinium sphaerospermum 分生子の形状が類似している 本種と異なり韓国ではなくフランスなどに分布する 本種と異なりアヤメ科、フトモモ科、イネ科植物などから分離される 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が側面視でレンズ形という特徴を欠く 韓国全羅南道順天市 (新種) Arthrinium marinum S.L. Kwon, S. Jang & J.J. Kim 語源…海生の 【よく似た種との区別】 Arthrinium sargassi 韓国に分布する 海生菌である 海藻から分離される 分生子が球形~長楕円形 ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子のサイズが大きい 本種よりPDA20°Cでの生長が速い ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium rasikravindrae 韓国に分布する 海生菌である ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁(ITS類似度100%) 本種と異なりオランダ、タイ、スヴァールバル、中国における分布が知られている 本種と異なり海藻ではなくハタハタの卵塊、イネ、カルスト洞窟の土壌、タケの葉、土壌などから分離される 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなく球形~楕円形 本種より生長速度が速い ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium algicola 海生菌である 海藻から分離される 分生子の形状が非常に類似している 本種と異なり韓国ではなくウクライナなどに分布する 本種より分生子の最大長が長い 本種より分生子の幅が狭い 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなくレンズ形 Arthrinium pusillispermum 韓国に分布する 海生菌である 海藻から分離される 形態的に類似している(両種を識別できる顕著な形質がない) 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなく球形~類球形、長形 韓国忠清南道泰安郡 (新種) Arthrinium pusillispermum S.L. Kwon, S. Jang & J.J. Kim 語源…小さな胞子の(分生子のサイズから) 【よく似た種との区別】 Arthrinium taeanense 韓国に分布する 海生菌である 海藻から分離される 形態的に類似している(両種を識別できる顕著な形質がない) ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり分生子が球形~類球形、長形ではなく球形~長楕円形 ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium gutiae アジアに分布する 分生子のサイズの範囲が重なる ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり韓国ではなくインドなどに分布する 本種と異なり海藻ではなくバッタの腸内などから分離される 本種と異なり分生子形成細胞が円筒形ではなく瓶形 本種と異なり分生子が球形~類球形、長形ではなく球形 ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 韓国済州特別自治道 (新種) Arthrinium sargassi S.L. Kwon, S. Jang & J.J. Kim 語源…ホンダワラ属の 【よく似た種との区別】 Arthrinium aureum ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり韓国ではなくスペインなどに分布する 本種と異なり空中真菌として知られている 本種より分生子のサイズがずっと大きい 本種と異なり分生子が球形~類球形ではなく球形 ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium hydei 東アジアに分布する ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり韓国ではなく中国などに分布する 本種と異なり海藻ではなくタケの稈や葉などから分離される 本種より分生子のサイズがずっと大きい 本種と異なり分生子が球形~類球形ではなく球形 ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium rasikravindrae 韓国に分布する ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりオランダ、タイ、スヴァールバル、中国における分布が知られている 本種と異なり海藻ではなくハタハタの卵塊、イネ、カルスト洞窟の土壌、タケの葉、土壌などから分離される 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が球形~類球形ではなく球形~楕円形 本種よりPDA20°Cでの生長が速い ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium marinum 韓国に分布する 海生菌である 海藻から分離される ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子が長い 本種より分生子の幅が狭い 本種と異なり分生子が球形~類球形ではなく球形~長楕円形 本種よりPDA20°Cでの生長が遅い ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium sinensis 形態的に類似している 東アジアに分布する 本種と異なり韓国ではなく中国などに分布する 本種と異なりヤシ科植物などから分離される 本種と異なり分生子形成細胞が円筒形ではなく瓶形 本種より分生子のサイズが大きい 本種と異なり分生子が球形~類球形ではなく球形 韓国忠清南道泰安郡 (新種) Arthrinium taeanense S.L. Kwon, S. Jang & J.J. Kim 語源…泰安産の 【よく似た種との区別】 Arthrinium gutiae アジアに分布する ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり韓国ではなくインドなどに分布する 形態的に類似している(両種を識別できる顕著な形質がない) 本種と異なり海藻ではなくバッタの腸内などから分離される 本種より分生子が短い 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなく球形 ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Arthrinium pusillispermum 韓国に分布する 海生菌である 海藻から分離される 形態的に類似している(両種を識別できる顕著な形質がない) ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で近縁 本種より分生子のサイズが小さい 本種と異なり分生子が球形~長楕円形ではなく球形~類球形、長形 ITS+TUB+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される