2021年10月22日 (仮訳)形態および分子データに基づく中国産Leccinum属菌の研究 Meng, X. et al., 2021. The Genus Leccinum (Boletaceae, Boletales) from China Based on Morphological and Molecular Data. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/7/9/732 [Accessed October 22, 2021] 【R3-08894】2021/10/22投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国、ヨーロッパ、北米産Leccinum属菌について形態学的検討および複数遺伝子を用いた分子系統解析を実施した。 中国産の9種を同定し、そのうちL. album、L. parascabrum、L. pseudoborneenseの3新種を記載した。 これらの新種はそれぞれ湖南省・福建省、湖南省・雲南省、雲南省に分布し、シイ属、マテバシイ属、コナラ属、マツ属などの樹木と関係を持っていた。 中国湖南省郴州市宜章県Zhanghua County莽山国家森林公園 (新種) Leccinum album X. Meng, Yan C. Li & Zhu L. Yang 語源…白い(子実体の色から) 【よく似た種との区別】 Leccinum holopus 傘が白色系 nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくドイツ、米国、フランス、オーストリアなどに分布する 本種と異なりカバノキ属樹木などと関係を持つ 本種と異なり子実体が中型~大型 本種より傘の直径が大きい 本種と異なり傘が純白または汚白色~淡色または淡黄褐色で常に青緑色を帯びる 本種より傘表面が老成すると粘性を有する 本種より管孔が長い 本種よりシスチジアのサイズが小さい 本種と異なりシスチジアが類円筒形 本種より傘表皮菌糸の幅が狭い nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leccinum cyaneobasileucum 傘が白色系 本種と異なり中国ではなくフランスなどに分布する 本種と異なりカバノキ属樹木などと関係を持つ 本種と異なり傘が白色または淡褐色~灰褐色 本種と異なり柄表面が羊毛状 本種より担子胞子のQm値が大きい 本種よりシスチジアのサイズが小さい 本種より傘表皮菌糸の幅が狭い Leccinellum albellum 傘が白色系 本種と異なり中国ではなく米国などに分布する 本種と異なり子実体が傷ついても変色しない 本種より担子胞子の幅が狭い Leccinum variicolor(アオネノヤマイグチ) nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくドイツ、カナダ、イギリスなどに分布する 本種と異なりカバノキ属樹木などと関係を持つ 本種と異なり傘肉が白色~灰色またはクリーム色 本種と異なり傘肉が傷つくと帯ワイン色~褐色に変色する 本種と異なり柄肉が傷つくと上部で桃色~珊瑚赤色、下部で緑青色に変色する nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leccinum pseudoborneense 中国に分布する nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が白色でない 本種と異なり傘が白色ではなく淡褐色~暗褐色 本種と異なり傘肉が変色しないのではなく傷つくと青変する 本種と異なり子実層托が白色でない 本種と異なり子実層托が傷つくと不明瞭に帯緑青色に変色するという特徴を欠く 本種と異なり柄肉が傷ついても変色しないか基部のみが顕著に帯緑青色になるのではなく傷つくと青変する 本種より担子胞子の幅が狭い 本種より子実層シスチジアのサイズが小さい nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国湖南省郴州市宜章県Zhanghua County莽山国家森林公園 (新種) Leccinum parascabrum X. Meng & Yan C. Li & Zhu L. Yang 語源…para+Leccinum scabrum 【よく似た種との区別】 Leccinum duriusculum(ヤマナラシノアオネノヤマイグチ) アジアに分布する 傘の色が類似している 子実層托の色が類似している 柄の形状が細長い nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくウズベキスタン、フランスなどに分布する 本種と異なり傘が淡灰褐色~暗い帯灰色または帯赤褐色 本種と異なり柄基部の肉が傷つくと黄緑色~青緑色に変色する 本種と異なり肉が傷つくと帯紫桃色に変色する 本種より担子胞子のサイズが比較的小さい nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leccinum griseonigrum 傘の色が類似している 子実層托の色が類似している 柄の形状が細長い 本種と異なり中国ではなく北米などに分布する 本種と異なりヤマナラシ属樹木などと関係を持つ 本種と異なり傘が淡褐色~汚肉桂黄褐色 本種と異なり傘肉が白色 本種と異なり傘肉が傷つくと青変する 本種より担子胞子のサイズが比較的小さい Leccinum scabrum(ヤマイグチ) 中国に分布する 傘の色が類似している 子実層托の色が類似している 柄の形状が細長い nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりイギリスにおける分布が知られている 本種と異なり傘表面が皺状 本種と異なり子実層托が純白色 本種と異なり子実層托が傷つくと帯桃色に変色する 本種と異なり柄基部が傷つくと青変するという特徴を欠く nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leccinum uliginosum 傘の色が類似している 子実層托の色が類似している 柄の形状が細長い 本種と異なり中国ではなく北米などに分布する 本種と異なり傘がドラブグレイ~暗黒褐色 本種と異なり傘肉が白色 本種と異なり傘肉が傷つくと帯赤色、のちに黒褐色に変色する 本種より担子胞子のサイズが比較的小さい 本種と異なり子実層シスチジアが不明瞭である Leccinellum pseudoscabrum(スミゾメヤマイグチ) 傘の色が類似している 子実層托の色が類似している 柄の形状が細長い nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国などに分布する 本種と異なり肉が傷つくと赤色~帯紫褐色、のちに帯黒褐色に変色する 本種と異なり傘表皮が類球形の細胞からなる柵状被である nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Leccinum variicolor(アオネノヤマイグチ) 傘の色が類似している 子実層托の色が類似している 柄基部が傷つくと青変する nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくドイツ、カナダ、イギリスなどに分布する 本種と異なりカバノキ属樹木などと関係を持つ 本種と異なり傘が白色~灰色またはクリーム色 本種と異なり柄肉が白色 本種と異なり柄肉が傷つくと上部で桃色~珊瑚赤色、下部で緑青色に変色する 本種より担子胞子のサイズが比較的小さい nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州勐海県巴達村 (新種) Leccinum pseudoborneense X. Meng & Yan C. Li & Zhu L. Yang 語源…偽のLeccinum borneense 【よく似た種との区別】 Leccinum borneense アジアに分布する 傘が褐色 柄肉が傷つくと青変する 担子胞子のサイズが類似している 本種と異なり中国ではなくマレーシアなどに分布する 本種と異なり傘肉が黄色 本種と異なり傘肉が傷つくと青変する 本種と異なり子実層托がオリーブ黄色 本種と異なり子実層托が傷つくと青変する 本種と異なり柄肉が傷つくと青変し、基部が時に赤色を帯びる Leccinum album 中国に分布する nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が白色 本種と異なり傘が淡褐色~暗褐色ではなく白色 本種と異なり傘肉が傷つくと青変するのではなく変色しない 本種と異なり子実層托が白色 本種と異なり子実層托が傷つくと不明瞭に帯緑青色に変色する 本種と異なり柄肉が傷つくと青変するのではなく傷ついても変色しないか基部のみが顕著に帯緑青色になる 本種より担子胞子の幅が広い 本種より子実層シスチジアのサイズが大きい nrLSU+tef1-α+rpb2およびITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される