(仮訳)KOHで抽出される紫色色素を有する3種の顕著な新熱帯産Hypoxylon属菌:新種H. cypraeisporumおよび新変種H. sclerophaeum var. parvisporum
Fournier, J. & Lechat, C. 2015. Three distinctive neotropical species of Hypoxylon (Xylariaceae) with purple KOH-extractable pigments, including two new taxa H. cypraeisporum sp. nov. and H. sclerophaeum var. parvisporum var. nov. Ascomycete.org. Available at: https://ascomycete.org/Journal/Article/art-0122 [Accessed June 23, 2019] 【R3-06338】2019/6/23投稿

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3行まとめ

仏領西インド諸島で採集された3分類群のHypoxylon属菌を検討し、グアドループ産の新種H. cypraeisporumおよび新変種H. sclerophaeum var. parvisporumを記載した。
これらの種は紫色のKOH溶出性の紫色色素を含むことなどで特徴づけられ、前者は子嚢胞子のエピスポアに特徴的な孔状装飾を有していた。
また、従来パプアニューギニアのみから知られていたH. rugulosporumを新熱帯新産種として報告した。
French West Indies, Guadeloupe, Sainte-Rose, Trace de Sofaïa, chemin du Saut des Trois Cornes

(新種)

Hypoxylon cypraeisporum J. Fourn. & Lechat
語源…タカラガイの胞子の(子嚢胞子の表面性状から)
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【よく似た種との区別】
Hypoxylon rubellum
子嚢胞子のサイズがほぼ同一
子嚢胞子の形状がほぼ同一
子嚢胞子のペリスポアが孔状
本種と異なり子座が鈍黒色ではなく帯赤褐色
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がジグザグ状ではなく直線状
本種と異なり子嚢胞子のエピスポアの孔が円形ではなく浅く不規則
本種と異なり子嚢胞子のぺリスポアが10% KOH中で裂開しない
本種と異なりKOH溶出性の色素が紫色ではなく橙色
Hypoxylon californicum
子嚢胞子のエピスポアに装飾を有する
本種と異なり子嚢胞子が楕円形ではなく紡錘状
本種と異なり子嚢胞子のエピスポアが孔状ではなく条線状
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がジグザグ状でない
本種と異なりKOH溶出性の色素が紫色ではなく琥珀色
Hypoxylon rectangulosporum
子嚢胞子のエピスポアに装飾を有する
本種と異なり子嚢胞子が楕円形ではなく長方形
本種と異なり子嚢胞子のエピスポアが孔状ではなく縦方向の畝状
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がジグザグ状でない
本種と異なりKOH溶出性の色素が紫色ではなく淡黄褐色
Hypoxylon lenormandii
子座が個々の子嚢殻の輪郭が明瞭なRosellinia
本種と異なり子座が隣接する子嚢殻を結合する有色粉状の組織に包まれる
本種と異なり子座が炭質でない
本種と異なり子嚢胞子のエピスポアが孔状ではなく平滑
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がジグザグ状でない
本種と異なりKOH溶出性の色素が紫色ではなく帯赤褐色
Hypoxylon olliforme
子座が個々の子嚢殻の輪郭が明瞭なRosellinia
本種と異なり子座が隣接する子嚢殻を結合する有色粉状の組織に包まれる
本種と異なり子座が炭質でない
本種と異なり子嚢胞子のエピスポアが孔状ではなく平滑
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がジグザグ状でない
本種と異なりKOH溶出性の色素が紫色ではなく帯赤橙色
Hypoxylon undulatum
子座が個々の子嚢殻の輪郭が明瞭なRosellinia
本種と異なり子座が隣接する子嚢殻を結合する有色粉状の組織に包まれる
本種と異なり子座が炭質でない
本種と異なり子嚢胞子のエピスポアが孔状ではなく平滑
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がジグザグ状でない
本種と異なりKOH溶出性の色素を欠く
Hypoxylon ochraceum
子座がいくぶんRosellinia
本種と異なり子座表面が黄褐色の粉状
本種と異なり子嚢胞子のエピスポアが孔状ではなく平滑
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がジグザグ状でない
本種と異なり子嚢胞子のぺリスポアが裂開しない
本種と異なりKOH溶出性の色素が紫色ではなく橙色
French West Indies, Martinique, Sainte-Marie, la Philippe, Trou Mulet

(新変種)

Hypoxylon sclerophaeum var. parvisporum J. Fourn. & Lechat
語源…小さな胞子の(子嚢胞子のサイズから)
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【よく似た種との区別】
Hypoxylon sclerophaeum
本変種より子嚢胞子のサイズが顕著に大きい
Hypoxylon polyporum
本変種と異なり子座が基部で基質に広く固着するのではなく中心部で付着する
本変種より子座が厚い
本変種と異なり子座が盾状
本変種と異なり子座内部が黒色ではなく帯灰褐色
本変種と異なり子座内部が垂直の炭質の束状ではなく襞状

(新熱帯、フランス、マルティニーク新産種)

Hypoxylon rugulosporum Van der Gucht, Y.M. Ju & J.D. Rogers
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【よく似た種との区別】
Hypoxylon laminosum
同所的に分布する(マルティニーク)
タケ生息菌である
KOH溶出性の紫色色素を有する
本種と異なり子座が半球形のDaldinia
本種と異なり子座内部が襞状
本種と異なり子嚢胞子のエピスポアが皺状でない
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がS字状でない