(仮訳)帯赤色の子座および緑色の子嚢胞子を有するヨーロッパ産ボタンタケ属3種
Jaklitsch, WM., Kubicek, CP. & Druzhinina, IS., 2008. Three European species of Hypocrea with reddish brown stromata and green ascospores. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/100/5/796.short [Accessed January 22, 2017].
【R3-03683】2017/01/22投稿

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3行まとめ

Hypocrea epimycesのタイプ標本を検討し、再記載とともにエピタイプ標本を選定した。
また、近縁なH. alniおよびH. brunneoviridisの2新種を記載した。
これらの種はHarzianumクレードに含まれ、子座が帯赤褐色で子嚢胞子が緑色であることなどで特徴づけられた。
United Kingdom, Derbyshire, Peak District National Park, Baslow, Longshaw Country Park

(新種)

Hypocrea alni Jaklitsch
語源…ハンノキ属の
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【よく似た種との区別】
Hypocrea epimyces
ヨーロッパに分布する
子座が帯赤褐色
子嚢胞子が緑色
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種と異なり湿った森林(しばしば川沿い)に生息するという特徴を欠く
本種と異なりハンノキ属およびカバノキ属植物ではなくヨーロッパブナなどを宿主とする
本種と異なり子座が未熟時に帯赤灰色~褐色ではなくばら色~帯赤褐色のことがある
本種と異なり子座が厚いクッション状でない
本種より分生子柄の分枝角度が急である
本種と異なりPDA培地で緑色の明瞭な同心円状の領域を生じる
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypocrea brunneoviridis
ヨーロッパに分布する
子座が帯赤褐色
子座が厚いクッション状
子嚢胞子が緑色
コロニーのリバースが黄色に着色することがある
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種と異なり湿った森林(しばしば川沿い)に生息するという特徴を欠く
本種と異なりハンノキ属およびカバノキ属植物ではなくヨーロッパブナなどを宿主とする
本種と異なり子座が未熟時に帯赤灰色~褐色ではなくばら色~帯赤褐色のことがある
本種より分生子柄の分枝角度が急である
本種よりコロニーの生長が遅い
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypomyces tawa
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種と異なりイギリス、ウクライナ、オランダ、オーストリアではなくニュージーランド、スリランカ、タイなどに分布する
本種と異なり子座が帯赤褐色ではなく帯褐橙色
本種と異なり子座がKOH陰性
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なりCMD培地でのアナモルフがVerticillium属類似
本種と異なりCMD培地でパスチュールまたはタフトを形成しない
rpb2chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
United Kingdom, Derbyshire, Peak District National Park, Baslow, Longshaw Country Park

(新種)

Trichoderma alni Jaklitsch
語源…ハンノキ属の
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Germany, Bavaria, Unterfranken, Landkreis Haßberge, Haßfurt, close to Mariaburghausen, left roadside heading from Knetzgau to Haßfurt

(新種)

Hypocrea brunneoviridis W.M. Jaklitsch
語源…褐色と緑色の(子座と子嚢胞子の色から)
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【よく似た種との区別】
Hypocrea alni
ヨーロッパに分布する
子座が帯赤褐色
子座が厚いクッション状
子嚢胞子が緑色
コロニーのリバースが黄色に着色することがある
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種と異なり湿った森林(しばしば川沿い)に生息する
本種と異なりヨーロッパブナなどではなくハンノキ属およびカバノキ属植物を宿主とする
本種と異なり子座が未熟時にばら色~帯赤褐色のことがあるのではなく帯赤灰色~褐色
本種ほど分生子柄の分枝角度が急でない
本種よりコロニーの生長が速い
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypomyces tawa
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種と異なりヨーロッパではなくニュージーランド、スリランカ、タイなどに分布する
本種と異なり子座が帯赤褐色ではなく帯褐橙色
本種と異なり子座がKOH陰性
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なりCMD培地でのアナモルフがVerticillium属類似
本種と異なりCMD培地でパスチュールまたはタフトを形成しない
rpb2chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypocrea epimyces
ヨーロッパに分布する
同じヨーロッパブナなどを宿主とする
宿主の材に発生する
子座が帯赤褐色
未熟な子座がばら色~帯赤褐色のことがある
子嚢胞子が緑色
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種と異なり子座が厚いクッション状でない
本種よりコロニーの生長が速い
本種と異なりPDA培地で緑色の明瞭な同心円状の領域を生じる
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Germany, Bavaria, Unterfranken, Landkreis Haßberge, Haßfurt, close to Mariaburghausen, left roadside heading from Knetzgau to Haßfurt

(新種)

Trichoderma brunneoviride Jaklitsch
語源…褐色と緑色の(子座と子嚢胞子の色から)
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Austria, Kärnten, Klagenfurt Land, St Margareten im Rosental, Zabrde

(その他掲載種)

Hypocrea epimyces Sacc. & Pat.
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Trichoderma aggressivum
EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種と異なりきのこ農園において病害を引き起こすことが知られている
EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypocrea minutispora
子座が識別困難なほど類似していることがある(未熟時)
本種より子座のサイズが小さい
本種ほど子座が扁平でない
Hypocrea brunneoviridis
ヨーロッパに分布する
同じヨーロッパブナなどを宿主とする
宿主の材に発生する
子座が帯赤褐色
未熟な子座がばら色~帯赤褐色のことがある
子嚢胞子が緑色
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種と異なり子座が厚いクッション状
本種よりコロニーの生長が遅い
本種と異なりPDA培地で緑色の明瞭な同心円状の領域を生じるという特徴を欠く
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypocrea alni
ヨーロッパに分布する
子座が帯赤褐色
子嚢胞子が緑色
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種と異なり湿った森林(しばしば川沿い)に生息する
本種と異なりヨーロッパブナなどではなくハンノキ属およびカバノキ属植物を宿主とする
本種と異なり子座が未熟時にばら色~帯赤褐色のことがあるのではなく帯赤灰色~褐色
本種と異なり子座が厚いクッション状
本種ほど分生子柄の分枝角度が急でない
本種と異なりPDA培地で緑色の明瞭な同心円状の領域を生じるという特徴を欠く
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hypomyces tawa
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種と異なりヨーロッパではなくニュージーランド、スリランカ、タイなどに分布する
本種と異なり子座が帯赤褐色ではなく帯褐橙色
本種と異なり子座がKOH陰性
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なりCMD培地でのアナモルフがVerticillium属類似
本種と異なりCMD培地でパスチュールまたはタフトを形成しない
rpb2chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Trichoderma harzianum
rpb2、EF1-α、chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で近縁(同じHarzianumクレードに含まれる)
本種よりコロニーの生長が速い
本種と異なり35°Cで生育可能
本種と異なりPDA培地で緑色の明瞭な同心円状の領域を生じるという特徴を欠く
rpb2chi18-5およびcal1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Austria, Kärnten, Klagenfurt Land, St Margareten im Rosental, Zabrde

(新種)

Trichoderma epimyces Jaklitsch
mycobank_logoSpecies_Fungorum