(仮訳)ポルトガルにおいてアーモンドおよびトウモロコシから分離されたコウジカビ属Flavi節の3新種
Soares, C. et al., 2012. Three new species of Aspergillus section Flavi isolated from almonds and maize in Portugal. Mycologia. … Available at: http://www.mycologia.org/content/104/3/682.short [Accessed July 8, 2015].
【R3-01990】2015/07/08投稿

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3行まとめ

ポルトガルにおいてアーモンドおよびトウモロコシから分離されたコウジカビ属Flavi節の菌株を検討した。
そのうち、トウモロコシから分離されたAspergillus mottaeおよびアーモンドから分離されたA. sergiiA. transmontanensisを新種記載した。
3新種はいずれもアフラトキシンBおよびGとアスペルギリン酸の産生能を有し、うちA. mottaeおよびA. sergiiはシクロピアゾン酸も産生した。
Portugal, Ribatejo, Riachos place

(新種)

Aspergillus mottae C. Soares, S.W. Peterson & Venâncio
語源…Manuel Mota教授に献名
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【よく似た種との区別】
Aspergillus flavus
同じFlavi節に含まれる
ポルトガルに分布する
分生子頭が黄緑色
分生子頭が複列
分生子が平滑~微細な粗面
菌核を形成することがある
アフラトキシンB、アスペルギリン酸、シクロピアゾン酸を産生する
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりポルトガル以外の国からも知られている
本種より頂嚢の直径が大きい
本種と異なり菌核を形成しないことがある
本種と異なりアフラトキシンGを産生しない
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus nomius
同じFlavi節に含まれる
分生子頭が黄緑色
分生子頭が複列
アフラトキシンを産生する
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりポルトガルではなく米国に分布する
本種と異なりトウモロコシではなくコムギから分離される
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus bombycis
同じFlavi節に含まれる
分生子頭が黄緑色
分生子頭が複列
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりポルトガルではなく日本に分布する
本種と異なりトウモロコシではなくカイコの排泄物から分離される
本種と異なり菌核の形成が知られていない
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus arachidicola
同じFlavi節に含まれる
分生子頭が黄緑色
分生子頭が複列
本種と異なりポルトガルではなくアルゼンチンに分布する
本種と異なりトウモロコシではなくArachis glabrataから分離される
本種と異なり菌核の形成が知られていない
Aspergillus minisclerotigenes
同じFlavi節に含まれる
ポルトガルに分布する
トウモロコシから分離される
分生子頭が黄緑色
分生子頭が複列
菌核を形成する
アフラトキシンBおよびG、アスペルギリン酸、シクロピアゾン酸を産生する
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりポルトガルのみではなくオーストラリアにも分布する
本種と異なりトウモロコシではなくアーモンドや土壌などからも分離される
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus parvisclerotigenus
同じFlavi節に含まれる
菌核を形成する
本種と異なりポルトガルではなくナイジェリアに分布する
本種と異なりトウモロコシではなくArachishy pogaeaから分離される
Portugal, Trás-os-Montes

(新種)

Aspergillus sergii P. Rodrigues, S.W. Peterson, Venâncio & N. Lima
語源…Sérgio Machado dos Santos教授に献名
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【よく似た種との区別】
Aspergillus parasiticus
同じFlavi節に含まれる
ポルトガルに分布する
アーモンドから分離される
分生子頭が主に単列
分生子が粗面
アフラトキシンBおよびG、アスペルギリン酸を産生する
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で近縁(同じA. parasiticusクレードに含まれる)
本種と異なりポルトガル以外の国からも知られている
本種と異なりアーモンド以外の基質からも分離される
本種よりフィアライドのサイズが大きい
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子表面が小刺状のことがある
本種よりコロニーが暗色
本種と異なりシクロピアゾン酸を産生しない
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Portugal, Trás-os-Montes, Alfândega da Fé

(新種)

Aspergillus transmontanensis P. Rodrigues, S.W. Peterson, N. Lima & Venâncio
語源…トラス・オス・モンテス産の
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【よく似た種との区別】
Aspergillus parasiticus
同じFlavi節に含まれる
ポルトガルに分布する
アーモンドから分離される
分生子柄のサイズの範囲が重なる
頂嚢のサイズの範囲が重なる
フィアライドのサイズの範囲が重なる
メトレのサイズの範囲が重なる
分生子のサイズの範囲が重なる
コロニーの生長が類似している
アフラトキシンBおよびG、アスペルギリン酸を産生する
シクロピアゾン酸を産生しない
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で近縁(同じA. parasiticusクレードに含まれる)
本種と異なりポルトガル以外の国からも知られている
本種と異なりアーモンド以外の基質からも分離される
本種と異なり分生子頭が主に複列なのではなく単列
本種より菌核のサイズが小さい
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(ヨーロッパ、ポルトガル新産種)

Aspergillus minisclerotigenes Vaamonde, Frisvad & Samson
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【よく似た種との区別】
Aspergillus mottae
同じFlavi節に含まれる
ポルトガルに分布する
トウモロコシから分離される
分生子頭が黄緑色
分生子頭が複列
菌核を形成する
アフラトキシンBおよびG、アスペルギリン酸、シクロピアゾン酸を産生する
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアにおける分布が知られていない
本種と異なりアーモンドや土壌などから分離された例がない
β-チューブリン+カルモジュリンおよびBT2+CF+Mcm7+RPB2+TSr1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される